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#34 【新しいわたし】元夫と行った温泉に、次の彼氏と行った話

■ 結婚6年目(たぶん)の温泉旅行

有馬温泉には、かつて元夫と来たことがある。
結婚6年目(たぶん)の記念日に。
有馬といえば、高級温泉地。
夫婦でのんびり過ごすには、ちょうどいい場所…のはずだった。

でも、元夫は旅行好きなくせに
根っからのケチ。
「行く」ことに重きをおいて
現地ではとにかくケチる。
(移動するのが好きなん??)

宿のご飯だけを楽しみにしていて、
現地での食べ歩きや買い物は
「高い」の一言で却下。
ソフトクリームすら買わず
温泉街の散策も全く興味なし。
「コスパ」と「最低限」だけで組まれた旅。

せっかくの記念日なのに、
大浴場の温泉に入って、ご飯を食べて
競馬新聞を読んで、寝るだけ。

翌日は、競馬のメインレースを
テレビで観るため、その時間に
間に合うよう、急かされながら帰宅。


気分は「移動しただけの日常」だった。


■ そして今、彼ともう一度、有馬へ

今回は違った。

山田さんとは、初めての1泊旅行。
どこへ行こうか相談して、有馬温泉に決まった時——
私は少しだけ、心がざわついた。

これ“比べてしまう”やつやん!

確かに、比べてしまった。
けれど——対照的だった。

彼は“ちゃんと楽しむ人”だった。

炭酸せんべいに、山椒の効いた唐揚げ
ソフトクリーム、レモネード……
「これ美味しいよ」
「ちょっと寄ってみようか」
と、笑顔で引っ張ってくれる。


有馬が山椒で有名なことも
私は今回初めて知った。

唐揚げを美味しそうに食べる私を見て
彼は微笑んでくれる。
最後の1つは、私にくれる。

——元夫なら、私が何か食べていると
「太るで」と必ず水を差してきた。
そもそも、黙っていたら、自分が先に全部食べてしまう。


山田さんは、宿の夕食も吟味してくれていた。
私が好きだと言っていた食材が使われていて
感動するほど美味しかった。

彼がお酒を飲んでいる間、私は夢中で
食べてしまったけれど、
それを見て彼は、ただ笑っていた。

山田さんは健脚で、フットワークが軽い。
あちこち、私の知らなかった場所へ連れて
行ってくれる。
ついていくのに息が上がるけど
その足取りには「一緒に旅を楽しむ」
という意思があった。

■ 同じ場所なのに、見える景色が違った

元夫との有馬は
「節約」
「帰りの時間を急かされた」
の記憶しか残っていない。

結婚記念日を楽しむためではなく
「とりあえず記念日だから実績作り」
の旅行だった。

山田さんとの有馬は
「味わうこと」「一緒に笑うこと」
が主役だった。

———

お泊まりは、長く一緒に過ごすから
不安もあったけれど——
ずっとリラックスしていられた。
「疲れたな」「一人になりたいな」なんて
思わなかった。

ちょっと風邪気味だったけど
いつもより元気に過ごせた。
「病は気から」って、こういう事なんやって思った。

場所は同じでも、
見える景色も、過ごす空気も
感じる幸せも、全然違う。

あの頃の私は、
「これが幸せ」と自分に言い聞かせていた。
記念日に“少しばかりの特別”
が少しでもあればそれで十分なんだと。

でも、今ならはっきり言える。

我慢していたのは、金額じゃなかった。
我慢していたのは、気持ちだった。

■ 旅がくれた「癒し」と「対比」

温泉は、ただ疲れを癒す場所じゃない。
同じ湯に浸かっても、誰といるかで
体も心も、温まり方がまるで違う。

「来たからええやろ」という関係と
「一緒に楽しもう」と思ってくれる関係。


私は今、後者にいる。
そしてもう、絶対に前者には戻らない。

…予定!😂

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