“ペース”を決める要素について考える
皆様、こんにちは。まぐです。
今回はコース、主にそのペースについて語ります。
一般的なイメージでは「距離が短いほど前半3Fは速い」と考えられがちです。確かに多くのコースではその通りで、距離が延びるにつれて、前半の3Fはだんだん遅くなっていきます。
しかし、距離が長いはずなのに、むしろ前半3Fが速くなっているコースが存在するのです。
今回は前半3Fのペースの速さ、その背景にある要因、そして予想への活かし方(次回以降)を簡単に整理してみたいと思います
直線が長いコースはペースが緩みやすい
最後の直線が長いことはスローペースになりやすい要因の一つです。
直線が長いコースは、直線でいかに速い上がりを使えるかが勝負の肝になります。そのため、序盤がスローペースで流れやすく、各騎手が直線勝負に徹しやすいと言えるでしょう。
直線距離359mの内回りコース、直線距離659mの外回りコースを持つ新潟競馬場は比較対象として非常に分かりやすいと言えます。
新潟内回りは1200m、1400m、2000m(2歳・3歳の新馬戦・未勝利戦のみ)、2200m、2400mで行われています。
対して、外回りは1600m、1800m、2000m(2歳・3歳の新馬戦・未勝利戦以外)で行われています。
以下、新潟競馬場の距離別の3F通過タイムです。

ご覧の通り、内回りの1200m・1400mから外回りの1600mに延びるだけで、3F通過は1.5秒程度も遅くなっています。
また、内回りの2200m・2400mは、外回りの1600mと同じくらいの3F通過タイムなのです。
新潟で注意すべきは、内回りの方がペースが速いにもかかわらず、逃げ・先行馬有利になりやすい点です。
これは「長い直線のコースほど、直線勝負に徹した方が上手くいく」という基本を示していると言えるでしょう。ただ、超スローになれば、さすがに前有利になりやすいので、その按配も考慮すべきです。
上り坂を通過することでペースが緩み、下り坂を通過することでペースが速くなる
こちらに関しては非常にいい例があります。
阪神芝2000m・阪神芝2400m(ともに同じスタート地点)はスタート後、100mくらいで急坂を上るコース。
阪神芝2200m・阪神芝2600m(ともに同じスタート地点)はスタート後、300mくらい下り、そこから急坂を上るコース形態になっています。

2000mと2200m、2400mと2600mはそれぞれ直線距離が同じなので、このケースは素直に前半のペースで、先行有利か差し有利かを考えて差し支えありません。
2000mは先行有利、2200mは差し有利になりがちです。
同様に、2400mは先行有利、2600mは差し有利になりがち。特に阪神芝2600mは、距離が長い上にハイペースにもなりやすいため、JRA屈指の差し有利なコースになっています。施行数が少ないため、あまり意識されていないのか、先行馬も人気になりますが、差し馬を中心視して問題ありません。
初角までの距離が短いことでペースが緩む・初角までの距離が長いことでペースが速くなる
基本的に競走馬はコーナーに差し掛かると自然に減速します。
また、コーナーの角度がキツければキツいほど、その減速幅も大きくなります。
初角までの距離が短いということは、スローペースになる大きな要因の一つなのです。
芝1800mのなかで、最も初角までの距離が短いコースは東京芝1800mですが、1~2コーナーの間にあるポケットからのスタートで、2コーナーを斜めに横切る形で向こう正面に入ります。スローペースになりやすいものの、コーナー角がそうキツくないため、あまり減速しません。
続いて、初角まで短いコースは中山芝1800mの205m。こちらはコーナー角のキツイ1.2コーナーを通過するため、3F通過は非常に遅くなりやすくなっています。
初角まで長くなっている京都や阪神は3F通過タイムが非常に速くなります。

特殊なコース・他の要因
京都芝2200mは初角までの距離が397mと長く、スタート後もしばらく平坦が続きます。
にもかかわらず、実際にはスローペースになりやすいコースです。
私も当初は理解に苦しみましたが、ポイントは「ペースを引き上げるタイミングがない」ことだと考えています。
初めの397mである程度のスピードに乗り、3〜4F目にあたる1・2コーナーで減速。その後200mほど平坦が続き、そこから上り坂に入るため、中盤でペースを上げる場所がありません。
事実、前半400mの通過タイムは別に遅くありません。その後、ペースが上がらないので、トータルで見るとスローなのです。
また、後半4F目に当たる坂の下りから加速し始めるので、スローからの後半4F戦になりやすいのも京都芝2200mの特徴です。
ほぼ重賞しか行われない東京芝2500mは一般的には坂下からスタートするため、スローペースになりやすいと言われています。
しかし、実際にはスローペースとハイペースが極端に分かれやすいコースでもあります。
ハヤヤッコの勝った2024年アルゼンチン共和国杯は3F通過が35.7秒。1000m通過だと59.8秒のハイペースになり、逃げ・先行馬が全滅。差し・追い込み馬が台頭するレースになりました。
こちらも当初、理解に苦しみましたが、ハイペースにもなりやすい要因は2つあると思います。
1つ目はほぼ重賞しか行われないコースだということ。重賞は賞金が高く、全馬全騎手が勝ちに行くため、平場のレースよりもペースが流れやすいのが特徴。その特徴を受け継いでいるものだと思われます。
2つ目は東京の上り坂が、阪神・中山よりも急坂ではないから。あまり急ではないため、積極的に逃げようとする馬がいた場合、案外、ブレーキが利かず、ハイペースを作り出してしまうのかもしれません。
他、少頭数はスローペースになりやすい大きな要因の1つです。
競走馬がペースアップするのは他馬と競り合うから、という側面が大きく、競り合う相手が減る少頭数のレースはペースが落ち着きやすいのです。
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