意味が分からない。でも、きっと助けを求めていた。

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「……え、今なんて言った?」
時計の針はどんどん進んでいるのに、目の前の
4歳息子から飛んでくる終わりのない質問。
「〇〇って言ったんだよ」
そう答えても、
「なんて言った?」
「ねぇ、なんて言った?」
と、何度も何度も繰り返してくる。
しかも、なぜか怒っている。
正直、意味がわかりません。
…応えてるじゃん!
なんて言ったってどういうこと?
朝は1分1秒が惜しい時間。
やることは山ほどあるのに
終わりの見えないやり取りに、
心の余裕はどんどん削られていきます。
「もういい加減にして……」
そう思ってしまう自分がいました。
でも振り返ってみると、
あのとき息子が求めていたのは、
言葉の意味じゃなかったのかもしれません。
今朝のわが家は、朝から大荒れでした。
実は息子、朝起きるのが
あまり得意ではありません。
だから普段は、
できるだけ無理に起こさず、
自分で自然と起きてくるのを待っています。
その方が機嫌も良くて、
朝の支度も驚くほどスムーズなんです。
実際、昨日はそんな朝でした。
前日の夜、お風呂を少し早めに済ませて、
なんとかいつもより
30分早く布団に入ることができたんです。
すると翌朝。
息子は自分から起きてきて、
いつも嫌がる歯磨きも、
トイレも、
朝ごはんも、
驚くほどスムーズ。
「自分でできた!」
と嬉しそうな顔を見せながら身支度を終え、
私もガミガミ言わずに済んで、
親子ともに清々しい気持ちで
保育園へ向かうことができました。
「あぁ、やっぱり睡眠って大事なんだな」
そう実感した朝でした。
でも
子育てって、そんなに単純じゃないんですよね。
早くお風呂を済ませても、
全部を前倒しにしても、
息子の気持ち次第で
寝る時間が遅くなる日もあります。
昨日うまくいった方法が、
今日もうまくいくとは限らない。
だから結局は、
一進一退を繰り返しながら
やっていくしかないんだろうなと思います。
少し良くなったと思ったら、
また振り出しに戻る日もある。
でもそれは失敗じゃなくて、
子どもと一緒に成長していく過程なんですよね。
そして今朝は、
その「振り出しに戻った日」でした。
どうしても起こさなければいけない時間になり、眠たい息子を起こしました。
私は前から、
「この短い準備時間が、
不機嫌の原因になっているんだろうな」
ということは分かっていました。
分かっているんです。
分かっているけど
だからといって、
理不尽な要求や終わらないループに、
何十分も付き合えるほど
心が広いわけでもありません。
布団から出た瞬間から、
「抱っこして」
「抱っこしたまま歩いて」
「抱っこしたまま歯磨きしたい」
と、次から次へと要求が続きます。
そこへ追い打ちをかけるように始まる、
息子のマイルール。
「抱っこしたままここをグルグル回って」
「ママ、今なんて言った?」
「ねぇ、なんて言った?」
時間はない。
気持ちにも余裕はない。
私だって人間です。
ずっと穏やかでいられるわけじゃありません。
やっとの思いで抱っこした瞬間、
息子の唇が私の肩にぶつかってしまい大号泣。
そのまま登園したものの、
保育園の玄関でも
私から離れられずに泣き崩れてしまいました。
静かな園庭に響く泣き声。
私は後ろ髪を引かれながら、
ひとりで帰路につきました。
正直に言うと、もうヘトヘトでした。
その日は朝のバタバタで、
少し遅れて登園してしまっていました。
先生からは、
「明日はもう少し早く来れたらいいね」
と声をかけられました。
もちろん先生に悪気なんてありません。
それは分かっています。
でも、そのときの
私は心がすり減りすぎていました。
「時間内に準備をすることも
できない親だと思われているのかな」
そんな風に受け取ってしまったんです。
朝から何度も抱っこして。
何度も気持ちを立て直して。
なんとかここまでたどり着いた。
その必死さを誰かに
分かってほしかったのかもしれません。
気づけば、園からの帰り道で
少し泣きそうになっていました。
保育士として働いていた頃。
同じように何度も
「なんて言った?」
「もう一回言って?」
と聞いてくる子どもたちを
たくさん見てきました。
そのときは少し距離があったから、
「あぁ、この子は今、不安なんだな」
「安心したくて確認しているんだな」
と冷静に見ていられたんです。
でも、母親になった今は違います。
時間との戦いの朝。
仕事へ向かう準備。
家事。
送迎。
現実は待ってくれません。
だから、
「しつこいな……」
と思ってしまうのも自然なことなんですよね。
子どもが何度も
「なんて言った?」
と聞いてくるとき。
実は言葉の意味を
知りたいわけではないことが
少なくありません。
「ママ、怒ってない?」
「ちゃんとボクを見てる?」
「まだボクのこと好き?」
そんな不安や甘えが
隠れていることがあります。
言葉を確認しているようで、
本当は気持ちを確認している。
安心を確かめている。
頭では分かっています。
でも、それを毎朝100%受け止められるほど、
私たちは余裕がありません。
だから最近は、
自分に神対応を求めるのをやめました。
理不尽なマイルール。
終わりのない質問。
全部に全力で付き合わなくてもいい。
そう思うようにしています。
「〇〇って言ったよ」
まずは一回答える。
そして、
「よし、この話はおしまい!靴下履こう!」
と次の行動へ切り替える。
半分付き合って、半分は流す。
それくらいでちょうどいい。
だって、親だって心の電池が必要だから。
朝から電池を使い切ってしまったら、
そのあと一日が続きません。
今振り返ると、
あの朝、助けを求めていたのは
息子だけじゃなかったのかもしれません。
息子は不安で、
安心したくて、
何度も私に確認していた。
そして私は、
余裕がほしくて、
誰かに「よく頑張ってるね」と
言ってほしかった。
子どもも必死。
親も必死。
だからぶつかる日があって
当たり前なんですよね。
今朝、泣きながら保育園へ行った
お子さんを見送ったママ、パパへ。
イライラしてしまった人へ。
優しくできなかった自分を責めている人へ。
大丈夫です。
意味のわからないループに付き合いながら、
時間通りに準備をして、園まで送り届けた。
それだけで十分頑張っています。
100点です。
いや、200点です。
子どもの気持ちを理解しようとしながらも、
自分の心も守ろうとした。
それは決して冷たいことではありません。
長く子育てを続けるために
必要なことです。
完璧じゃなくてもいい。
今日もちゃんと向き合った。
それだけで十分です。
意味がわからない。
でも、きっと助けを求めていた。
そう思えたら、少しだけ優しい気持ちで
あの朝を振り返れる気がしました。
今日も本当にお疲れさまでした。
まずは温かいコーヒーでも飲みながら、
今朝を乗り切った自分を
たくさん褒めてあげてくださいね。
みなさんのお子さんにも、
「なんで何回も聞くの?」
と思うようなお決まりのループはありますか?
よかったらコメントで教えてください。
【ちいさなご報告とお礼】

ありがたいことに、
こちらの記事を新たに4名の方に
ご購入いただき、
合計9名の方に手に取っていただけました。
本当にありがとうございます…!
「まさに今、毎朝玄関で悩んでいました」
という切実なメッセージもいただき、
かつての私と同じように
孤独と戦っている方の元へ届いたことが、
何より嬉しいです。
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