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「道悪」ではなく「時計」ベースで考える

 皆様こんにちは。まぐです。

 競馬ではよく「道悪は荒れる」と言われますが、これは本当でしょうか?
 芝の良馬場・良馬場以外、ダートの良馬場・良馬場以外で比較してみましょう。

芝ダート、馬場状態別平均配当(2023~2025年)

 芝は道悪の方が平均配当が高くなっています。一方で、ダートは道悪の方が平均配当が低くなっています。
 ダートの道悪は基本的に時計が出やすくなるものなので、私は「道悪は荒れやすい」という考え方自体に少しズレがあると思っています。
 より正確には、道悪だから荒れるのではなく、スピードの出にくい条件になると荒れやすい。私はそう捉え直しています。
 もちろん、走りに求められるものが根本的に異なる芝→ダートのようなトラック替わりは話が別です。

「道悪は荒れる」から「時計が掛かると勝負圏が広がる」に捉え直す

 例えば、芝1600mのレースがあったとします。
 高速馬場で1分33秒台の決着になる場合、その時計に対応できる馬しか勝負に参加できません。仮に、そのレースの中で1分33秒台で走れる馬が5頭しかいないなら、馬券の候補も自然と絞られます。

 一方で、道悪になって1分34秒台の決着になるとします。
 この場合、1分33秒台では足りなかった馬も、勝負に参加できるようになります。仮に1分34秒台で走れる馬が10頭いるなら、勝負圏に入る馬が5頭から10頭に増えるわけです。
 勝負に参加できる馬が増えれば増えるほど、単純な能力比較だけでは決まりにくくなります。 だからこそ時計の掛かる馬場では予想の中で見るべきファクターの割合を変える必要があります。

 私の予想理論「余力ラップ」はスピードを重視する理論。そのため、能力比較には非常に有用だと考えています。
 ただ、道悪では他のファクター、たとえば、道悪適性や血統、オッズ、枠順や脚質の割合を意識的に高めています

 たとえ、スピード指数では同じ数字になったとしても、1分33秒台で走った事実と1分34秒台で走った事実は異なると言えるでしょう。
 もちろん、スピード指数は能力の目安にはなるので、私も比較のために用いています。

「速い時計で走れる馬は遅い時計の競馬にも対応しやすいが、遅い時計でしか走れていない馬は速い時計の競馬に対応できるとは限らない」のです。

「時計」を意識すると、適性面も同時に考えられる

 更に深掘りして考えることもできます。
 
 ポッドデスペアという川崎所属馬が今年、中央に移籍してきました。現在は2勝クラスで走っていますが、現時点で2度走り、2度とも惨敗に終わっています。
 この馬は川崎1400mを1.28.8という超好時計で走りましたが、この時計は中央2勝クラスの馬でも簡単には出せないはずの数字です。
 時計の額面だけなら中央2勝クラスで十分に足りていい馬に見えますが、ここで考えたいのは川崎で1.28.8で走れる馬でも、中央でより時計の速いレースに対応できるとは限らないということ。
 同時に、川崎で強い競馬をしているということは、川崎の急コーナーや深い砂をこなせているということ。
 時計は能力の証明ですが、その競馬場の特性に高くマッチしていたということは念頭に置いておきたいところです。

 川崎→中央というのはかなり極端な例を敢えて挙げていますが、これは他の競馬場も同様。
 たとえば、

東京で勝てているということは長い直線に対応できるだけの上がりを使えている。

京都外回りで勝てているということは、京都の上り坂・下り坂を水準以上にこなせている。

 その逆も然りです。

 時計ベースで考えることで、走破時計を予測しながら予想を組み立てたり、馬場差やコース適性まで含めた仮説を立てやすくなります。

 競馬を数字のゲームに単純化しないためにも、時計という数字はむしろ重要なのです。時計を入口にして考える癖を付けることで、競馬に対する解像度はさらに上がっていくでしょう

まぐ
期待値馬券が全盛だからこそ、数字の裏付けがある「強い馬」を狙うべきという信念のもと予想理論『余力ラップ』を開発。立川優馬氏のオンラインサロンで行われた予想コンペティションで最優秀賞を受賞し、2023年10月より『ウマい馬券』に参画。2024年はプラス回収を達成し、トップ予想家としての地位を確かなものにした。
競馬予想の基礎を全7章にわたってまとめた電子書籍はこちら
X(ツイッター) @33magu

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