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#4 “贈りたい”と言われた指輪を、割り勘で買った日

モラハラ💥
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一口馬主
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借金
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10年の婚姻生活を経て、2020年、脱走完了。


元夫は言った。
「マフラーのお返しに、指輪を贈りたい」

嬉しかった。
“そういう形”があればいいなと、私も思っていた。

どうやら、妹さんに相談したら
「それなら、指輪がいいんじゃない」
と言われたらしい。
それも微笑ましくて、楽しみにしていた。

「一緒に選ぶのかな」
「それとも、選んでくれるのかな」

——でも、その後も彼の様子は変わらなかった。

街を歩いていても、百貨店に入っても、
ジュエリー売り場はスルー。
何も言わない。何もしてこない。

「……あれ、指輪って話は?」

催促するのも気が引けた。

そうこうしているうちに、バレンタインが来た。
私はチョコを渡した。

ホワイトデーの少し前。
元夫が聞いてきた。

「ホワイトデー、何がいい?」

私は勇気を出して言った。
「前に言ってた指輪が、欲しいかな」

元夫は「じゃあ、今から買いに行こう」と言った。
でも、なぜかその表情は強張っていた。




百貨店に向かった。
私は少し心が浮いていた。
でも、横を見ると——

元夫は私の横にぴったりと張り付き、
真顔で貧乏ゆすりをしていた。


指輪を見ながら、私は冷えていく気持ちを押し留めていた。

試着するたびに、彼は無言で立ち尽くしていた。
また、貧乏ゆすり。

……こんな顔されながら、買ってもらうの?
だんだん、疲れてきた。



売り場の端にある、リーズナブルなコーナーへ移動した。

サージカルステンレス製。
1万円の指輪。

「これにしようかな」と、やっと言った。

そのとき、元夫が口を開いた。
「ペアリングにしよ。指輪って“贈り合う”もんやろ?」

……ん?


言われてみれば、そうなのかもしれない。
でも、“贈りたい”って言ったのは、あなたの方じゃなかった?

結局“お互いに贈り合う”という形にした。
プレゼントのはずだったのに、“割り勘”になっていた。



言葉の贈り物は、ただの約束手形。
行動で返ってこなければ、
ただの“空手形”になる。

ていうか、詐欺とか搾取と同じやん。

言葉では、何度も「大事にしたい」「形にしたい」と言ってくれた。

でも、行動に移るたびに、なぜか微妙に話をずらされ“こっちが折れる”形になっていた。

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