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【思索の標本】 死生

残された時間の中にいた。
誰かがそっと紡いできた時間だ。

ずっと上に上がらなければならないと思っていた。
深い海の底から、陸地へ上がらなければと。

いくつもの時間を超えて紡がれた時間は
今も誰かの心に光を残す。

この場所で生きていても良いと思えた。
海底から上がることは全てではない。

残されたものに触れてみる。
風が騒いで、頬に触れた。

この場所で漂い生きていこう。
この暗く眩く、目も眩むほど眩しい暗闇で。

知らない時代の風は、今私の頬に触れた。
生きることは残すことなのかもしれない。
生きることは足掻くことかもしれない。

生きることは。
生きることは、ただ、日々をつなぎ紡ぐことだった。

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