階段話👻
整形外科の抄読会で読む論文を探していた。
たまには手術や腰痛ではなく、
「健康のために階段を使いましょう」
くらいの軽い話がいい。
運動が健康にいいことは、もうみんな知っている。
問題は良いと分かっていてもやらないことだ。
調べていると、Exercise Snacksという言葉が出てきた。
長時間運動するのではなく、数十秒くらいの運動を1日の中にちょこちょこ入れる。
運動のおやつとな。
Jenkinsらの2019年の研究では、運動習慣のない若者が60段、だいたい3階分をできるだけ速く上るのを1日3回、週3日、6週間続けると、心肺体力が約5%改善した。
おお、階段すごい。
でも、
階段を全力で上ったら、そりゃ体力はつくのでは。
ということで他の群との比較
Yinらの2024年のRCT
こちらは、
126段。6階分。30秒でall-out。
1日3回、週3日、6週間。
「エレベーターじゃなくて階段使おうね」
くらいの話かと思ったら、
6階まで30秒で駆け上がる。
元気すぎる。
だいぶ部活やん。
結果、VO₂peakは約7%改善。
自転車40分より上がっていた。
ただし42人とちと小規模研究である。
そこでStamatakisらの2022年の大規模研究。
今度は運動させるのではなく、普段まとまった運動をしていない約2万5000人をウェアラブルで追跡した。
そこで出てくるのがVILPA。
速歩き、坂道、階段みたいな、
日常生活の中に紛れ込んでいる短い「ハアハア」
である。
こういう活動が1日数分ある人ほど、死亡や心血管死亡の癌リスクが低いことと関連していた。
もちろん観察研究なので、
ハアハア🟰長生きとまでは言えない。
ただ、わざわざ30分の運動時間を作らなくても、日常の細かい活動にも意味があるかもしれない。
そしてWHO(世界保健機関)の流れも、なんとなく同じ方向だ。
「週150分運動しましょう」だけではなく、
少しでも動く。
日常の活動も全部カウントする。
そもそも動きやすい環境を作る。
歩きやすい街にする。
自転車で移動しやすくする。
職場や学校を自然に動ける場所にする。
「運動してください」と本人に頑張らせるだけじゃなく、
つい動いてしまう環境を作る。
こっちの方が人間には合っているのだ。
人間の意志が1番信用ならんのだ。
そんなわけで、このあいだ病院で9階まで階段をダッシュしてみた。
健康にもいい。
エレベーターを待たないから時短にもなる。
完璧だ
9階に着くころには
患者の前でハアハアしている変態の出来上がり
おのれにっくきWHO。
参考文献
Jenkins EM, et al. Do stair climbing exercise “snacks” improve cardiorespiratory fitness? Appl Physiol Nutr Metab. 2019;44(6):681–684.
Yin M, et al. Exercise snacks are a time-efficient alternative to moderate-intensity continuous training for improving cardiorespiratory fitness but not maximal fat oxidation in inactive adults: a randomized controlled trial. Appl Physiol Nutr Metab. 2024;49(7):920–932.
Stamatakis E, et al. Association of wearable device-measured vigorous intermittent lifestyle physical activity with mortality. Nat Med. 2022;28(12):2521–2529.
