「内枠主導・外枠主導」という予想方法をデータから掘り下げる
皆様こんにちは。まぐです。
私は人気予想家・立川優馬氏主宰のサロンを経て予想家としてデビューしましたが、予想方法についてはかなりの部分で影響を受けています。
その一つが「内枠主導・外枠主導」という考え方。かなり簡単に言ってしまえば、
「内枠主導なら内枠有利。外枠主導なら外枠有利」
という考え方です。
ただ、内枠の馬が逃げたから内枠が有利という話ではありません。
競馬は逃げ馬を中心に隊列が形成されます。
内の馬が逃げれば、その周辺にいる内枠の馬は自然にその後ろを取れます。反対に外枠の馬が前へ行こうと思えば、内の馬をかわしながらポジションを取らなければいけません。
一方、外枠のテンの速い馬が内へ被せながら逃げれば、その周辺にいる外枠馬は一緒についていく形でポジションを取りやすくなります。内の先行馬は外から来る馬の影響を受けますし、差し馬も進路が限定される場合があります。
つまり、「どちら側から隊列が形成されるのか?」を見る考え方です。
実際の立川氏の予想では、逃げ馬1頭の枠だけではなく、逃げ・先行馬の配置やテンの速さを見ながら、内外どちらがレースを主導するのかを判断しています。
「内枠主導・外枠主導」については、実例を挙げた方が分かりやすいでしょう。
2024年の朝日杯FSでは、最内1番枠のダイシンラーが逃げました。
その直後に2番アドマイヤズーム、さらに4番ミュージアムマイルという隊列。結果は、
1着 2番アドマイヤズーム
2着 4番ミュージアムマイル
3着 3番ランスオブカオス
4着 1番ダイシンラー
なんと1~4着を馬番1~4番が独占しました。
非常に分かりやすい「内枠主導→内枠決着」の例です。
外枠主導のサンプルは2023年大阪杯。
16頭立てで9番ジャックドールが逃げました。結果は、
1着 9番ジャックドール
2着 11番スターズオンアース
3着 13番ダノンザキッド
こちらは1~3着を外枠の馬が独占しています。
この2レースだけを見て「内枠主導・外枠主導は正しい」と言いたいわけではありません。
私自身、この「内枠主導・外枠主導」という考え方を長く予想に取り入れてきましたが、では実際、どのくらい意味があるのか?
なかなか検証する方法が分かりませんでしたが、今回は自作の競馬分析アプリ「Magulytics」を使って調べてみました。
もちろん、立川氏が実際の予想で行っている「どちら側がレースを主導するか」という判断を、そのままデータ化することはできません。
そこで今回は、検証できる形まで単純化しました。
2023~2025年のJRA芝、15頭以上のレースを対象とし、最初の通過地点で単独先頭だった馬の馬番が出走馬の半分よりも内枠であれば「内枠主導」、半分より外枠であれば「外枠主導」とします。
なお、逃げ馬自身は集計から除外しました。
見るものも単純です。
内枠主導の時、内枠と外枠のどちらが走っているのか。
外枠主導の時、外枠と内枠のどちらが走っているのか。
結果はこうなりました。
内枠主導
内枠:複勝率18.14%
外枠:複勝率15.81%
外枠主導
内枠:複勝率16.78%
外枠:複勝率17.53%
内枠主導・外枠主導という考え方に意味があるとはっきりしたように思います。内枠主導では内枠の複勝率が2.33ポイント高く、外枠主導でも外枠の複勝率が0.75ポイント高くなりました。
しかも、逃げ馬自身は集計から除いています。ですから「内枠の逃げ馬が好走したから、内枠の数字が良くなった」という話ではありません。
逃げ馬がどちら側からレースを作ったかによって、その他の馬の成績にも差が出ているのです。
今回、一番伝えたいのはこの部分です。
競馬で枠順の有利不利というと、まずコース形態の話になります。
「東京芝○○mは外枠がいい」
「中山のこの条件なら内枠がいい」
といったものです。
さらに当日の馬場を見て「今日は内が伸びる」「外を回した方がいい」と判断することもあります。
ただ、それとは別に「そのレースの逃げ・先行馬の並びによって生まれる枠順の有利不利もある」というのが「内枠主導・外枠主導」という考え方です。
たとえば同じコース、同じ馬場、同じ頭数でも、内から速い馬が出て隊列を作るレースと、外から速い馬が被せてくるレースでは、各馬の受ける恩恵は同じではありません。
枠順だけを見て、
「このコースは内有利だから内を買う」
と考えるのではなく、
「この並びなら、今回はどちら側からレースが作られるのか?」
まで考える。
コースによって生まれる枠順差と、レースごとの並びによって生まれる枠順差。
この二つは分けて考えた方がいいのでしょう。
長く感覚的に使ってきた予想方法でしたが、こうして数字にしてみると、改めて意識して使っていく価値はありそうです。
枠順の有利不利は、コースだけで決まるものではない。
そのレースで、どちら側から隊列が作られるのか。
出馬表を見る時には、そんな視点も持っておくと予想の幅が広がるのではないでしょうか。
まぐ
期待値馬券が全盛だからこそ、数字の裏付けがある「強い馬」を狙うべきという信念のもと予想理論『余力ラップ』を開発。立川優馬氏のオンラインサロンで行われた予想コンペティションで最優秀賞を受賞し、2023年10月より『ウマい馬券』に参画。2024年はプラス回収を達成し、トップ予想家としての地位を確かなものにした。
競馬予想の基礎を全7章にわたってまとめた電子書籍はこちら。
X(ツイッター) @33magu
