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江戸時代の話は尽きない編① 日本史のぬかるみに足をとられて13

はじめに


 大河ドラマ『べらぼう』は、終了してしまいましたが、引き続き江戸時代関係の面白い本が出てきているので、相変わらずだらだらと、江戸時代に関する本を紹介したいと思います。

1.滝沢馬琴さん


※滝沢馬琴の晩年の作『南総里見八犬伝』は、もしかすると完結しなかったかもしれないのです。それは、馬琴は晩年眼病を患っていて、ほとんど見えない状態になっていました。つまり、字が書けなくなってしまったのですから、物語を進めることができなくなってしまったのです。
 その窮地を救ったのが、馬琴の長男の宗伯の嫁である”路”の存在でした。
彼女がいなければ、『南総里見八犬伝』は完成しなかったのです。それに関する本二冊を紹介します。
◎『馬琴の嫁』
 群ようこ:著 講談社 講談社文庫
(滝沢馬琴の『南総里見八犬伝』は、終盤に入り、馬琴が眼病のため、執筆が不可能となってしまいました。そこで、白羽の矢が立ったのが、息子の宗伯の妻であった“路”でした。彼女は、夫の宗伯の死後も子供を育て、家の家事の一切を担当し、さらにその後、馬琴の目となり手となり、『南総里見八犬伝』の口述筆記をして完成させるという偉業を行ったのでした。口述筆記というと簡単に考えがちですが、難しい漢字を書いたり、難しい言い回しもあったはずで、当時の女性がそのような勉強をしているはずも無く、ものすごく大変な作業で合ったと思われます。馬琴も、難しい漢字を教えたりしながら、さらに書き上がった物をもう一度読んでもらい確認するという、作業を続けたのです。馬琴の頭の中には、もうその物語が完全に完成していて、それをひたすら文字として表していく作業であったとのことです。馬琴さんの頭の中というのはどのようになっていたのでしょうか? )


◎『ゆすらうめ ~江戸恋愛慕情~』
 梓澤 要:著 光文社 光文社文庫
(たしかに、この小説は滝沢馬琴と長男の嫁の路が、口述筆記によって『南総里見八犬伝』を完成させる話が基本なのですが、完全に裏切られました。副題として江戸恋愛慕情とあるように、馬琴と路の周りにいる人の恋愛について書かれた短編小説集なのです。でも、最終的に馬琴が路の手助けにより『南総里見八犬伝』を完成させるというオチになっているという、不思議な本です。馬琴の伝記なのですが、江戸時代の恋愛短編小説集という形式の本です。)

2.江戸時代の解説の本


◎『禁断の江戸史 ~教科書に載らない江戸の事件簿』
 河合 敦:著 扶桑社 扶桑社文庫
(NHKの『歴史探偵』という番組で解説をしている、河合敦先生の本です。五つの章からなっています。
 第一章は「江戸時代の驚きの事件簿」で、富山の薬売りの話とか、五代将軍綱吉の側用人となった柳沢吉保がなぜ出世できたかなど。とかく最近の世の中はとにかく目立たないといけないという変な風潮が流行っていますが、「慎み」というのが出世の秘訣であると解説しています。
 第二章は「歴史人物の意外な真実」で、伊達政宗の野望とか、徳川家康替え玉説とか、三代将軍家光の家康愛の話とか出てきます。
 第三章は「知っているようで知らない江戸時代のしくみ」で、遊郭文化の話とか、江戸時代によく出てくる参勤交代制とか藩と言う言葉についての解説とかあります。
 第四章は「誰かに話したくなる江戸の娯楽と習慣」で、江戸の食文化や出産事情、さらにエジプトのミイラが輸入されていた! などという話が出てきます。
 第五章は「恐ろしくも不思議な江戸時代の罪と法」で、江戸時代の刑罰や、最近問題になっているフェイクニュースの話などが出てきます。
 日本史で習う江戸時代は、何か飢饉ばかり起こっていて、武士がやたらと威張っていて、というつまらないイメージを植え付けるような内容が多かったようなのですが、そうじゃないんだ! この本はそう訴えているような気がします。)

◎『江戸はスゴイ ~世界が驚く! 最先端都市の歴史・文化・風俗』
 堀口茉純:著 PHP研究所 PHP文庫
(タレントとしても活躍中の堀口茉純さんの本です。本当は、東京オリンピック開催に合わせて作られた本らしいです。本文は、とにかくスゴイ! スゴイ! の連発。所々用語が太字になっていて、まるで読み物系の受験参考書のような作りになっています。各章の最後には、「大江戸よみうり」という読み物や、「江戸人図鑑」という江戸の人々の解説もあります。浮世絵とかも使われていて、気軽に楽しく読めます。)

◎『性からよむ江戸時代 ー生活の現場から』
 沢山美果子:著 岩波書店 岩波新書新赤版1844
(この本は、「ハニカム堂」という本屋さんで見つけた物です。最初見たとき、「あれ? 岩波新書でこんな本が出てるんだ!」で終わってしまったのですが、次に訪れたときにまだ置いてあったので、手に取ってぱっと開いたところ、「岡場所で検挙した女性を吉原に売り渡す入札額」などという一覧表が出てきて、なんだこれは! ということで購入してしました。
 この著者は、江戸時代の資料を丁寧に読み込んで、その時代の人々の生活を明らかにするという手法で本を書いています。
 第一章は小林一茶の『七番日記』についてで、小林一茶が妻の菊との夜の営みについて日記に書き残しているのです。そこには、菊の月経の日とか、妊娠が分かった日とか、強精剤の採取とか服用に関する記述など色々書かれているとのことです。
 第二章では、米沢藩で、離婚した夫婦の間に生まれた子供が、「不義の子」であるかどうかの、藩の裁定に関わる資料から、当時の農民の結婚制度を考察しています。
 第三章では、仙台藩の医師が残した資料から、当時の出産事情を考察しています。
 第四章では、出雲国の町人太助の日記から、江戸時代に性の売買が大衆化していった過程について考察しています。この章に先ほど述べた一覧表が載っています。幕府公認の遊郭である吉原の保護のため、非公認の岡場所をで検挙した女性は吉原に売り渡していました。そのような資料から、性の売買の制度について考察しています。
 第五章では、江戸時代に行われた人口増加政策の一環として、夫婦別姓問題で出てくる、「日本の伝統的な家制度」が確立されたと述べられています。しかも、その発端となるのが、五代将軍綱吉の「生類憐み令」の中にある「捨子禁止令」であるとの話です。生類憐み令自体は綱吉の死後破棄されてしまいますが、この捨子禁止令はそのまま生き残り、幕府は人々の妊娠・出産を管理することで、人口増加政策を進めていき、さらに「家」という制度が確立していったのでは? という話になっています。
 現在の少子高齢化問題を考えるのにも、考えさせられる話が盛りだくさんです。そのような問題を考えている人には、参考にしてもらいたい本ですね。)

おわりに


 歴史関係の本を探し始めると、本屋さんに行く度に面白い本が見つかって、完全に底なし沼にはまってしまいました。このまま突き進むしか無いかな? 最近は、世界中がきな臭い状態になってしまいまして、人類滅亡へ誰が最終ボタンを押してしまうのでしょうか?
 日本が生き残るには、自給自足の道に進むのが正しい道だと思います。食料もエネルギーも工業製品も衣料も医薬品もすべて自分の国で賄える技術力を持っています。その技術力を持って、自給自足を積極的に進めていくことが、日本という国が生き残る最善の手だと考えます。

扉の写真について
 JR茅ヶ崎駅の北口にある、謎のコンクリートの壁。これは、デザインなのか? めんどくさくなって、壊すのを止めたのか? なにか理由があるのでしょうか? わかりませんね。


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