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鮒ずし一年生

私は「鮒ずし」を作りに行く。お土産で買ったことはあれど食べ比べたことはないから、どれが美味しくて、どれが失敗なのかも分からない、全くの「一年生」であり、素直に初回の鮒ずしを受け入れようと思う。

まず、「鮒ずし」が正しいのか?「すし」には、寿司、寿し、鮨、鮓、と表記があるが、このような場合は発酵したものなので「鮒鮓」が正しい。でも読みにくいから「すし」なんだろう。まずはこんなところから突っかかってみるか。

私は魚の写真を撮ったり、魚料理をしているようでいて、実は調理の幅はそんなに広くない。
刺身や、焼くか煮るかくらいで、蒸すことさえ滅多にないから、今回の鮒ずしについては、一度も作ったことがないのだ。御飯と魚を漬け物にしてしまうこの千年以上続く伝統料理に、ここで触れることになる。

友人からこの琵琶湖汽船の催しを聞いて、自然と体が反応していた。滋賀は草津の友人を誘って応募し見事当選。
そして恥ずかしながら、体験会のある沖島の場所が不確かであったから地図を見直した。

沖島

琵琶湖の南端に近い浜大津に朝集合し琵琶湖汽船で小一時間で沖島へ。日本唯一の淡水湖の有人島であり人口は250。集落が見え、小学校もあるのだ。

このように水場に並んでつくる


塩漬けのニゴロブナは漁協によって用意していただいている。ざっくりウロコ取りがされており、卵だけを腹に残して下処理されたもの。ここまででもイチからやればなかなかの手間だろう。

磨いたあとのフナを干す

塩漬けを、ウロコの模様がなくなるくらいまでタワシで磨く。エラや口、頭部のあたりは、付いている粗塩で摩擦して、こそげ落としていく要領で、干すときにはエラが透けている。

また、フナ5kgに、生米5kgという比率も興味深い。米は炊くと3升半ほどにもなる。この比率も経験によるものだろう。米、フナ、米、フナ、と層に重ねていくのは、糠漬けなどと同じような手順。

完成は初冬になるが、それまで漁協に預かってもらうことを選んだ。最初の発酵立ち上げのためには、仕込みは暑い日であることが絶対条件で、日光への当て方も決まりがあるため自宅でそれを満たす自信がないためだ。

また、完成時に「飯多め」と指定していれば、鮒鮓の周りの御飯を多めにしてもらえる。

沖島弁当

昼に出た島弁当には、左上に「鮒ずし」が入っていたが、これが多分「飯ふつう」だろう。

せっかくなので島弁当の湖魚にも触れておく。
・ビワマスの照り煮
・鮒ずし
・小鮎のフライ
・鮒の天ぷら
・スジエビと胡瓜の酢の物
・小鮎の山椒煮
・ゴリの山椒煮
以上7品入っており、ご飯を少し残しておいて、鮒ずしお茶漬けも作った。

地元の食堂でもランチでここまで入っているものは無いので、とても豊かなお弁当でした。そしてサラダなどの島の野菜がとても美味しかった。

さて、届いたら浅漬けや古漬けなど味の調節もタイミングは自由。果たしてどんな出来になるのかは分からないがこれをヒントにほかの魚でも鮓に挑戦してみたいと思っている。

冬の抱卵したフナを塩漬けにし、夏に御飯と漬けて、冬に食べる。そしてまた抱卵したフナを獲る・・・この1年の流れを延々と繰り返してきた文化を体感するのが楽しみだ。

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