【読書日記】日本型組織のドミノ崩壊はなぜ始まったか|PTAも町内会も「壊れかけの⚫️⚫️⚫️」|本当の幸せ教えてよ
<本書の内容を4つに要約>
①日本で壊れかけている組織は3つの型があるということ
②日本型組織が壊れてしまう原因は「日本型組織の独特な性質」が問題だったこと
③壊れかかっているのは会社組織だけではなくPTAや町内会もだった
④日本企業を立て直す方法は「再生」ではなく「新生」が必要
どうも、読書セラピストのタルイです。
突然ですが、
ここ何年か私たちの周りで
衝撃的なニュースが相次いでいますね。
誰もが知る有名芸能事務所での
性加害問題だったり
自動車メーカーの不正
そして政界を揺るがす裏金問題…。
まるでドミノ倒しのように
日本の組織が抱える問題が
次々と明るみに出ています。
「日本人は個人としては
優秀なのに組織になるとダメだ」
これは海外で広がりつつある
新たな「常識」だそうです。
なぜ、
こんなことが起こって
いるのでしょうか?

今回は太田肇さんの著書
『日本型組織のドミノ崩壊は
なぜ始まったか』をまとめてみました。

太田肇さんは、
組織論の専門家で
「承認欲求」や「個人尊重」を
研究する同志社大学名誉教授です。
これまで約四十冊の単著を
世に送り出してきました。
いままでは大学教員という立場上、
その表現には慎重さと抑制を心がけた
わりと固い文体でしたが
今回は日本の組織文化を
痛烈に批評していています。
と同時に、
これまでにない柔軟で
共感的な組織のあり方を
打ち出してます。
著者の思いを代弁します
いま日本型組織は
スキャンダルが起きても
誰かを吊るすことで
溜飲は下がるけども
土台の腐敗には
手つかずのままなんです。
この連鎖を断ち切るには、
組織という器の設計図を
書き換えるしかない!
著者が本書にかける
ある種の使命感を感じます。
そんな再設計の内容を
まとめてみました。
◆ 崩壊しつつある3つの日本型組織

いま日本の組織では、
次の3つのタイプが
限界を迎えているそうです。
1.絶対君主型組織

トップのカリスマ性や
権力が強すぎるあまり、
周囲がそれに依存し、
結果的にチェック機能が働かなくなる。
トップが暴走したり不在になると
組織は一気に瓦解します。
◉ジャニーズ喜多川性加害問題
長年にわたり、業界全体が
“触れてはならない聖域”として
黙認していた構造が
一人の告発者をきっかけに崩れました。
◉ビックモーター保険金不正請求
トップダウンの営業至上主義が、
不正を常態化させた典型です。
◉日大アメフト部大麻問題
日本大学アメフト部で複数の部員が大麻を使用していたことが発覚し、組織的な隠蔽体質も問題視された。
大学側の対応の遅れと不透明さが、信頼失墜をさらに深めた。
2.官僚制型

厳格なルールや上下関係に縛られ
現場の柔軟な判断ができない
組織タイプです。
責任をとることより
「手順通りであったか」が優先され
ミスや問題があっても
なかなか是正されません。
◉ダイハツ工業の認証試験不正問題
不正を「伝統的に」続けてきた
という発言に、
長年の硬直化と惰性が表れています。
三菱電機の品質不正問題
単なる現場レベルの不正行為ではなく、
組織風土やガバナンスの問題が
根底にあると指摘されています。
東芝不正会計問題
自民党裏金問題
3.伝統墨守型

長年培ってきたブランドや文化を
守ることが最優先されるがゆえに
新しい価値観や社会の変化に
対応できない組織のタイプです。
◉宝塚歌劇団パワハラ
一見「伝統美」の裏に隠れていた
閉鎖的な人間関係と古い上下関係が
問題の温床となっていました。
◉宮城野部屋の閉鎖
元横綱 白鵬 が師匠を務めていた大相撲の部屋です。
元幕内 北青鵬の暴力問題を受けて、
日本相撲協会から閉鎖処分を受けました。
◆なぜ日本の組織は、こうなってしまったのか?

これら3つの組織には
共通点があるそうです。
それは、日本の企業が単なる
「仕事をする集団」だけでなく、
「家族」や「村」のような
共同体として機能してきたことです。
つまり、日本の組織が
「仕事をする集団(目的集団)」
であると同時に
「仲間意識の強い集団(共同体)」
でもあったことなのです。
なぜ「共同体型組織」は
問題を起こすのか?
高度経済成長期には、
会社は家族のように
社員の人生を支え
社員も会社に忠誠を誓いました。
その強い絆が、
一体感と成果を生んだ
時代もありました。
しかし今、
それが完全に裏目に出ています。
〈共同体組織の問題点〉
○閉鎖的になる
外からの意見を受け入れづらい
○秘密主義になる
「身内の恥は外に出すな」
○逆らえない空気
上司の言うことは絶対
○責任が曖昧
「みんなでやったことだから…」
本来、企業や組織は、
利益を追求したり、
社会に貢献したりする
「目的集団」であるべきです。
ところが、
日本の多くの組織では
「共同体」としての性質が
色濃く残りすぎたため
本来の目的が見失われ
閉鎖的な人間関係や
「上からの命令絶対」という
古い体質が温存されてしまいました。
現代は、個人の自由や
多様性が重視される時代です。
そんな中で、
昔ながらの「家族主義」的な
組織のあり方を続けてきた結果
何が起こったでしょうか?
社員は息苦しさを感じ
モチベーションを
失ってしまうのです
「おかしい」と思っても
声を上げられない
「もの言わぬ集団」に
なってしまうのです
結果的に、
組織内部の問題が
表面化することなく
不正や不祥事が
エスカレートしてしまう。
そして、
ついにその限界が来て
次々と問題がドミノ倒しのように
連鎖して表面化しているのが
今の日本の現状のようです。
〈現在の影響〉
○挑戦しない社員が増加
「見てるだけ」で失敗を恐れる「消極的利己主義」
○熱意ある社員が6%しかいない
組織全体の力が低下
○不祥事が続発
ジャニーズ、自民党裏金、ダイハツ不正など
○経済力の低下
世界での順位が下落
○幸福度が低い
息苦しい組織文化が要因の一つ
壊れかけているのは
企業だけではありませんでした。
◆PTAや町内会も「壊れかけの共同体」

あなたも、そう感じているかも
しれませんが、
ぶっちゃけると、PTAや町内会は、
「できれば関わりたくない」
と感じられる存在になっています。
その理由は
「面倒」
「時間が取られる」
「無償で強制的に働かされる」
など、
現代のライフスタイルと
合っていないからです。
特にPTAでは、
役員決めの場で
泣き出す人が出るほど負担が重く、
免除にも病気や介護の証明が
必要なことも。
町内会も、
防犯やごみ管理など多くの仕事を抱え
役割は一部の人に集中しがちです。
PTAも町内会も、
上位団体の指示に従う
「下請け構造」になっており
改革が進みにくいのが現状。
いずれも
“心の中では皆が距離を置いている”
のに
形だけ続いている
「最後の聖域」なのです。
上位団体
日本PTA全国協議会
全国自治会連合会
仕事の下請け内容
学校行事手伝い
見守り活動
バザー運営など
ごみ集積所管理
• 「任意参加」と言いつつ実質的に強制される構造
• 業務量に対して報酬も感謝も少ない
• 若年層や共働き世帯の参加が困難
これらの問題、
あなたはどう思いますか?
◆これからどうすればいいのか?

筆者は、日本の組織の未来を切り開くために、次の3つを提言しています。
1. 古い組織との決別
時代に合わなくなった「共同体型組織」から卒業し、社員一人ひとりが主役となる「インフラ型組織」へ移行する必要があります。
ピラミッド型:上から下へ命令し、指示・管理する
共同体型:家族のように守り、共に歩む
インフラ型:社員の成長や活躍を支える道具・環境として機能
〈インフラ型の特徴〉
強い忠誠心や一体感は不要
異動・移動が柔軟なオープン構造
専門性と自律性を制度的に保障
業務支援体制の整個人・部門間のスムーズな調整
2. 自営型の働き方 ― 自分のキャリアを自分で経営する
インフラ型組織と相性が良いのが「自営型」です。
これは、会社に依存せず、
自分の専門性を軸に、
働き方やキャリアを主体的に選び取るスタイルのようです。
特徴
市場全体で通用する専門スキルを磨く
複数の収入源やプロジェクトを持つ
成果と報酬が直結
自律的に時間・仕事を管理
自分の価値を可視化するブランディング
企業側にとってのメリットは
自律的で変化に強い人材が集まり、イノベーションが生まれる
個人側のメリットは
働き方の自由度が高まり
キャリアの主導権を握れることです。
3. 「本当のコミュニティ」を育てる
効率だけを追う組織では、
人は幸せになれません。
大切なのは、強制されずに人が集まる“心の拠り所”です。
たとえば、PTAや町内会で上からの指示ではなく、自分たちで考えて動いた結果、参加者が増えた事例も紹介されています。
まとめると
いま日本の組織は
思春期に少年から
大人に変わるように
大きな転換期にあります。
古い組織からの脱却
自律型の働き方の推進
自発的コミュニティの育成
この3つを同時に進めることが
これからの日本に必要だと
筆者は強調しています。
◆【私のまとめ】本当の幸せ教えてよ。壊れかけの共同体
最後に本書を読んだ私が
感じたことを2つまとめます。
◉アットホームな職場が敬遠される理由
ある求人誌の営業担当に聞いた話です。
求人詳細に
「アットホームな職場です。」
と書くと、
敬遠されるばかりか
ブラック企業のイメージを
持たれるそうです。
まさに、「アットホーム」からは
「古き良き」は「今は悪しき」です。
形骸化した
企業のイメージしか湧いてこないのです。
今では、「アットホームな職場です」という言葉が、
かえってブラック企業の予兆として受け取られることもあります。
「昭和の価値観」のままでは
令和の社会では通用しないということですね。
◉これまでの会社は家と家具付きマンションだった。
例えるならば、
昔の会社は、社員にとって
「家と家具付きマンション」
のようなものでした。
会社が仕事をする場所(家)と
必要な道具(家具)を
全部用意してくれて
そこに住み込みで働くイメージです。
安定はしているけれど、
自分の好きなように部屋をアレンジしたり
別の場所で働いたりするのは難しいですよね。
これからの会社は
「レンタルスペース」
これからの会社は
もっと「レンタルスペース」に
近くなります。
会社が用意するのは、
みんなが使える「広い場所(インフラ)」だけ。
例えば、インターネット環境、
会議室、共通のツール、
そして仕事がもらえる仕組みなどです。
私たちはその場所を借りて、
自分の専門スキルという「道具」を
持ち込んで仕事をします。
プロジェクトが終われば、
別のスペースに移ることもできるし
他の会社と連携することだって可能です。
つまり、
会社は社員を縛るものではなく
社員が活躍するための「舞台」や
「道具箱」になる、ということです。
これは夢ものがたりではなく
実際に実現可能な働き方です。
私は以前から
太田肇さんの著書を数冊愛読しており
現在、とあるサウナ施設を経営する際に
インフラ型組織と自営型の働き方を参考に
会社の構造基盤を作りました。
1年半ほど実践してますが
スタッフさんからの評判は上々です。
私の手応えとしては
「もっと自由に、もっと自分らしく生きられる組織」
が増えれば
私たち日本人の幸福度は高まる可能性があるのです。
もしも、あなたがこの働き方に興味があれば
本書を社長の机の上に置いてみるところから始めることが
幸福への第一歩になるかもしれません。
最後までお読みいただき
ありがとうございます。
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