なぜ私はスペインを愛するのかー2026年ワールドカップ優勝の日に思ったこと【2026/07/21】
ワールドカップ優勝の歓喜
2026年ワールドカップ。
スペインが世界一になった。
決勝戦の夜は、家族三人でテレビの前に集まり、声を枯らしながら応援した。
今回の大会は、娘も一緒に試合を楽しめる年齢になり、日本、フランス、そしてスペインの試合を家族で観戦した。スポーツを通して同じ時間を共有できたことは、きっと忘れられない思い出になるだろう。
だからこそ、大会が終わってしまった今は少し寂しい。
あの熱狂と興奮を、もう一度味わいたいと思ってしまう。
なぜ私はスペインを応援するのか
「フランスに留学していたのに、どうしてフランスではなくスペインを応援するの?」
そう聞かれることがある。
主人はフランス生まれ、フランス育ちだが、スペイン人の両親を持つ移民二世だ。
だから家庭ではスペインという国がいつも身近にあった。
もちろん、それも理由の一つである。
しかし、今回のワールドカップを見ながら、改めて気づいたことがあった。
私が惹かれているのは、スペインという国だけではない。
スペイン人が大切にしている価値観そのものなのだ。
スペイン人の強さの源
日本では「スペイン人」というと、陽気で明るく、情熱的というイメージを持つ人が多いかもしれない。
もちろん、それも間違いではない。
しかし、私が主人やその家族、そしてこれまで出会ってきたスペインの人たちを見て感じるのは、それ以上に努力を続ける強さである。
一度目標を決めたら、とことん努力する。
簡単には諦めない。
自分が納得できるまで、何度でも挑戦する。
その姿勢は、今回のスペイン代表からも強く感じられた。
テニス界のレジェンド、ラファエル・ナダルを見ていても同じことを思う。
勝利への執念はもちろんだが、それ以上に、勝利のための日々の積み重ねを決して怠らない。
才能だけではなく、努力そのものを信じている。
そんな国民性に、私はいつも心を動かされる。
家族のために戦う人たち
決勝戦で、最も心に残った場面があった。
優勝セレモニーで、ニコ・ウィリアムズは首にかけられた金メダルを手にすると、真っ先にスタンドへ向かった。
そして、移民としてスペインへ渡り、自分を育ててくれた母親の首に、そのメダルをかけた。
世界一の栄冠を、自分ではなく母親へ贈ったのである。
その姿を見た瞬間、私は主人の家族のことが頭に浮かんだ。
主人の両親もまた、スペインからフランスへ渡り、慣れない土地で懸命に働きながら三人の息子を育てた。
主人は今でも、「今の自分があるのは両親のおかげだ」とよく口にする。
夢を心配しながらも、最後には息子の選択を尊重し、日本へ送り出してくれた両親への感謝は、結婚して十数年経った今でも少しも変わらない。
そんな家族への敬意を、私は何度も目の当たりにしてきた。
私の隣にいる「スペイン人」
主人は幼い頃から絵を描き続け、今もゲームクリエイターとして創作に向き合っている。
仕事から帰宅しても、また机に向かい、自分の作品を描き始める。
気づけば朝になっていることも珍しくない。
「そこまでやるの?」
そう思うこともある。
けれど本人にとっては苦労ではない。
好きだから描く。
もっと良い作品にしたいから描く。
納得できるまでやめない。
その姿は、私にはアスリートと重なって見える。
情熱だけではない。
自分の仕事に誇りを持ち、最後まで妥協しない職人気質。
それもまた、私が身近で感じてきたスペイン人らしさの一つである。
なぜ私はスペインを愛するのか
私は、スペインという国が好きだ。
もちろん、私の人生を大きく変えてくれたフランスも大好きである。
留学しなければ主人とは出会えなかったし、研究者を目指して過ごした日々も、今の私をつくってくれた大切な時間だ。
それでも、「フランスとスペイン、どちらを応援する?」と聞かれたら、私はきっとスペインと答える。
それは国の違いではない。
私が惹かれているのは、努力を惜しまないこと。
一度決めた道を最後まで歩き続けること。
家族を何よりも大切にすること。
そして、支えてくれた人への感謝を決して忘れないこと。
そんな価値観に、私は何度も心を動かされてきた。
フランスで暮らしていた私が、スペインにルーツを持つ主人と出会い、家族になった。
今思えば、それは偶然ではなく、私自身が心のどこかで求めていた人間像だったのかもしれない。
2026年ワールドカップ。
スペイン優勝。
その歓喜の夜、私は改めて思った。
だから私は、スペインを愛している。
今日のタロット

Queen of Cups(カップのクイーン)正位置
今日の一枚は、カップのクイーン。
愛情深く、人の気持ちに寄り添い、自分の心に正直に生きることを象徴するカードだ。
今日の記事を書きながら改めて感じたのは、私がスペインという国を好きなのは、サッカーが強いからでも、華やかな文化に憧れているからでもないということだった。
努力を惜しまない姿勢、家族を何よりも大切にする価値観、支えてくれた人への感謝を忘れない生き方。
そんな人々に出会い、その温かさに触れ、いつの間にか私自身もその価値観に惹かれていた。
カップのクイーンは、「心が本当に大切だと思うものを信じなさい」と静かに語りかけてくれるカードでもある。
今日の記事は、ワールドカップ優勝の記録であると同時に、私自身の心がなぜスペインという国に惹かれてきたのかを見つめ直す時間にもなった。
この一枚は、その気づきを優しく肯定してくれているように感じた。
