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世界の偉人シリーズ|第21話 江戸英雄 三井不動産 中興の祖・日本の超高層都市開発を切り拓いた男

日本には、

・鉄道で都市を作った男
・流通で生活を変えた男
・工場で産業を作った男

がいる。
しかし、

「都市そのものの価値を設計した男」

は多くない。
その代表が、三井不動産中興の祖・江戸英雄である。
現在の、

・丸の内
・日本橋
・超高層オフィス街
・大規模再開発
・都市一体開発

その原型には、彼の思想がある。
彼は単なる不動産屋ではなかった。

「都市は国家競争力そのもの」

と考えていた、
日本型デベロッパーの完成者だったのである。


江戸英雄
「都市機能を設計した男」
日本型デベロッパーモデルを完成させた。
1903-1997|三井不動産中興の祖。


【エリート銀行マンとして出発する】

1903年生まれ。
東京帝国大学法学部を卒業後、三井銀行へ入行する。
当時の三井は、日本最強クラスの財閥だった。

彼は、典型的なエリートコースを歩んでいた。
しかし彼は、単なる銀行マンでは終わらなかった。
若い頃から、

・都市
・土地利用
・国際競争
・経済成長
・国家発展

に強い関心を持っていたと言われる。
ここが重要である。
彼は最初から、

「土地そのもの」ではなく、
「都市機能」を見ていた。


【なぜ不動産へ向かったのか】

当時の日本における不動産業は、今とは全く違った。
基本は、

・土地を持つ
・貸す
・賃料を得る

という発想だった。
しかし江戸は違った。
彼は考える。

「不動産とは建物ではない。
都市機能そのものだ」

つまり、

・人
・企業
・交通
・景観
・商業
・情報
・国際競争力

を統合して設計することこそ、
本来の不動産業だと考えたのである。

これは当時としては、
かなり先進的だった。


【丸の内への執念】

彼の名を歴史に刻んだのが、
丸の内再開発である。
当時の丸の内は、

・古い赤レンガ街
・低層オフィス
・老朽化した街並み

が中心だった。
しかし江戸は、そこに別の未来を見ていた。

「東京は、ニューヨークやロンドンと戦う都市になる」

そのためには、

・超高層化
・大規模街区化
・オフィス集積
・景観統一
・国際企業誘致

が必要だと考えた。
彼は、

「東京を世界都市へ変える」

という視点で都市を見ていたのである。


【「ビル」ではなく「街」を作った】

ここが江戸最大の特徴である。
普通の不動産会社は、ビル単体で利益を考える。
しかし彼は違った。
彼が見ていたのは、

「街全体」

だった。
だから彼は、

・道路
・歩行導線
・緑地
・景観
・商業配置
・企業集積
・街区全体

まで設計した。
彼は、

「点」ではなく、
「面」で都市を見ていたのである。

現在の三井不動産にも残る、

「エリア価値を上げる」

という思想は、まさに江戸由来である。


【三菱地所との決定的な違い】

ここが非常に面白い。
三菱地所は、丸の内という超一等地を、
元々持っていた。

つまり、

「既に持っていた土地が、
国家成長で超一等地化した」

側面が強い。
いわば、

「王者型」

である。
一方、三井は違った。
三井の源流は、越後屋。

・呉服
・流通
・商業

が原点だった。
三菱のように、
巨大な都心一等地を最初から持っていたわけではない。
だから江戸は考えた。

「持っていないなら、
未来の都市価値を創ればいい」

これが三井不動産の転換点だった。


【霞が関ビル】

その象徴が、
1968年完成の霞が関ビルディングである。
これは単なる高層ビルではない。

当時の日本には、「高層ビル文化」
自体がほぼ存在していなかった。
周囲からは、

・危険だ
・埋まらない
・日本人に合わない

と言われた。
しかし江戸は確信していた。

「東京は必ず世界都市になる」

彼は、

「未来需要」

へ賭けていたのである。
そのため「土地がないなら容積を作ればいい」。
だから高層化させた。
これは、

「既存資産活用」

とは全く違う。
未来価値創造型の発想だった。


【土地がないなら海を埋めろ】

さらに三井系は、

・埋立地開発
・臨海開発
・ベイエリア開発

へ進んでいく。
ここが非常に「三井的」である。

「土地がないなら作ればいい」

という思想だ。
その流れの延長線上に、
後の東京ディズニーランドもある。

東京湾埋立地だった浦安は、
当時、

・辺鄙
・不便
・価値が低い

と見られていた。
しかし三井系は、

「人流を作れば、土地価値は後から上がる」

と考えていた。
これはまさに、江戸的発想だった。


【GHQと戦後復興】

戦後、日本は焼け野原になる。
財閥も解体される。
しかし江戸は、ここで止まらなかった。
彼は、

・GHQ
・政府
・財界
・外資

との交渉を続ける。
しかも彼は、単なる利益追求ではなく、

「国家全体の成長」

を重視していたと言われる。
ここが彼の特徴だった。
彼は、

「東京を世界都市へ戻す」

という視点で、
戦後復興を見ていたのである。


【東京オリンピックを見抜いた】

1964年、東京オリンピック。
日本は高度経済成長へ突入する。
ここで江戸は確信する。

「東京は、世界都市になる」

そこで、

・国際企業誘致
・超高層オフィス
・大規模再開発
・国際ビジネス街形成

を一気に進める。
現在の、

・大手町
・丸の内
・有楽町

の原型は、この時代に形成されていく。


【江戸英雄という人物】

彼は非常に特徴的だった。

・超合理主義
・長期視点
・国家視点
・構造思考
・調整能力が高い

感情より、都市機能を見る人だった。
さらに特徴的なのは、

「短期利益」

にあまり関心がなかった点である。
彼は数十年単位で都市を見ていた。
だから彼は、

「街全体の価値」

を上げようとした。


【三井不動産に残ったDNA】

現在の三井不動産にも、
創業者思想が色濃く残っている。

・長期保有志向
・街づくり重視
・官民連携
・エリア一体開発
・未来価値創造

特に面白いのは、
三井不動産が現在でも、

・豊洲
・柏の葉
・日本橋再生
・ベイエリア

など、

「まだ完成していない街」

へ投資する傾向が強い点だ。

これはまさに、

「未来価値を作る」

という江戸のDNAである。


【五島慶太・堤康次郎との違い】

この比較は非常に面白い。

五島慶太は、
「交通」で都市を作った。

堤康次郎は、
「土地取得」で資産を作った。

しかし江戸は違う。彼は、
「都市再開発」で価値を作った。

つまり彼は、

「現代デベロッパー型経営者」

だったのである。


【戦っていた相手】

江戸が戦っていたのは、
他社デベロッパーだけではない。
本当に戦っていたのは、

・東京の老朽化
・土地貸し発想
・低層都市構造
・都市国際競争力不足
・戦後復興停滞
・「不動産は土地を貸すだけ」という常識

だった。
だから彼は、

街区をまとめ、
超高層化し、
企業を集積し、
都市機能を再設計した。

彼がやっていたのは、

「不動産経営」ではなく、
「都市経営」だったのである。


【これは戦略だったのか】

結果だけ見れば、巨大再開発成功譚である。
しかしそこには、非常に強い型がある。

・未来需要を読む
・街単位で価値を考える
・人流を先に設計する
・企業集積を起こす
・都市機能を統合する
・長期で街価値を育てる
・「点」ではなく「面」で見る

極めて三井的な構造である。
しかも面白いのは、
彼が土地そのものに執着していなかった点だ。
普通の不動産会社なら、

土地

賃料

利益

を見る。
しかし江戸は違った。

都市機能
 ↓
企業集積
 ↓
人流
 ↓
国際競争力
 ↓
街価値
 ↓
不動産価値

を見ていた。
だから彼は、

ビル
 ↓
街区
 ↓
都市
 ↓
国家競争力

までを一体で考えた。
つまり彼は、

「未来都市の構造」

そのものを設計していたのである。


【まとめ】

江戸英雄は、単なる不動産経営者ではなかった。
彼は、

「都市は国家競争力そのもの」

だと考えていた。
だから彼は、

・道路
・景観
・企業
・交通
・人流
・街区

を全部繋げた。
その結果、

・丸の内
・超高層オフィス街
・日本型再開発
・国際ビジネス都市・東京

が形成されていく。
周囲からは、

「合理的すぎる」
「冷たい都市開発だ」

とも言われた。
しかし彼は止まらなかった。
なぜなら彼には、

「都市は成長しなければ衰退する」

という確信があったからである。
そして実際に彼は、
東京を世界都市へ変えていった。

江戸が残したのは、
単なるビル群ではない。

「世界都市・東京の器」

そのものだったのである。


次回予告


世界の偉人シリーズ 第22話 堤康次郎
西武グループ創始者


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