10km走ると、詰まった仕事が解けていく話
ランニングを始める前に、必ずやることがある。
今、煮詰まっている仕事を頭に詰め込む。
意図的に。「考えながら走ろう」じゃなくて、「とりあえず頭に放り込んで走り出す」感じ。それがルーティンになって、もう何年も続いている。
最初の2km:正直しんどい
走り始めは、あまりいいことがない。
脚は重いし、息は上がってくるし、「なんでこんなことしてんだろ」ってちょっと思う。頭の中では煮詰まった仕事がぐるぐるしているんだけど、いいアイデアなんか全然出てこない。「フォームもっときれいにしなきゃ」とか「足に違和感あるな」とか、本質じゃないことが気になり始める。
仕事も走りも、どちらも中途半端な2km。
ここが一番つらい。
3〜5km:どうでもいいことを考え始める
不思議なもので、3kmを超えると体が慣れてくる。
呼吸が落ち着いて、ペースが安定して、走るのが「心地よい」に変わる。
そうなると、仕事のことはいったん頭から消える。代わりに浮かんでくるのは、完全にどうでもいいこと。「今日の晩ご飯何にしようかな」「明日、飲み会あったな」「あのドラマ続き見てないな」。
仕事を詰め込んで走り始めたのに、いつの間にかご飯のことを考えている。
でも、これがたぶん大事なんだと思う。
後半:突然、降りてくる
ここからが本番。
何kmか走ったあたりで、急に来る。
「あっ」って感じで、詰まっていた案件のアイデアが降りてくる。本当に「降りてくる」という表現がしっくりきて、湧いてくるとか思いつくとか、そういう感覚じゃない。どこか上から落ちてくるみたいに、すっとアイデアが入
ってくる。
しかもそれだけじゃない。
一個ほどけると、別の案件もつられてほどけてくる。「あっちもこうすればいいか」「あの話、こう持っていけばいい」って、連鎖するように次のプランが見えてくる。
デスクで1時間唸っていた案件が、走りながら5分で解けることがある。
ラスト1km:クールダウンしながら計画を整える
ラスト1kmになると、テンポを落としてクールダウンに入る。
このタイミングが一番好きかもしれない。さっき降りてきたアイデアを、今後の計画として整理しながら走る。「来週はこの順番で動こう」「あの人にまず声をかけよう」みたいに、ぼんやり頭の中で並べていく。
大事なことは、スマホに音声メモかテキストで残す。走りながらでも、これだけは忘れずにやる。帰宅してシャワー浴びたあとに見返すと、走る前には全然見えていなかったものが書いてある。
なぜ走ると詰まりがほどけるのか
正直、理屈はよくわからない。
でも、毎回そうなるから、たぶん本当にそういうことなんだと思う。煮詰まったまま机に向かい続けるより、いったん頭に放り込んで10km走ったほうが、結果的に早い。
石橋を叩き割るタイプの自分が、唯一「とりあえず走ってみる」で解決していること。
それがランニングの、自分にとっての正体だと思っている。
