娘がつくった新しい言葉、「おねばあ」【2026/07/22】
久しぶりの銀座へ
今日は久しぶりの休日。
ゆっくり寝ていたかったけれど、娘は朝からお友達と遊ぶ約束をしていて、親同士で相談した結果、中間地点の銀座で会うことになった。
久しぶりに歩く銀座は、以前と街並みこそ変わらないものの、驚くほど海外からの観光客であふれていた。
エレベーターでは突然、
「Do you speak English?」
と声をかけられる。
英語で話しかけられると、なぜか一瞬頭の中がフランス語モードになってしまう私は、いつも少し戸惑いながら「A little bit...」と答える。
理解はできても、話すとなるとやっぱり難しい。
それでも何とかお役に立てたようで、ほっとしながら街を歩き始めた。
耳に入ってくるのは、フランス語とスペイン語。
レストランの隣の席でもフランス語が聞こえ、街ではスペイン代表のユニフォームを着た人たちが楽しそうに歩いている。
つい数日前までワールドカップを見ていたせいか、なんだか少しうれしくなってしまった。
円安の日本
買い物をしていて驚いたのは、レジが二つに分かれていたことだった。
一方は空いているのに、もう一方には長い列。
近づいてみると、そこは免税専用レジだった。
日本円が弱い今、日本は海外から見ればとても買い物がしやすい国なのだろう。
少し複雑な気持ちになりながらも、多くの人が日本を旅行先に選んでくれることは、やはりうれしいとも感じた。
娘と歩く一日
友人と別れたあと、娘と二人で買い物を続けた。
私は暑さですっかり疲れてしまったのに、娘は驚くほど元気だ。
「ママ、次はあそこ!」
「まだ見たい!」
もう帰りたい……。
そんな気持ちが顔に出てしまったのだろう。
娘は私の顔を見て、
「ママと一緒にいられてうれしいな。」
と、ぽつりと言った。
そして、
「疲れてるなら夜ご飯はテイクアウトでいいよ。」
とも。
一人っ子だからなのか、それともこの子の性格なのか。
親の表情や空気を本当によく見ている。
気を遣わせてしまったことが少し申し訳なくなって、「今日は最後まで付き合うよ」と、娘の行きたいお店を一緒に回ることにした。
「おねばあ」という新しいカテゴリー
今日、一番笑ってしまった出来事がある。
娘が私の服を選び始めたのだ。
「それはママっぽくない。」
「こっちの方が似合う。」
「今日のママ、なんか顔がいまいち。」
……休日くらい、ノーメイク気味でもいいじゃない。
そう思いながら試着をしていると、一着の服を見て娘が言った。
「うん。これは、おねばあ。」
「……え? おねばあ?」
どうやら娘の中には、女性のランクがあるらしい。
お姉さん → おねばあ → おばちゃん → ババ様(BBA)。
私は現在、「おねばあ」に認定されているそうだ。
「おばちゃん」ではない。
でも「お姉さん」でもない。
その間に存在する、新しいカテゴリー。
思わず笑ってしまった。
「おばちゃんにはなってほしくない。」
そう真剣な顔で言う娘。
つまり、一緒に歩いていて恥ずかしくない存在でいてほしい、ということなのだろう。
今でも外では手をつないでくれるし、たまにはほっぺにキスまでしてくれる。
まだセーフ、ということなのかもしれない。
年齢ではなく、あり方
年齢は誰でも平等に重ねていく。
「若く見られたい」というより、「年齢相応に、気持ちよく歳を重ねたい」と思うようになった。
仕事柄、人前に立つことも多い。
最低限の身だしなみは、自分へのけじめでもある。
そして今日、娘からもらった「おねばあ」という称号。
なんとも不思議な響きだけれど、私は案外気に入ってしまった。
「お姉さん」を目指す年齢ではない。
でも、「おばちゃん」で開き直るにはまだ少し早い。
その間にある、娘だけが知っている特別な言葉。
だから明日は、美容院を予約しようと思う。
「おねばあ」でいてね。
そんな娘の小さな願いに、もう少しだけ応えていたいと思った。
今日のタロット

今日のカードは、キング・オブ・カップの逆位置。
このカードは、感情の揺れや、心に余裕がなくなってしまうことを表すことがある。
思い返してみれば、暑さの中を歩き回り、「もう帰りたい」と少しイライラしてしまったのも、まさにその表れだったのかもしれない。
そんな私の気持ちを、娘は驚くほど敏感に感じ取っていた。
「ママと一緒にいられてうれしいな。」
「今日はテイクアウトでいいよ。」
その優しさに救われた一日だった。
キング・オブ・カップの逆位置は、「感情に飲み込まれないで」というメッセージでもある。
疲れたときほど、心に少し余裕を持つこと。
そして、身近な人の優しさを素直に受け取ること。
今日、娘がくれた「おねばあ」という新しい称号と一緒に、その言葉も心にしまっておこうと思う。
