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孤独な慈悲の王~~心を得たアンドロイド~~(1)

第1話・・・無感情のアンドロイド 


首都には、天を貫く煌びやかなビル群、そして誰もが羨む、国民生活に“利便さ”を追求した豪華絢爛な住宅地、そして、建国以来何物にも破壊されず、いつまでも荘厳な純白さが輝きが増し“世界の統治者”が住まう“ホワイト・ハウス”を備えた、近未来の合衆国

その合衆国が、ある時“人間とほぼ変わらない動きが出来るロボット”を開発出来ないかと、徹底的な研究の副産物として・・・自由意志で変化自在を可能とした特殊金属・『幹細胞合金』が発明され

『幹細胞合金』を基に、ロボット製造の研究を重ねて数年、やっと最終目的である『人間の動きとほぼ変わらないロボット』を実用可能までに成功をしたのだった

そして、そのロボットの名称を『アンドロイド』とし“機械的な動き”をする機体を『ロボット』と区別がなされた

そして『アンドロイド』は、あらゆる生活の場で活躍する事によって、合衆国の国民たちは、一部は残るものの“あらゆる労働”から解放され、自由に自分たちの好きな物事を謳歌できるようになったのだ

そして、更に『アンドロイド』を軍事利用し始め、人の形をした“起動兵器”・・・『アンドロイド・ウェポン』が開発されたのだ

そして、『A・W』は幾多の紛争で、“戦闘機・戦車・装甲車・高射砲”などの既存の兵器・・・ましてや“核兵器”さえ“太刀打ちできない”ほど“圧倒的な戦力”を世界の国々に見せつけ

世界中の国家がこぞって『幹細胞合金』の技術と『A・W』の開発を、手に入れようとしたが・・・“ある一国家”を除いて、どの国家も取得できず

事実上、合衆国は“無敵の国家”として世界を君臨し、今度こそ“世界の覇権国”の地位を不動のモノとし、どの国家も立ち向かう事が出来なくなっていたのだった

・・・・・

『アンドロイド・ウェポン』とは、人の形をした『起動兵器』

“機体”に『幹細胞金属』が使われているために、戦車の砲台や高射砲のような滑らかで“機械的な動き”でなく、しなやかで素早く、そして臨機応変な動きがとれる“動物的な動き”ができる事は、先に解説した通りだが

『A・W』の恐ろしさは、“機体”のあらゆる箇所に“色んな武器”に変化させ、戦いの状況に対応でき

説明不足で申し訳なかったが『アンドロイド』のエネルギー源は『金属とオイル』・・・

『A・W』は“機体”の一部を“スライム状”に変化させ、あらゆる敵の兵器を“呑み込み”、戦いにより“消耗した”『幹細胞合金』を補うのだ・・・“核兵器”さえ“無力化”させる理由は“ここ”にあったのだ

『A・W』・・いや『アンドロイド』もそうだが、『金属とオイル』が無ければ、『幹細胞合金』の維持が出来ない為、一定の割合で補給をしなければならない

そして、“補給がままならない”場合、戦力はかなり消耗するが『A・W』の“共食い”をさせなければならない時もある

この部分は『A・W』の欠点であり、敵に知られてはならない秘密事項で、今後の課題となっているのである

『A・W』には予め、戦う事に必要な『知識』を『取得』させ、色んな戦状に臨機応変できるようにし

戦いに関係がない『知識』は“余計な行動”をもたらすので、初めから『排除』させ

そして合衆国に“不利”になる状況に陥ると『強制終了』となり、只の“鉄屑”と化すよう『プログラミング』されているのである

『A・W』のプログラム内で行う“あらゆる判断基準”は、合衆国にとって『快・不快』が基準となっており

『A・W』自身の『快・不快』による“エラー”・・・“自我”が芽生え、場合によっては合衆国に“叛旗”を翻す可能性があるため

“それ”を回避するよう、細心の注意を払って、『A・W』管理を徹底的に行っているのである

因みに、国民生活を支えている『アンドロイド』も“自我”を目覚めさせないよう『プログラミング』されているのである

・・・・・

ある時、中東の国々が“無敵国家”合衆国の強権に怒り、連合して中東にある合衆国が管理する施設の破壊活動を行った

合衆国は“その破壊活動”を、中東の国々からの宣戦布告とみなし『A・W』100体を出動させ

中東の国々も、空には戦闘機・攻撃ヘリコプター、砂漠には、戦車・装甲車など大規模な軍をもって紛争が始まったのだ

連合軍から大量の弾丸やミサイルが飛び交う中、たった100体の『A・W』で、大規模な中東の国々の連合軍に勝つのかと、世界中の国々が固唾を飲んで見守っていたが

結果・・・大量の弾丸・ミサイルは『A・W』にとって只の“餌”に過ぎず、“機体の一部”を、マシンガン・レーザービーム・ミサイル・ヒートソード等の“あらゆる武器に変形”させながら“一方的な各戦状に適した戦い”に、中東の国々の連合軍はなすすべもなく殲滅させられたのである

特に、AW―US2100・通称<メア>と言う、女型が基本機体である『A・W』が、機体を変化させながら、空と砂漠を“縦横無尽”に暴れ回り

大部分の敵の兵器を“呑み込み”し、逃げ惑う“丸裸になった大勢の兵士”を、まるで狩りを楽しむかの様に、虐殺の限りを尽くしたのである

だが、メアたち『A・W』は、“虐殺を楽しんでる”でもなく、ただ“無感情”に、合衆国の指令に従って実行してるに過ぎないのである

だが、“感情ある”世界中の国家の人々は『A・W』に対し、ある者は、恐怖・憎しみと言った“不快”の感情を、また、ある者は、興奮・羨望と言った“快”の感情の様々な感情を持ち合わせていたのだった

・・・・・

瞬く間に、中東の国々の連合軍を一方的に蹂躙した『A・W』たちは、自身の背中から“金属の天使の翼”を生やし、次々に中東にある合衆国の基地へ帰還していき

“メア”も、帰還しようとした時、彼女の目の前に、巨大な“漆黒の渦”が突如出現した

『“標的”が作り出した得体の知れないモノ???』

メアの『頭脳CPU』内では、『眼球スコープ』から入力された“想定外の事態の『情報データ』”から、その巨大な渦は“危険”だと処理し

刹那に自身の機体を“漆黒の渦”から退けようとしたが“メアの刹那の反応”より“漆黒の渦”の吸引作動の方が速く、彼女は、何の抵抗も出来ずに吸い込まれてしまったのだ・・・・

【これで・・・私は“廃棄処分”となったのだな・・・】

と、メアは無感情に“そのような判断”をし、起動停止を促そうとしていたが・・・

・・・・彼女の眼球スコープの前に飛んできたモノは・・・

さっきまで、メアたち『A・W』が殲滅した“標的”とは違い“マシンガンやヒートソード”などの“現在の兵器”でなく

片方の手に“粗末な鉄で出来た、先が鋭く平べったいモノ”『刃・剣』と言った武器と、余った手には“色んな模様が付いた鉄板”これは『盾』なのかと言った防具を持った者たち

両手に“先の尖った鉄の付いた長い棒”恐らくは『槍』だろう武器を構えている者たち

“それらの者たち”より後方には、“三日月ような木の棒の両端に縄を括り付け、針の付いた細い棒を装填し、縄を引っ張って飛ばす“『弓矢』といった武器を持った者たち

それらの集団が、身体中に“凸凹した鉄板や皮で出来た”『鎧・アーマー』なのか?を覆って“遥か昔の兵器”を携え、およそ“人間の形状とは違うモノ”たちが蠢いて視えていた

【な、何だ?・・・見た事がないモノたちが動いている・・・いったいどうなってるんだ???】

と、メアの眼球から送りこまれた『予期せぬ電流』に『頭脳』が混乱し“起動”がままならなかった

「「な、なんだ!!!!急に“異様な武装の人間の女”が現れたぞ!!!!」」
と“異形のモノたちの大声”が聞こえた事により、メアの『頭脳』が正常化し

『まだ“標的”がいたのか?・・・指令通り殲滅するのみ!!!!』
と、腕の一部を“ヒート・ナイフ”に変化させ、素早く“鋭く平べったい板”や“針の付いた棒”を振り回し、そして“貧相な針の付いた棒”を飛ばすの“遥か昔の兵器”を持った“訳の分からない姿形の標的”を一方的に虐殺していったのだ

【不思議だ・・・異形の標的でも“人間と同じモノ”が・・・】

今まで殲滅させていった標的を“破壊”するたびに、“赤く鉄臭い液体・・・血液”と“柔らかく赤い塊・・・肉片”が飛び散らし

【この血液と肉片・・・まるで『アンドロイド』と同じ、オイルと合金のようだ・・・アンドロイドと人間に“どんな違いがあるのだろうか?”】

と、メアは“いつも感じていた”情報が『頭脳』から一旦引き出されたが、目の前の指令に支障をきたすと判断し“そんな思い”を『頭脳』の奥に仕舞い、無感情のまま指令に従うのだった

・・・やがて、異形の標的の集団の殲滅を終わらせると

『これで指令を完了した・・・帰還しよう』

と、メアは、『情報』にこそ“記録”しているが、巨大な“漆黒の渦”に巻き込まれた事、さっきまで殲滅させた“異形の者”などの“存在”に“何の疑問”を感じる事も無く、中東にある合衆国の基地に帰還しようとした時

「何者か知らないが・・・侵略者たちを滅ぼしてくれてありがとう」
と、メアの後ろから“聞き覚えのある声”がしたので、咄嗟に“その声”の方を振りむくと

殲滅した“異形の者”とは違い、メアが普段から目にする“人間”が3人立っており

その後ろには、“四つん這いなった大きな生物”多分『馬』と推測される生物の上に跨り、鋼で出来た奇妙な装飾品の様なアーマーを着た・・・

メアたち『A・W』に指令を出している命令者マスターが現れたのだ

【着ている物は“奇妙”だが・・・私の命令者に違いない・・・】
と、メアは即座に“理解”し

『マスター・・・合衆国の御意思通り、眼の前の標的を殲滅致しました』
と、報告すると・・・・

馬に跨っている“マスター”は、急に“驚いた”ような表情をしだし、やがて “笑い出し”て

「ハハハ・・・そなたの主君マスターは、余と同じ姿形をしているのか、それだったら“他人の空似”だな・・・それと“合衆国”なる国は、そなたの国なのか?」
と、言い出したのだ

【“他人の空似”・・・マスター何を言ってるのだ?】
と、メアは、マスターの予想外の“言葉の内容”に『頭脳』が上手く処理が出来なく

『え?え?・・・貴方は間違いなく、私のマスターのはず』
と、混乱した声を漏らすと

マスター“困った様な”表情をし

「あれほどの“オーガ”と“ゴブリン”の大群だ・・・その多さに一時“混乱”してしまう事はあるだろう・・・兎に角、そなたに“褒美”を取らせたい、一緒に“余の城”まで来てくれ」
と、メアにとって“意味不明な指示”を出され

【は?・・・“オーガ”?“ゴブリン”?・・・褒美?・・・それに、マスターの“顔に色んな変化”が・・・】
と、彼女は、次々に聞き覚えの無い数々の情報が『頭脳』に流れ込み

『理解不能です・・・』
と、“処理”出来ないまま『頭脳』がフリーズし、立ったまま“起動”が停止してしまったのだ

立ったまま“気絶”しているメアを見た、マスターに似た者は慌てて

「「お、おい!!!余たちの国を救ってくれた勇者よ!!!大丈夫か!!!!」」
と、“馬”から降り、私の処に駆け寄り

そして、メアの肩を揺らし

「「しっかりしろ!!!!」」
と、懸命に声を挙げてメアを起こそうとしたが

『・・・・』

メアは『眼球』を開いたまま一向に“起動”をしなくなったのだった

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