傷つかない恋愛なんて、守るだけの将棋と同じだ。
「人間関係でも、何かに挑戦するときでも、もうあんな風に疲れるのは嫌だな」
そう思ったことがある人は、きっと多いはずです。
傷つきたくないし、振り回されたくない。
できれば、もっと穏やかで、省エネでいられる関係がいい。
特に「恋愛」や「対人関係」において、私たちはつい身構えてしまいます。
でも、ある時気づいたのです。
「疲れたくない」と思えば思うほど、なぜか余計に疲れてしまうのだ、と。
「疲れたくない」という気持ちは、自分を守るための心のブレーキです。
傷つかないようにと身構えている時ほど、私たちは相手の言動に対して過敏になってしまいます。
「今の言葉、どういう意味かな?」
「嫌われたかもしれない」
心がずっと警戒モードになっているのだから、疲れるのは当然です。
だからこそ、私は「はなっから決める」ことにしました。
「恋愛だって、人間関係だって、はなっから疲れてもいい」
「むしろ、好きな人や、大切なことのためなら、とことん疲れたっていいや」
――はなっから、そう決めておくのです。
不思議なことに、「最悪、疲れてもいいや」と受け入れた瞬間、心にすっと余裕が生まれます。
ブレーキを外して、素直に目の前の相手と向き合えるようになるからです。
実は、この「はなっから決める」という感覚、私が大好きな「将棋」の世界とよく似ています。
将棋は、自分の大切な駒をリスクに晒さなければ、絶対に前へ進めません。
「王将を取られたくない」「自分の駒を失いたくない」と守ってばかりいては、いつまで経っても相手の陣地に攻め込むことはできないのです。
一手、進めるということ。
それは、傷つくリスクを、はなっから引き受けるということです。
私が将棋を進める理由は、そこにあるのかもしれません。
盤の上で一歩を踏み出すワクワク感。
リスクを恐れずに、自分の意志で未来を選び取る強さ。
それを教えてくれるのが将棋だからです。
「疲れたくない」と盤面をじっと見つめているだけでは、何も始まりません。
大切なもののために、喜んでエネルギーを使おう。
そうやって「はなっから覚悟を決めて」進める一手こそが、きっと私たちの人生を一番面白い方向へ動かしてくれるのだと信じています。
完
