#5 桜を見に行くはずが、競馬場に連行された話
モラハラ💥
経済DV💥
風俗💥
一口馬主💥
借金💥
10年の婚姻生活を経て、2020年、脱走完了。
あの日、見たかったのは桜だった。
でも見せられたのは、“本当の彼の顔”だったのかもしれない。
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その日は「大阪造幣局の桜の通り抜け」に行く予定だった。
私が前から行きたいと言っていて、予定を合わせた日だった。
元夫は、出かける前にこう言った。
「その前に寄りたい所があるねん。ちょっと付き合ってくれへん?」
どこ行くんやろ。
サプライズでもあるんかな。
ドキドキしながら電車を乗り換え、たどり着いたのは 阪急・仁川駅。
改札を出たところに広がっていたのは——
阪神競馬場
「今日、皐月賞やから、どうしても来たかってん」
元夫は気まずそうに言った。
私は絶句した。
ギャンブル嫌いって言ってたよね?
宝くじくらいしか買わへんって、言ってたやん。
元夫は笑って、こう言った。
「……嫌われたくなかったから、言えんかってん」
なんか、笑えてきた。
もう、ええかと思った。
競馬をする男性なんて、世の中にいくらでもいる。
私の父だって、昔は競馬をしていた。
こっそり、お小遣いを貰ったこともある。
いちいち、目くじらを立てるようなことでもないのかもしれない。
私は初めての競馬を楽しんだ。
馬は可愛かった。
当たらなかったけど、場の雰囲気は悪くなかった。
でも——
私は、その場の雰囲気に飲まれ、また過ちを犯していた。
“嘘をつかれてた”っていう、重大な事実を
見過ごした。
⸻
そして、競馬場を出た。
私「じゃあ、桜行こっか?時間も時間やし」
元夫「え、もうええやん。今楽しいやん?」
え…?
それは、違うやろ…
私「……桜の通り抜け、今日までやねんけど」
元夫は、明らかに面倒くさそうな顔になった。
それでも私の表情に気づいたのか、開き直ったように「いいよ。行こうか」と言った。
いいよって、何やねん。
⸻
結局、桜は全然きれいじゃなかった。
時期が遅かったのか、天気のせいか、
それとも、気持ちが削がれていたせいなのか。
「私の希望」が、また“なかったこと”にされかけた、あの日。
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「今楽しいやん」って、約束をなかったことにする魔法の言葉か。
……笑うわ。
私は結婚後に知ることになる。
元夫は「競馬を嗜む大人」ではなく
「競馬狂い」だと。
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