ん?走ると若くなるの?
「止まっている人より、歩いている人のほうが、ほんの少しだけ若くなる」
そんな話を目にした。
ん?
歩くだけで若くなるのなら、走ればもっと若くなるの?
どうやらこれは、気持ちの問題ではなく、相対性理論の話らしい。
相対性理論では、速く動くものほど、時間の進み方がわずかに遅くなるという。
正確には「若返る」のではない。同じ場所から出発して、あとで再会したとき、速く動いていた人のほうが経過した時間がほんの少し短くなる。
つまり、走っている私は、走らずにじっとしている私より、わずかに若いことになる。
私は物心がついた頃から、ほぼ週に2〜3回走っている。
現在も1回20〜30分ほど。ペースは1キロ約5分だから、時速にすると約12キロになる。
これを相対性理論の式に当てはめてみた。

年間の走行時間は、およそ35〜78時間。
その結果、走らなかった場合と比べて、1年間で約8〜17ピコ秒だけ若いらしい。
ピコ秒とは、1兆分の1秒。
……小さすぎる。
では、長く走り続けたらどうなるのだろう。
仮に同じ習慣を30年間続けたとしても、若くなるのは約0.2〜0.5ナノ秒。
1ナノ秒は10億分の1秒だから、最大でも10億分の1秒の半分ほどだ。
「なんだよ。全然変わらないじゃん!」
思わず、そう言いたくなった。
これだけ長く走ってきたのに、1秒どころか、10億分の1秒にも届かない。
鏡を見ても分からないし、誕生日が延びるわけでもない。
年齢を書く欄に、
「実年齢より0.0000000005秒若いです」
と書くこともできない。
結局、若さや健康のために大切なのは、相対性理論によるわずかな時間差ではなく、運動を続ける習慣なのだろう。
若返るために走り始めたわけではない。
気づけば走ることが生活の一部になり、長い年月が過ぎていた。
それでも、走る理由に小さな楽しみが一つ増えた。
これからは走り終えるたびに、こう思うことにしよう。
「よし。今日もほんの少しだけ若くなった」
目には見えない。
実感もない。
それでも、差はゼロではない。
そう考えると、いつものランニングが少しだけ特別に思えてくる。
※重力や高低差などを考えず、特殊相対性理論だけを使った単純計算です。
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