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【57歳・女子大生(未定)第6話】現在地…やばい。

第6話
現在地…やばい


気づけば、物語は現在に追いつきました。

試験まで、あとわずかです。

受験対策のために、
週1回の剣道のお稽古をお休みにしました。

水曜日の夜は、空いたはずでした。

けれど、なぜかそこに仕事を入れている私がいます。

……あれ?

土曜日の夜は自治会の引き継ぎ。
来年度は副会長と区政協力委員。

鍼の学術研修会。
家庭の用事。

静かに数えてみると、
予定はきれいに埋まっています。

「時間がない」

そう言いかけて、飲み込みます。

時間は作るもの。

頭では、わかっています。

けれど実際に作れているかというと、
少し怪しい。

勉強できるのは、
訪問診療の移動中、車の中。

信号待ち。
コンビニの駐車場。
数十分の細切れ時間。

それでも、不思議と、
その時間がいちばん集中できたりもします。

夜のゼミで、
先生はいつもの調子で言われました。

「まあ〜大丈夫でしょう。」

根拠は聞いていません。

でも、その一言で、
浅くなっていた呼吸が、少し深くなりました。

大丈夫かどうかは、
まだわかりません。

名詞が出てこないこともある。
記憶力も、若いころとは違う気がする。

57歳。

でも——

年齢は、言い訳にもなるし、
積み重ねにもなる。

どちらにするかは、
自分次第なのかもしれません。

試験まで、あとわずか。

焦りはあります。

けれど、
焦りの中でしか見えない景色もある。

とりあえず、今日の1ページ。

呼吸を整えて、
進みます。

物語は、
いまも続いています。

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