高血圧|覚える数字は「140・160・180」
健診で最もよく遭遇する異常の一つが、高血圧。
「160あるけど、家では120台らしい」
「180を超えていたら救急?」
など、意外と判断に迷う。
まずは、
140・160・180
を覚えておくと対応しやすい。
1.まず覚える数字
140/90~
→ 家庭血圧+生活指導160/100~
→ 原則、内科受診+家庭血圧確認180/110~
→ 緊急性チェック
収縮期・拡張期のどちらか高い方で考える。
2.まず「家ではどのくらいですか?」
健診で血圧が高ければ、早めに聞いておきたい。
「家ではどのくらいですか?」
健診では160前後でも、家庭では120台という人も珍しくない。
ただし、160/100以上は原則として受診勧奨。
家庭血圧は、受診するかどうかを自己判断するためではなく、普段の血圧を評価するための重要な情報として確認する。
3.140/90~159/99なら
家庭血圧を確認する。
家庭血圧135/85未満
→ 継続して家庭血圧を測る家庭血圧135/85以上
→ 内科受診
生活指導については別の記事でまとめる。
受診者には、
「健診では少し高めです。家でも血圧を測ってみてください」
くらいでよい。
4.160/100~179/109なら
原則、内科受診を勧める。
あわせて家庭血圧も測ってもらう。
説明は、
「健診では高めなので、一度内科で確認してください。家の血圧も測って、受診時に見せると参考になります」
でよい。
すでに白衣高血圧として精査され、家庭血圧が継続して正常な場合は個別に判断する。
5.180/110以上なら
ここでは、緊急性を確認する。
例えば、
いつもと違う強い頭痛
嘔気・嘔吐
物が見えにくい
など。
こうした症状があれば、救急対応を考える。
症状がなくても、未評価なら速やかな受診を勧める。
大事なのは、
180/110以上=高血圧緊急症
ではないこと。
180は「救急と決める数字」ではなく、「緊急性を確認する数字」
と覚えておくとよい。
6.治療中なら
すでに高血圧で治療中なら、
「今回の健診結果を、かかりつけの先生に見せてください」
でよいことが多い。
健診の場で薬の調整まで考える必要はない。
7.白衣高血圧も放置しない
家庭では正常なのに、健診では高くなる人もいる。
その場合は、
「家では正常でも、健診で高く出る方は、将来的に本当の高血圧になることがあります。今後も家で測ってください」
と説明する。
「家では正常だから大丈夫」で終わらせず、家庭血圧を継続してもらう。
8.二次性高血圧を少し意識する
特に、
若いのに高血圧
これまで正常だったのに急に上がった
という人。
二次性高血圧も考えて受診を勧める。
薬剤で血圧が上がることもあるので、内服薬も確認する。
受診先:内科
二次性高血圧が疑わしい場合は、専門科への受診も検討する。
9.病院では何をする?
受診後は、
家庭血圧などで高血圧を確認
血液・尿検査
心電図
などを行う。
治療が必要なら降圧薬を開始する。
主な降圧薬は、
Ca拮抗薬
ARB/ACE阻害薬
サイアザイド系利尿薬
など。
併存疾患や年齢などを考えて選択される。
10.家庭血圧の測り方
朝:起床後1時間以内、排尿後、朝食前
夜:就寝前
安静にしてから測る。
家庭血圧135/85mmHg以上が高血圧の基準になる。
USPSTFでは?
USPSTFは、18歳以上の成人に対する高血圧スクリーニングをGrade Aで推奨している。
また、診察室で高値だった場合は、治療開始前に
家庭血圧や24時間血圧など、診察室外の血圧で確認する
ことも推奨している。
つまり、健診で血圧が高かったときに、
「家ではどのくらいですか?」
と確認することは重要である。
まとめ
高血圧でまず覚えるのは、
140/90 → 家庭血圧+生活指導
160/100 → 原則、内科受診
180/110 → 緊急性チェック
そして、
「家ではどのくらいですか?」
と聞く。
これだけ覚えておけば、健診現場ではかなり対応しやすくなる。
参考資料
・日本高血圧学会「高血圧管理・治療ガイドライン2025」
・日本人間ドック・予防医療学会「2026年度 判定区分」
・厚生労働省「標準的な健診・保健指導プログラム(令和6年度版)」
・USPSTF「Hypertension in Adults: Screening」
