彼女の誕生日を、今年も思い出す。「元気にしてますか?」
学生時代に仲の良かった子。
よく一緒にご飯を食べたし、飲みにも出掛けた。おうちにも遊びに行かせてもらったし、たくさん旅行もした。
お互い、他の人には言いづらいような深い悩みを話した。
私が兄弟へのコンプレックスを持ってることを打ち明けると、
お互い様かもしれないよって、
言ってくれた。
結婚が決まった時もお祝いしてくれたし、
結婚式にも来てくれた。
子どもを授かったこともすぐに伝えて、
子どもが産まれた時も喜んでくれたし、
やっぱり、お祝いに来てくれた。
ずっと仲良くできると思ってた。
だけど、子育てにいっぱいいっぱいで、
子育てに夢中だった私は、
次第に子育ての話しか出来なくなってしまった。
仕事に悩む彼女の話を、
私はどれだけ真剣に聞いてあげられていただろうか。
産休、育休、時短勤務、パートへの転向。
自分にとって、仕事に対する優先順位は下がっていた。
彼女は仕事を頑張っていて、
その責任やプレッシャーに押しつぶされそうになっていたのに。
当時の私には、
どこか自分とは関係のない世界の話のように聞こえていた。
彼女は子育ての悩みを聞いてくれた。
でも、
そんな話ばかり聞かされても、
迷惑なだけかもしれないと思った。
そうやって、
なんとなく連絡を取らなくなってしまった。
子どもの話がしたかった。
子どもの話ができる友人とばかり、
会うようになった。
その時間はとても貴重で有意義で、
たくさん励まされたし、自分を支えてくれた。
それでも、毎年彼女の誕生日になると、
胸が少し痛んだ。
連絡してみようか、迷う。
−−−今更、迷惑かもしれない。
連絡を取らないまま、多くの時間が流れてしまった。
今年も彼女の誕生日が近づいてくる。
子育てが少し落ち着いて、
子どもが自分の世界の全てではなくなった。
だからといって、
今更、連絡を取るなんて、虫が良すぎる。
連絡先だって、変わってるかもしれない。
返事なんて、来ないかもしれない。
だけど。
2人で過ごした時間は、
今でもキラキラした思い出として、
自分の中に残ってる。
掛けてくれた言葉は、
今でも自分を支えてくれている。
それなのに、連絡しなくなってしまって
ごめん。
そのことだけでも、
伝えられたらと思ってしまう。
彼女が今、どんな暮らしをしているのかわからない。
元の関係に戻れるわけではないと思う。
もう私に悩みを打ち明けてくれることは、ないのだろう。
彼女のメールアドレスを見つめながら、
空白の時間に思いを馳せる。
彼女の笑顔や、真剣な眼差し、
少し伏し目がちに話す表情が思い出される。
連絡先が変わってないことを確かめるだけ。
返事は無くて構わない。
メールの新規作成ボタンを、
今年こそ押してみようか。
読んでくださり、ありがとうございました。
心穏やかな1日でありますように。
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