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土に触れ、システムを学ぶ ― ビジネスにおける「つながり」の本質

Fabricのサステナビリティストラテジスト、トモコです。
突然ですが、あなたが今日、口にしたものが、どんな場所で、どんな人の手で育てられたか、考えたことはありますか?

Fabricでは、再生型農業の拡大や生活者へのコミュニケーション戦略などにおいて、食品業界のリーダー企業と協業しています。また、東久留米の有機農園・奈良山園と提携し、月1回のCSA(Community Supported Agriculture/地域支援型農業)プログラムの受け取り拠点にもなっています。

Fabricのコミュニティ活動についてはこちら: https://fbrc.co/jp/community
こうした活動を通じて、私たちが日々感じているのは、「食の源」との距離です。私たちの生活と、食を育む土、そしてそれを支える人々とのつながりが、あまりにも薄れてしまっていると感じませんか?

私は、現場で自分の目で見て、肌で感じることに価値があると信じています。頭で理解することと、体感することは、まったく別の次元の学びをもたらすからです。
そこで今回、ベトナム・カンボジアなどグローバルで30数店舗を展開し、2024年にオープンした東京店は予約困難なほど人気のPizza 4P'sが主催するTour 4P'sに参加してきました。このツアーは、Pizza 4P'sが日本各地のパートナー生産者を訪れ、彼らの哲学と実践に触れるというもの。
今回訪れたのは、有機栽培で知られる埼玉県小川町のSOU FARMです。


地球と人を繋ぐレストラン ― Pizza 4P'sが体現する「Oneness」

Pizza 4P'sには、Oneness(すべては繋がっている)という哲学があります。
「私たちはみな、地球、大地から、大いなる恵みを受けとり "いま、ここ" で、生きています。それはつまり、私たち自身がこの地球の構成要素であり、すべては繋がっているということ。」

季節の野菜を楽しむPizza 4P'sの「Earth to People バーニャカウダー」写真はお店を訪れた6月のもの

この考え方は、Fabricという社名の由来でもあるSocial Fabric(社会の構造)とも重なります。環境、人々、経済活動――それらは独立した要素ではなく、互いに影響し合う関係性の網の目なのです。

Pizza 4P'sは、このOnenessを各地域で異なる形で表現しています。カンボジアではゼロウェイスト、インドでは生物多様性の保全。そして東京では、先進国の中でも低いとされる日本の幸福度に着目し、Compassion(共に生きるための思いやりの気持ち)あふれる世界を目指しています。

Dictionaryと呼ばれる、Pizza 4P'sの分厚いメニュー。レストランで口・目・手にするものがどこから来るのかがこれを読めば分かる。

Onenessを肌で感じ、Compassionを育む1日

9月13日、小川町で開催されたツアーは、朝から夕方まで盛りだくさんの内容でした。
SOU FARMにて

  • Onenessとは? Tour 4P'sが目指す世界について

  • SOU FARMの紹介

  • 不耕起栽培の大地から創る"土器のワークショップ"

  • 収穫した野菜を、バーニャカウダーでZenEating

  • SOU FARMのホーリーバジルジン試飲

mart Ogawaにて

  • 日本の自然派ワインと生産者の話 by KIKI WINE CLUB

  • テイスティングセッション/懇親会(SOU FARMの季節の野菜を使用した夕食)

土から学ぶ、これからのビジネスの本質 ― 3つの視点

SOU FARM代表 柳田大地さん

Pizza 4P'sのパートナーで不耕起栽培を実践するSOU FARMの代表、柳田大地さんから、彼の土・野菜と向き合う姿勢について話を聞きました。そこには、どんな業界、どんな企業にとっても重要な示唆が詰まっていました。

1. Bigger Purpose ― 日々の行いは、大きな使命を実現するためのもの

大地さんは、「野菜を育てたいから農業をしているわけではない」と言います。
彼が目指しているのは、自分が身を置く環境―農園、土、その周りの人々―をよくすること。野菜は、その結果として育つものなのです。
大地さんは、野菜が育つ畝やその周りの土、生えている草や木、虫たちのことを「社会」と呼びます。

あなたの会社やプロジェクトは、どんな「社会」を良くしようとしていますか?

日々の業務や自分たちの活動が周囲にどんな影響を与え、何を育んでいるのか。忙しさに追われHowに夢中になり、Whyを問い直すことを忘れていませんか?

SOU FARMで摘み取り、Zen Eatingでいただいたツルムラサキ、ルッコラ、エゴマ。

2. Living Systems ― すべては生きたシステムの一部である

ツアー中、私は農園に生えている山椒の木に大きなクモがいることに気がつきました。
大地さんは、少し前の出来事を振り返ります。
ある日、クモの巣でいっぱいになっていた山椒の木を見て、思わずその巣を払ってしまった。ところが少しすると、ハエが大量発生。良かれと思って払ったクモの巣は、実はそのハエを捕らえてくれていた大事な役割を果たしていたのです。

今、その山椒の木には、クモもアゲハの幼虫も暮らしています。まさに、私たちが生きる社会の仕組みを表している木でした。

ビジネスにおいても同じことが言えます。

一見「無駄」に見えるもの、「邪魔」に思えるものが、実はシステム全体のバランスを保っている場合がある。短絡的な効率化が、長期的には大きな歪みを生むことがある。
私たちがサステナビリティの戦略を考えるとき、常に意識しているのは、「システム全体を見る」ということです。一つの施策が、どこに波及し、何を生み出すのか。その視点なしに、真に持続可能な変化は起こせません。

3. Human's Perspective ― 今ここにあるものへの価値は、私たちが決めている

SOU Farmでは、落ち葉を分解させて堆肥として使っています。
あなたなら、どこからこの落ち葉を集めますか?
効率性を考えれば、農園のすぐ周りにある木々の中に入っていけば、すぐに回収できるでしょう。

でも、大地さんは言います。「森にある葉は、森に属するもの」。
江戸時代から、人々は農園での栄養を確保するために森から落ち葉を奪うのではなく、街中にある落ち葉を集めて使っていたそうです。人の周りで出たものを、人の活動において循環させる――それが本来の循環だったのです。

この話を聞いて、Fabricのパートナーである奈良山園の野崎さんや、最新の発酵技術で食の循環を目指すSOIの石垣さんの言葉を思い出しました。

 「農園の周りにある木々の落ち葉は、近隣の方からの苦情のもとになっている」- 奈良山園代表 野崎さん

「かつて大トロは脂っこすぎて食べるものではなく、捨てられるものだった。無駄になるか、価値のあるものになるかは『人の心が決めている』」 - SOI代表 石垣さん

街中にある落ち葉が、価値のある資源になるか、焼却所で処理される廃棄物になるか――それは、私たちの限られた思考が決めつけているだけなのかもしれません。
あなたの会社には、「廃棄物」だと思い込んでいるものはありませんか?
それは本当に「無駄」なのでしょうか?


今回のツアーを通して、改めて感じたのは、身の回りの「仕組みに気づき、理解する」ことです。

土と人、生産者と消費者、企業と社会―それらは分断されたものではなく、互いに影響し合う生きたシステムです。
そして、そのシステムをどう捉え、どう関わるかは、私たちの視点次第で変わります。

もしあなたが、自社のサステナビリティ戦略に悩んでいるなら、ぜひ一度、現場に足を運んでみてください。土に触れ、生産者の話を聞き、自分の目で確かめてみてください。

そこには、データやレポートには表れない、本質的な学びがあるはずです。
Fabricでは、企業のサステナビリティ戦略を、単なる「対応」ではなく、ビジネスの競争力と社会的価値を両立させる「機会」として捉え、戦略設計から実行までを伴走しています。

もし、あなたの会社やプロジェクトにおいて、「つながり」を再構築し、新しい価値を生み出したいと考えているなら、ぜひ一度お話ししましょう。


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