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GO!GO!7188「魚磔」

このアルバムを初めて聴いたのは小学生の時。母が持っていたCDの中に、この「魚磔(ぎょたく)」があった。小学生の頃の自分の好きな音楽、というか聴いていた音楽はほとんど母が車で流していた音楽だった。当時はスマホも無く、音楽の配信アプリなどは使っていなかったので、母がTSUTAYAでレンタルしてきたCDをデータに移して車で聴いていた。それも母の好みでセレクトされたものばかりで、私は自分で好きな音楽を探すということをほとんどせず、小学生の頃の私が音楽を聴いていたのは、ほぼほぼ母の車に乗っている時間だけであった。(中学生になってウォークマンを入手してから音楽生活に革命が起きるのだが、その話はまた別の機会に)

「魚磔」は私にとってロックの入口であった。
小学生の自分が初めて聴いたバンドサウンドは間違いなくGO!GO!7188であり、それまで全く聴いたことの無い、衝撃的なものだった。12歳の時GO!GO!7188に憧れてお年玉でエレキギター(15000円くらい)を買ってしまった程だ。(弦が切れたが直し方が分からず放置、今でも実家でホコリを被っている)

GO!GO!7188は鹿児島出身の3ピースバンドで、2000年にシングル「太陽」でメジャーデビュー。2012年に解散している。「魚磔」の発売は2001年。

GO!GO!7188の中でも私が一番聴きまくり、擦りまくった思い入れのある作品である「魚磔」を今一度聴き返しながら思ったことを書きとめてみようかと思いつきで始めたが、本音は「もっとみんなGOGO聴いたらいいのに」と10年以上思い続けていた気持ちを発散したいというのがデカかった。
以下はアルバムの曲目ごとに、聴きながら解説的なことをしている。

「魚磔」
1.文具
2.C7 -Album Mix
3.あぁ青春
4.A.M.7:30
5.本音風船
6.桜島
7.ドタン場でキャンセル
8.恋の毒薬
9.めみみはなくち
10.とかげ3号
11.こいびと

1.文具
イントロからドカドカ急き立てられるサウンド。
歌詞も相まって切迫感がある。
「追いつけないよ  あたしだけ また、なにもないとこから始まるの?」
アルバムの1曲目に「文具」ってタイトルつけるか?!カッコよすぎじゃね??と思う。
小学生の頃の私は「転調」という言葉を知らず、後半の盛り上がり部分を「なんかヒートアップしたッ!」と興奮しながら聴いていた。

2.C7 -Album mix
文具から少し落ち着き、特徴的なギターリフ。
何年か前に地上波の番組で能年玲奈さんがギターでこの曲を弾いていたのを見てものすごく嬉しくなった。ちょっと泣きそうだった。
「心配なのは あなたのこと忘れそうなこと」
「不安なのは こんな日々にも慣れそうなこと」
想像力も詩心も乏しい小学生の私には心情の理解が難しくて、この人は一体どういう気持ちなんだろうとずっと考えていた。

3.あぁ青春
昭和歌謡のようなロック!!最高!!!!
歌謡曲のバンドカバーかと思うくらい、曲そのものの完成度が高い。
なんかビショビショ(?)したギターの音が波打ち際を思わせて情景が浮かぶ。
「パラッパラッパーラー」
女性の恋焦がれる心情を歌っていて、詞の作りもメロディもほんとに歌謡曲っぽいのでなんというか生々しく感じない。ライトに聴けるのがよい。
(GO!GO!7188の歌謡曲カバーはセンス抜群なので、カバーアルバム「虎の穴」を是非聴いてみてほしい)

4.A.M.7:30
ベースから始まるイントロがめちゃくちゃカッコいい。そこに絡むドラム、ギターで3ピース揃った時の気持ちよさ、ずっと続いて欲しい。歌詞は朝の情景と、頭に浮かぶモヤモヤを歌っている。
「目が覚めたらすでに日は登り初めてまた強い自分で1日を始めてしまうの?」の部分を一息で歌うところとかがとてもシブい。

5.本音風船
GO!GO!7188の歌詞はなんか不思議で、変だな、と思うものも多い。
あたまかじったり、指をかじったり、心かじったり、おしりかじったり。これは特にそう思われそうな曲だが、演奏と歌の力でかなりヒリヒリしたものが伝わってくる。
「最後に見た星空は あたしを淋しくさせて きみを素直にさせた 」ここの切実さはアルバム中屈指の煌めきを放ってる。

6.桜島
アルバム半ばの渋曲。真っ暗な早朝に船旅に出るが、船から放り出され流されそう、という内容。

7.ドタン場でキャンセル
沁みる。大人になってから、あぁ良いなぁと思うようになった。GO!GO!の表現する「些細なことから想起させられるやるせない気持ち」がよく現れている。
「「スカートの裾がほつれた 「あぁもうだめだ」とぼやいた」」

8.恋の毒薬
しっとりした空気が続いたと思いきや痺れを切らしたかのようにエネルギッシュなドラムのイントロ。「あぁ青春」と若干被るが、歌謡曲っぽさは薄い。GO!GO!7188らしい毒っ気。女性の情念ガツガツでちょっと恐い歌詞だが、ボーカルの良い意味で無感情なところが余計な味を削ぎ落とし、スッキリと聴けるのが素晴らしい。

9.めみみはなくち
変な曲。視覚・聴覚・嗅覚・味覚に感謝。感覚があるのって当たり前じゃないからみんなもっと感謝しなさいよ、という内容。変な曲。

10.とかげ3号
これも変な曲。ただ奇跡のようなカッコ良さ。
イントロからアウトロまで輝いている。
歌詞はあってないようなものだが、演奏のカッコ良さ、それを楽しんでる3人の様子が浮かんできて泣いちゃいそうになる。

11.こいびと
魚磔の終わりの曲。最後にまた一段と暗い世界に連れていかれるような曲調だが、恋人と過ごす時間の尊さを歌っている。なんかかわいい曲。かわいい集団だ。

私が後にロックを聴く上でGO!GO!7188のサウンドは基盤になっているし、新しい音楽に出会う度にGO!GO!7188の特異さ、魅力を感じる。だから定期的に聴きたくなる。

母の車から始まっている私の音楽ライフに明確な終着点などはないが、これからもふらふらと良い音楽を探しながら、度々振り返っては点と点を繋げる星座遊びのようなことをしていたら楽しいかもなぁと思う。
また思い出したら好きなアルバムの話を勝手にしていきたい。


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