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【仕事術】人がミスを繰り返してしまう根本原因

こんにちは。
フォレスト出版編集部の森上です。
 
仕事でミスをしてしまうことは、誰でもあるものです。よく言われるのは、「私たちは人間だから」というものですよね。
 
ただ、この「人間だから」という点が、ミスを引き起こしやすい原因でもあります。私たち人間には、一人一人の意識や思考があります。その思考や意識次第で、ミスを引き起こすか、ミスを回避するかが決まるわけです。
 
わかりやすい話で言えば、目の前の出来事を「都合のいい解釈をしてしまう」という思考や意識です。
 
この話をしてくれるのは、日本を代表する保険グループ、SOMPOホールディングス株式会社グループで39年間、経営の最前線でリスク管理に携わり、グループCRO(最高リスク責任者)を務めた伊豆原孝(いずはら・たかし)さんです。
 
伊豆原さんは言います。「都合の良い解釈は、都合の悪い現実に勝てない」と。
 
伊豆原さんは、8月21日に発売予定の新刊『仕事のミスは、この思考で9割防げる』の中で、人がミスを繰り返してしまう根本原因の1つに「都合の良い解釈」を挙げながら、その危険性について解説しています。そこで今回のnoteでは、同書発売に先立ち、その該当箇所を一部編集して公開します。

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そのミス、ホントに想定外だった?

 私は大学を卒業してから39年間、企業という組織の中で働いてきた企業人です。この間、組織の中で起こるさまざまなトラブルを目にしてきました。
 そんなトラブルが起こったときに、よくこんな言葉を耳にしてきました。
 
「まさか、そんなことが起こるとは思ってもいませんでした」
「本当に、想定外でした」
 
 しかし、多くの場合、それは「まったく考えていなかった」というわけではありません。頭のどこかでは、「起こりうるかもしれない」という可能性に気づいていたはずです。
 ただ、それを正面から見なかっただけです。

「楽観」と「身勝手な考え」が引き起こしたトラブル

 かく言う私自身も、かつて苦い経験があります。
 新入社員の頃、私は大阪の本部で営業の仕事をしていました。ある代理店さんが行なう団体傷害保険の募集に随行したときのことです。
 あるお客様から、こんな質問を受けました。
「家族傷害保険で、〇〇がケガした場合は、保険金支払いの対象になりますか?」
 私は、その場で約款を確認することもなく、
「大丈夫ですよ」
と即答しました。
 とにかく契約が欲しかった──。それが、正直な気持ちです。
 同時に、私の心の中には二つの思いが巡っていました。
 一つは、「そんなことは、まず起こらないだろう」という楽観です。確率の低いケースだし、深く考えるほどの話ではない。
 もう一つは、「仮に起こったとしても、そのときはもう自分の担当ではなくなっているだろう」という、きわめて身勝手な考えです。
 その場の説明は自分が引き受けるけれども、「将来起こるかもしれない問題までは担当外」とどこかで無意識に切り離していました。
 しかし、その半年後。新たに担当となった先輩社員から、私にこんな照会が入りました。
「△△さんという方が、約款ではお支払いできない保険金の請求をしてきたんだ。『伊豆原さんに確認しました』と言っているんだけど、覚えているか?」
 その瞬間、私は凍りつきました。
「あのとき、きちんと確認しておくべきだった」という思いが私の中で駆け巡ったのです。

「信じたいこと」ではなく、「見えていること」に目を向ける勇気

 この出来事は、私にとって大きな教訓となって、今も私の胸に深く刻まれています。
 振り返ってみれば、私は事実をまったく見ていなかったわけではありません。
 本当は「確認すべきだ」ということも、「即答すべきではない」ということも、頭のどこかではわかっていました。
 それでも私は、
「起こらないだろう」
「起こったとしても、そのときは自分の問題ではないだろう」
 という都合の良いストーリーを描き、見たくない現実からそっと目をそらしていたのです。
 もちろん、未来を信じる力や前向きな姿勢、冒険心は、個人や組織の成長にとって欠かせないものです。
 しかし、それらは「事実に背を向けて良い理由」にはなりません。
 リスク管理力とは、悲観的になることでも、すべてを疑ってかかることでもありません。「見たくない現実」を冷静に直視する力です。
 どれだけ物語を美しく飾っても、現実は現実のまま、そこにあり続けます。だからこそ、「信じたいこと」ではなく、「見えていること」「見ていたはずのこと」にこそ、勇気をもって目を向ける必要があるのです。

〈著者プロフィール〉
伊豆原 孝(いずはら・たかし)

元SOMPOホールディングス株式会社グループCRO執行役員(最高リスク責任者)。元・一般社団法人日本損害保険協会常務理事。大阪府立北野高等学校を経て京都大学文学部卒。国際大学大学院国際経営学研究科(MBAコース)修了。日本を代表する大手保険グループおよび業界団体の第一線で39年間にわたって活躍し、特にERM(統合的リスク管理)を専門とする。米国格付会社Standard & Poor’sによるERM評価では、日本の保険会社として当時最高ランクとなる「Strong」の獲得に貢献した。「月曜日が待ち遠しい社員であふれる社会」の実現を目指し、60歳にして社会保険労務士の資格を取得。現在は、企業の組織づくりや管理職育成を支援するマネジメントコーチとして活動するほか、リスク管理・コンプライアンスと組織マネジメントを融合した研修・講演を全国で行っている。人が生き生き働く組織づくりを学ぶオンライン講座「ひといき会」主宰。一般財団法人日本プロスピーカー協会認定シニアプロスピーカー。神奈川県藤沢市在住。休日は妻と合唱や海辺のランを楽しんでいる。

いかがですか?
 
著者の伊豆原孝さんは言います。
 
仕事で本当に差がつくのは、「問題が起きた後の対処」ではありません。問題が起きる前に、その兆しに気づける人です。仕事で成果を出し続ける人ほど、「見たくない現実」を冷静に見つめています。
 
本書で身につくのは、単なるミス防止術ではありません。人生とキャリアを長く守り、成果を積み重ねていくための「一生使える思考法」です。
 
リスク管理のプロだけが知っている「失敗しない思考法」をマスターできる新刊『仕事のミスは、この思考で9割防げる』(伊豆原 孝・著)は、8月21日からネット書店および全国書店で順次発売されます。興味のある方はチェックしてみてください。

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▼新刊『仕事のミスは、この思考で9割防げる』の「はじめに」「目次」を全文公開中

 

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