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⑳言葉の力【実体験シリーズ】【第ニ章】見えない世界との交差

ー天使のラジオー
【実体験シリーズ】【第ニ章】

言霊
というものが、本当にあるのかもしれない。
と初めて感じた頃の話です。

幼い頃、近所に同い年の女の子が二人いました。

そのうちの一人、やっちゃんは、気が強くて生意気な子でした。
両親はおらず、おばあちゃんに育てられていて、どこか普通とは違うところのある子でした。

ある日のことです。

やっちゃんは私を睨みつけて、
隠し持っていた果物ナイフを取り出し

「刺すよ」

と一言だけ言ってそのまま帰った。。。

怖かったのを覚えています。

でも私は、そのあとを追ってやっちゃんの家へ向かいました。
すると、やっちゃんはおばあちゃんに

「殺すって言われた」

と泣きながら話していたのです。
私はそんなこと、一度も言っていません。

それから数日後、
一緒に遊んでいるときのことです。

やっちゃんは突然、蝶のサナギを食べた。。。

そしてまたおばあちゃんのところへ行って、

「食べろって言われた」

と泣いていました。
私の記憶にあるのは、

「やっちゃん!やめなよ!」

と言ったことだけです。

それからも、
たんぽぽを食べたり、蟻を食べたり、そんなことが何度も続きました。

私が何を言っても、自分は言っていないことにすり替わっていく。
そのたびに、私は苦しくなっていきました。
そしてとうとう限界になって、

「やっちゃんなんかどっか遠くに行っちゃえ!」

と言ってしまったのです。

それからは二度と遊ばなくなり、
やっちゃんは本当にいなくなりました。

やっちゃんがいなくなってからは、もう一人の女の子、ちゃーちゃんと遊ぶようになりました。

ちゃーちゃんは静かでおしとやかな子。

擦り傷は絶えないし、負けず嫌いで何でも自分が1番じゃないとダメな私とは正反対な子。

きっとご両親は、あまり私と遊ばせたくなかったのだと思います。

ある日、遊びに誘いに行くと、ちゃーちゃんに

「もう遊んじゃダメだって言われた」

と言われ、
私は悲しくなってショックをうけました。

それなのに数日もすると何もなかったかのように
ちゃーちゃんは遊びの誘いに来たのです。

まだショックを引きずっている私にとっては、
何の説明も無しに、遊ばないと言われたり、
遊ぼうと言われたり、
それが許せないほど理不尽な行動に感じたのでしょう。

そのとき私は、また同じようなことを口にしてしまったのです。

「ちゃーちゃんなんかどっか遠くに行っちゃえ!」

その言葉を最後にちゃーちゃんとも遊ばなくなり
今度は、
ちゃーちゃんも本当にいなくなりました。

そのとき、私は思いました。
私があんなことを言ったから、二人ともいなくなったのではないかと。

幼い子どもの考えです。
けれどあの頃の私には、ただの偶然とは思えませんでした。

一度口にした言葉は、消えない。
声に出したあとも、どこかに残り続けて、何かに触れてしまうことがあるのかもしれません。

言葉には力がある。

昔から言われてきた“言霊”というものは、
もしかしたら本当にあるのではないか。
あの出来事を思い出すたび、今でもそう考えることがあります。

あのときのことが、ただの偶然だったのか。
それとも、言葉が何かを動かしてしまったのか。答えは今でも分かりません。

ただ、それ以来
言葉を軽く扱うことは、なくなりました。

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