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📝わかりやすい論文解説〜男性が育休を取得しやすくなる要素はなにか〜

こんにちは、たかみんです。

この数年で育休を取得する男性が増えてきました。
しかし、人手不足を理由になかなか取得に踏み切れない方も多いと思います。

もう少し気軽に育休を取れるような職場だったらな〜と思ったことはありませんか?

そんななか、育休が普及している企業にはどんな要因があるのか、また、男性育休の取得によって企業の業績は実際にどうなっているのか、
気になった私はそういった研究がないか調べてみることにしました。

すると、ぴったりの論文を見つけたので皆さんにもわかりやすく紹介したいと思います!

2023年に発表されたこちらの論文です。

📖出典
内田 大輔、浦川 邦夫、虞  尤楠(2023)「日本企業における男性の育児休業の普及─先行要因の解明と業績への影響の検証」日本労働研究雑誌No. 751/Feb.-Mar. 2023 pp. 108-121.


🔍この論文からわかること


この研究は日本企業において、どんなことが男性の育児休業の普及の要因となるのかと育休が会社の業績へ影響するのかどうかを検証したものです。

-日経225企業の2004年度から2020年度のデータから分析しています。

💡結論

•育休が普及している企業はワークライフバランス施策を導入していました。

•男性の育休取得数がだんだん増えていくことで、ほかの人も取りやすくなる効果が働き、さらに普及が進んでいく傾向でした。

•男性の育休取得は会社の業績にはあまり影響しなさそうという結果でした。

🖋️研究の詳細と結果の分析


育休取得に影響しそうな要素として下記の通り挙げています。

•ワークライフバランス施策
•累積男性育休取得者数
•従業員1人あたり売上高
•従業員数
•男性比率
•従業員一人あたりの設備投資金額
•平均勤続年数
•有給休暇取得率
•女性育休取得者数
•海外投資家比率
•ROE(当期純利益÷自己資本×100%、高いほど会社の資本を使って効率的に利益を上げている)

この中で男性の育休取得に+にはたらく要素は効果の大きい順に、
①累積男性育休取得者数
②女性育休取得者数
③ワークライフバランス施策
④有給休暇取得率

でした。

男性だけでなく女性の育休取得者数が多い場合も男性育休の取得には+になっていますので、長期の休暇に対しての事例が多く、企業としての体制や風土ができていることが重要になってきそうです。

また、おもしろいなと思ったのが、有給休暇取得率も+にはたらいている点ですね。
これは普段から短期でも休暇を取得しやすい状況が、育休のような長期休暇でも取得しやすくしているといえそうです。

育休が取りにくい職場の場合はまず短期の有給休暇から取得しやすくなるといいのかなと思います。

逆に−の要素は従業員数と海外投資家比率でした。
これについて筆者らは従業員数が多いとワークライフバランス施策のような新しい施策ができにくいということと、
海外投資家比率が高い場合は業績への圧力で育休が取りにくくなっているのだろうと述べています。

皆さんの会社ではどうでしょうか??

次に会社の業績への影響です。

育休取得への影響のところででてきた項目が、ROEや従業員1人あたり売上高に影響するかどうか分析したところ、いずれの項目も+−どちらにも影響しないという結果が出ました。

これについて筆者らは、育休取得が会社の業績に−にはたらくわけではないと示せたのは重要な成果である。
一方で、+にはたらくわけでもないことから、なかなか企業内で育休が取得しやすい仕組みが自発的につくられにくいと述べています。

育休の仕組みづくりも会社(社員)の仕事になるわけですが、その仕事が会社の利益に関係してこないとなると、なかなか難しいですよね。

自分の仕事が会社の利益、ひいては自分の評価•給与に+になってこないと、そういう取り組みはやらないと思います💧
だから会社の仕組みとして整って行きにくい。

これに対し筆者らは、会社の取り組みだけでは不十分で、国や自治体のような外部のはたらきかけが重要になると述べています。

今年の法改正で、育休取得状況の公表義務のある会社の範囲を広げたり、
育休取得状況について、数値目標の設定を義務づけたりといったことはありましたね。

研究によると育休取得者数が増えてくると、育休が取りやすくなるということですので、
自分の会社でどれくらいの人が育休を取得しているのかが数字でわかって、「思ったより周りにいるんだな」と実感できると+にはたらきそうですね。

ただ、会社の中で取得した例が少ないと、数字で見てもなかなか取りやすく感じられないと思いますので、
育休を取る人が少ない企業に対して、取得が進むようなはたらきかけが必要だなと思いました。


🧸今後の課題

筆者らはこの研究の今後の課題として、次の4つを挙げています。

1️⃣育休取得者が増えることで、どのように育休を取りやすい雰囲気がつくられていくのかはわかっていない

2️⃣育休取得によって離職や昇進のような個人への影響はまだわかっていない

3️⃣育休取得者数だけでなく、取得日数についても影響を調査していきたい

4️⃣今回分析した企業だけでは、
•大企業/中小企業
•地域
•業種
のようなカテゴリー別の分析ができておらず、カテゴリーごとの傾向は明らかにできていない

これらの課題について研究を深めることで、さらに育休普及やワークライフバランス施策に役立つことが期待できると述べています。


🔑まとめ

•育休の普及には、ワークライフバランス施策の導入、育休取得者数や有給休暇取得率の高さが関係している

•育休取得は企業の業績には+にも−にも影響しない

•企業内で自発的に育休取得の仕組みづくりが進むのは難しいので、国や自治体のはたらきかけが必要


🟣この記事を読んでの感想や考えたことをコメントくださると嬉しいです!

これからも家族や育休、家事育児に関する論文を解説していきますので、一緒に論文から知る楽しさを味わっていきましょう!

それでは最後までお読みくださりありがとうございました!


※本記事は論文内容をもとにした筆者の個人的解釈・考察を含みます。

出典論文の著作権は各著者・出版社に帰属します。

正確な情報は必ず原著をご確認ください。


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