採用700万、外注840万。安いのはどっち?

売上1億5,000万円。社員8人。

ここ半年で仕事が増えた。残業も増えた。社長もまた現場に戻ってる。

営業もしたい。採用もしたい。でも、今目の前の仕事を回す人が足りない。

そこで出てくるのが、

「一人採うか。外に出すか。」

という話です。

一人採用する。月給35万円。会社負担の社会保険なんかも入れると、ざっくり月45万円前後。さらにPC、車、制服、採用費、教育。

初年度で700万円近くかかることもある。

一方、外注なら月60〜70万円。

年間で720〜840万円。

表面だけ見たら、

「採った方が安いやん。」

となる。

僕も昔は、それでええんちゃうかなと思ってました。

でも、数字を横で見てると、採用か外注かって、人事の話に見えて、かなり財務の話なんやなと思うようになりました。

【採用700万円。外注840万円。安いのはどっち?】


採用するとします。

給与35万円。

社保など会社負担10万円。

その他経費5万円。

毎月50万円。

年間600万円。

採用費100万円。

初年度700万円。

ただし、最初の3か月は教育期間。売上貢献はほぼゼロ。4〜6か月目で50%。7か月目からようやく戦力になる。

その仕事が、本来なら毎月100万円の粗利を作れるとします。

年間では1,200万円。

でも採用1年目は、育つまでの時間があるから、実際に作れる粗利は700万円くらい。

費用700万円。

初年度はほぼトントン。

外注ならどうか。

月70万円。年間840万円。

でも初月から即戦力。

年間1,200万円の粗利を作れて、外注費840万円。

360万円残る。

1年目だけ見たら、外注の方が残ることもある。

でも2年目。

採用した人が年間1,200万円の粗利を作って、費用が600万円なら、600万円残る。

今年だけ見るのか。

3年見るのか。

それだけで答えは変わります。

もちろん、実際は業種も違うし、人によって育つスピードも違う。退職もある。仕事量にも波がある。

だから単純に「700万円と840万円、どっちが安い?」だけでは決められへんのですよね。

【採用は固定費。外注は依存になることもある】


採用って、人を増やす判断やと思ってたんですけど、財務で見ると、毎月の固定費を増やす判断でもある。

今月忙しい。

来月も忙しい。

でも半年後に稼働70%。

1年後に50%。

そうなっても給与は出る。

仕事が減った時にも、その固定費を会社が抱えられるか。

ここはかなり大きいと思います。

一方で、外注なら身軽です。

必要な時に頼める。

専門家をすぐ使える。

仕事量が減れば、契約を縮小できる場合もある。

ただ、外注なら安全かというと、そうでもない。

月70万円払ってる外注先。

その人しかできない。

顧客もその人に慣れてる。

ノウハウも全部その人の頭の中。

ある日、

「来月から90万円です。」

と言われるかもしれない。

「来月から受けられません。」

と言われるかもしれない。

外注で身軽になったつもりが、実は会社の一部を外に預けてることもある。

3年間外注して、仕事は回った。

売上もできた。

でも見積もりの作り方も、顧客対応も、判断基準も、社内には何も残ってない。

これも、ちょっと怖い。

逆に採用も、採ったら終わりじゃない。

採用費100万円。

半年かけて育てた。

やっと戦力になった。

でも1年半で辞める。

その瞬間、採用費も、教育に使った時間も、顧客引き継ぎも、またやり直し。

採用って、人件費だけじゃなく、育つまでの時間に投資することなんですよね。

   採用700万、外注840万。安いのはどっち?

もう一つ、結構大きいのが社長の時間です。

採用した人を育てるために、社長が週10時間使う。

年間で500時間近い。

その500時間、本来なら営業できたかもしれない。新しい顧客に会えたかもしれない。幹部を育てられたかもしれない。

逆に、外注したことで社長の時間が月40時間空いた。

その40時間で月200万円の新しい粗利を作れた。

だったら、外注費が少し高くても、会社全体では意味がある。

ここまで見ると、

「安い方」

ではなく、

社長の時間をどこに戻せるか

も、かなり大事やと思います。

仕事の種類でも変わります。

毎月安定してある。

今後も増える。

顧客との関係が大事。

社内にノウハウを残したい。

そんな仕事なら、採用して育てる意味は大きい。

逆に、年に3か月だけ。専門性が高い。社内で一人雇うほど仕事量がない。

なら外注の方が自然なこともある。

0か100かでもないです。

判断や顧客対応、品質管理は社内。

繁忙時の作業だけ外注。

そんな持ち方もある。

僕、昔は同じ仕事なら年間コストが安い方を選べばいいと思ってました。

採用600万円。外注800万円。

ほな採用やろ、と。

でも実際は、半年戦力にならない採用もあるし、外注した翌月から社長の時間が戻ることもある。

逆に3年ずっと外注して、社内に何も残ってない会社もある。

最近は金額より先に、

「この仕事って、3年後も会社の中に持っていたい仕事なんやろか。」

って気になります。

採用できるかどうかって、給料を払えるかだけじゃない。

その人が育つまで、会社が待てるか。

外注するかどうかって、今月楽になるかだけじゃない。

その仕事を外に置いたままで、会社は強くなるのか。

そこまで見て、やっと判断できるんやと思います。

社長。その仕事、本当に人を採って会社に残す仕事ですか。

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