おじの幸福食堂 番外編⑧ 〜雨の狸小路。マイルールを破った、串揚げ屋のハイボール〜
こんにちは。「おじの幸福食堂」へようこそ。
昨日までの初夏を思わせる暑さはどこへやら、今日の札幌は一変して冷たい雨が降っています。気温はわずか13℃。肌寒さを通り越して、はっきりと「寒い」と言わざるを得ない天気です。
出かける時は「いつも手ぶら」が原則の私にとって、雨というやつは実に厄介な存在です。傘がないので濡れながらの移動になります。
それでも家に引きこもっているのはもったいないと、今日は札幌の中心部、狸小路をぶらぶらすることを目的に地下鉄に揺られました。
大通駅から地下街の「ポールタウン」を歩いていると、心地よい暖かさに誘われて、このまま突き抜けてススキノまで行ってしまいたい気持ちが頭をもたげます。しかし、そこをグッと抑えて目的地である狸小路に到着。
3丁目からぶらぶらと歩き始めました。
並んでいるお店の店頭には、私にとって価値があるのかないのか分からないような雑貨や土産物が所狭しと並んでいます。それらを眺めながら、「ああ、あれを買って家に持って帰った瞬間に、ただのゴミになるんだよな……」などと、心の中で呟いてしまうのは、身の回りを常にすっきりさせておきたい枯れたおじさんの性(さが)でしょうか。
物欲が働かない代わりに、私には「マンウォッチング」という密かな趣味があります。
すれ違う人々を見渡すと、観光客と思われる外国人の姿がとても多いです。
「あの服装はあちらのお国の方かな?家族で北海道旅行、いい思い出になるといいな」
「あのお顔はあちらの国の方かな?一人旅だろうか」
そんな妄想を膨らませながら歩いていると、ベンチに腰掛け、慣れない箸で一人で黙々と唐揚げを食べているうら若き外国人女性が目に留まりました。
「なぜ、一人で、そこで唐揚げなんだろう……?一人旅?」
そんな正解のない問いを頭の中で転がしながら歩を進めるうちに、気がつけば狸小路の7丁目あたりまでやってきていました。
アーケードの喧騒から少し外れた場所に、一軒の渋い串揚げ屋さんを発見。
たくさん歩いて喉も乾いたし、ここらで少し喉を潤していくか、と暖簾をくぐりました。
入った瞬間、
「おっ、ここは常連さん向けっぽい雰囲気か……?」
と一瞬身構えてしまったのですが、それは杞憂に終わりました。
大将をはじめ、お店の皆さんが本当に親しみやすくて優しく、一見の私を温かく迎え入れてくれて一安心。
まずは冷えたビールを注文し、乾いた喉に一気飲みで流し込みます。
プハァ、生き返る。
アテには、レンコンと豚の2品をチョイス。
サクサクの衣に包まれた熱々の串揚げは、文句なしの旨さです。
さて、ここでビールが空になりました。
「飲み物、おかわりしようか?」
一瞬、心が動きます。しかし、私の「ちょい飲みルール」では、お酒は1杯だけと決めているはず……。
いやいや、ちょっと待てよ。
たまには自分で決めたルールを破るくらいの「柔軟性」も必要なんじゃないか?
「ルールは破られるためにある」
ではないか?
日頃から仕事でたくさんの高齢者の方々と接しているからこそ、自分に対して「ルールに縛られて頭の硬い高齢者になるな!」と、もっともらしい大義名分を掲げてみることにしました。
「すいません、ハイボールください!」
結局、自分に甘い言い訳をして頼んだハイボール。これがまた、串揚げの油をすっきりと流してくれて最高に美味いのです。
特に奇をてらった変わり種のメニューがあるわけではないけれど、一見さんも常連さんも同じように肩の力を抜いて落ち着ける、そんな素敵なお店でした。
冷たい雨の休日でしたが、お腹も心もすっかり暖まり、今日もいい具合に癒やされました。
皆さんは、自分の中の「マイルール」、たまには破ってみたりしますか?
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
もしよろしければ「スキ」を押していただけると、次回の励みになります!
