まぐのダービー展望
皆様、こんにちは。まぐです。
いよいよ今週末は日本ダービー!今回はダービーの予想に役立つ情報をお伝えします。
ダービーは穴を探すレースではない
日本ダービーは「競馬の祭典」と呼ばれます。
競馬関係者にとっては世代の頂点を決める夢の舞台であり、ファンにとっても特別な一日です。
ただ、馬券を考える立場から見ると、ダービーは少し違った表情を持つレースでもあります。
昔の私は、ダービーでよく穴馬を探していました。
「人気馬同士で決まっても面白くない!」
「トラックバイアスや展開ひとつで、能力差はひっくり返るはずだ!」
そんな感覚で、人気薄の馬をよく買っていた時期があります。
ただ、これがてんで当たりませんでした。
今になって思うのは、ダービーは紛れを狙いにいくレースではない、ということです。
もちろん、トラックバイアスや展開が無意味なわけではありません。
ただ、東京芝2400mという条件はごまかしが利きにくく、ダービーの時点では各馬の能力の輪郭もかなり見えています。
下級条件で終わる馬なのか、重賞で通用する馬なのか、G1を勝つだけの器がある馬なのか。その差は、春のクラシック戦線を経た段階で、ある程度は表に出ています。
だからダービーは、未知の大穴を探すレースというより、すでに見えている能力差を東京芝2400mでどう評価し直すかのレースです。
いわば、現3歳世代を見てきたことの答え合わせだとも言えるでしょう。
そこにダービー予想の本質があると考えています。
2025年ダービーの回顧
昨年のダービーでは、特に強くこの考え方を重視しました。
私の本命は13.マスカレードボール。
皐月賞で厳しい位置取りになりながら3着まで追い込んだ内容、そして共同通信杯で1.46.0の好時計を出しつつ、後半2Fを11.5-11.2でまとめた内容を高く評価していました。
つまり、マスカレードボールは、すでに見えていた能力を東京2400mで評価し直した馬だったと言えます。
ダービーで穴を探すこと自体が悪いわけではありません。ロジャーバローズやダノンデサイルのように、人気薄で好走する馬もいます。
ただし、そうした馬には必ず「能力が見えにくい負け方」や「まだ能力がオッズに織り込まれていない根拠」があります。
そうした裏付けがなければ、ダービーの穴狙いはなかなか成功しないと感じています。
では昨年と同じように、今年も「すでに見えている能力を東京芝2400mでどう評価し直すか」という視点で、前哨戦を見直していきます。
私が特に重視したいのは、皐月賞、共同通信杯、東スポ杯2歳Sです。
まずは能力比較の中心になる皐月賞を整理し、その後の有力馬解説で、共同通信杯と東スポ杯2歳Sの内容も踏まえて各馬を評価していきます。
皐月賞をどう補正するか
今年の皐月賞は1.56.5のレコード決着。
ただ、ラップを見ると11秒台前半が連発されたわけではなく、極端な瞬発力戦というより、速い馬場の上で一定以上のスピードを持続する力が問われたレースだったと見ています。
ただし、それ以上に重要なのは馬場です。
当時の中山は超高速馬場で、外を回して差すには厳しい状態でした。
内をロスなく立ち回った馬が有利で、外を回された馬、あるいは勝負どころで外に出さざるを得なかった馬は、着順以上に負荷が大きかったと考えるべきです。
ただ、「外を回した=ダービーで買い」と単純化しないことは重要です。
重要なのは、ロスを受けながらも能力の片鱗を見せていたか、東京芝2400mでパフォーマンスを上げる余地があるかです。
皐月賞で外を回すロスが大きかった馬
7着グリーンエナジー:最後まで伸びていて、ダービーでも評価できる
10着マテンロウゲイル:折り合いを欠いた点は、ダービーでも不安要素
11着バステール:圏外の位置から最後まで伸び、上がり33.6秒はメンバー内2位タイ
14着パントルナイーフ:前の馬が下がるアオリを受けて位置を下げる不利。直線も前が壁。弥生賞をフレグモーネで回避しており、休み明けだった点も考慮したい
有力馬解説
ここからは、有力馬を個別に見ていきます。
今年は皐月賞の着順をそのまま信じるのではなく、超高速馬場の内有利をどう補正するか。
また、今年のクラシックロードで私が評価しているレース、共同通信杯と東スポ杯2歳Sはともに東京コース。ここで東京適性を測ることができるので、それらを含めてどう評価するかもポイントになります。
ロブチェン:能力上位も、ヨーイドンは避けたい
ホープフルS、皐月賞を制して堂々主役に。
皐月賞は超高速馬場で内をロスなく立ち回れた恩恵はあったものの、4コーナーでリアライズシリウスに並びかけられてからもう一度突き放した内容は高く評価できます。フロックで出せるような時計ではなく、素直に能力は評価しています。
共同通信杯も評価できる内容でした。
1000m通過が59.5秒と平均的に流れた上で、後半5Fは58.1秒。後半2Fは11.2-11.8と、最後にやや減速するラップ。ロケットスタートを切り、その後は控えて差してきましたが、ベレシートにクビ差先着された通り、東京コース自体は問題なくても、直線で切れ味を問われた時には不安を残します。
この時の2着ベレシートは私もダービーで高く評価する予定でしたが、故障で回避。切れ味勝負でロブチェンを脅かせる存在が少なくなったことは追い風でしょう。
それでも、ベレシートにクビ差捕まった共同通信杯の内容から、ロブチェンはヨーイドンより持続力勝負に持ち込みたいタイプだと見ています。
リアライズシリウス:上位の上がりを使えず、行くしかないか
ロブチェン以上に上位の上がりを使えないタイプなので、こちらが逃げる可能性が高いように思います。
共同通信杯は外の2番手から。1000m通過59.5秒と平均的に流れて、3番手以下を離す隊列になったのが良かったと言えます。1.45.5の時計自体は良いものの、後半2Fが11.2-11.8と減速してしまっているため、やはり切れ味の不安が拭えません。上がりの数字も34.1秒です。
皐月賞に関しても、一度交わしたロブチェンに差し返されているのは、切れ味の面で不安が残ります。後半2Fは11.1-11.7でした。
終いに減速していますが、母父ステイゴールドで、折り合いも付くタイプ。距離自体は問題ないように思います。
父ポエティックフレアは自身がマイラーですが、産駒は中距離もこなしています。
ただ、近年のダービーは高速決着になりやすく、欧州的な持続力だけでは足りません。リアライズシリウスは能力上位ではあるものの、鋭い脚を使い切れない不安が走りにも血統にも出ている印象で、人気馬のなかで嫌うならこの馬でしょうか。
ライヒスアドラー:出遅れや不利続き。末脚勝負なら上位
皐月賞は出遅れましたが、二の脚が速く、すぐにリカバリーして中団に付けました。3.4コーナーでは外目を回す形になりましたが、内を通した馬が有利な超高速馬場のなかで3着まで追い込んできた内容は高く評価できます。
弥生賞でもスタートで挟まれる不利を受けましたが、二の脚の速さで中団までリカバリーしました。スタートが悪くても位置を悪くしにくい点は、大きな安心材料です。
ダービーに繋がるレースの中で、私が最も高く評価しているのが東スポ杯2歳Sです。
ライヒスアドラーはその3着馬。3コーナーで上がっていこうとしたところ、狭くなって位置を下げざるを得なくなりました。そこから内を突いて上がり32.9秒をマーク。外の方が伸びる馬場だったので、内ラチ沿いを通しての3着は立派です。この時の東京芝は非常に速い上がりが出ていたため、32.9秒という数字をそのまま鵜呑みにはできませんが、それでも優秀なことに間違いはありません。
このレースを最も評価しているのは、後半5Fが57.5秒と非常に速く、後半2Fも11.2-11.3とほぼ減速していなかったから。
また、予想段階で、自信を持って馬券から切れる馬が数頭のみという好メンバーが揃った一戦でした。それを裏付けるように、大きく負けた馬もその後、巻き返しています。たとえば、8着に負けたローベルクランツも毎日杯2着のあとにNHKマイルCで4着に好走しています。
この東スポ杯組を評価している私としては、位置を悪くしにくいタイプである上に、持続力・瞬発力ともに高いものを持っているライヒスアドラーを評価しない訳にはいきません。
本命候補です。
グリーンエナジー:いかにも穴人気しそうなタイプだが……
皐月賞は後方から3.4コーナーで大きく外を回り、最後はライヒスアドラーと同じ脚色で7着。いかにもダービーで穴人気しそうな負け方です。
ただ、2年前、皐月賞で似たような負け方をしたアーバンシックと違い、グリーンエナジーは頭が高めで、ストライドを大きく伸ばすタイプには見えません。ピッチ走法寄りで、中山が苦手だったとは言い切れないように思います。
実際、京成杯ではインで脚を溜めてロスなく回り、差し切っています。東京替わりで大きくパフォーマンスを上げるかは半信半疑です。
また、基本的には行き脚が遅いタイプ。前に行くロブチェンやリアライズシリウスも強く、届くかは大きなカギになります。人気になるなら評価を下げたい馬です。
パントルナイーフ:穴馬としての魅力は絶大!
フレグモーネ発症で弥生賞を回避。
ぶっつけ本番で挑んだ皐月賞は五分に出て中団に付けましたが、3コーナーで前の馬が下がってきてしまい、この馬も大きく位置を下げてしまいました。直線でも前が壁で、まともに追えておらず、全く力を出せていません。
ルメール騎手の継続騎乗は5月13日に正式発表されていますが、その前から騎乗予定として名前は出ていました。皐月賞14着後でもルメール騎手が継続騎乗する点は、陣営・鞍上がまだ能力を見限っていない材料として受け取れます。
正直、皐月賞の着順だけを見れば乗り替わってもおかしくないと思っていました。それだけに、早期からこの馬でダービーに向かうと耳にした時は驚きましたし、同時に「ダービーで買える!」と確信しました。
評価している東スポ杯2歳Sの勝ち馬。3着ライヒスアドラーは不利が響いたとはいえ、皐月賞で3着。
この比較からすれば、パントルナイーフがダービー馬に輝いても不思議は全くありません。
今年のダービーは、ロブチェンやリアライズシリウスがスローのヨーイドンを避けたいタイプなので、後半からある程度ペースが上がる可能性があります。
その流れで末脚を使えるライヒスアドラー、そして皐月賞で全く力を出せなかったパントルナイーフには大きな魅力を感じています。
ダービーは穴を探すレースではありません。ただ、能力が見えにくい負け方をしてきた馬を拾うレースではあります。
今年、その条件に最も合うのはパントルナイーフ。
そして能力と適性の両面から最も信頼したいのはライヒスアドラーです。
まぐ
期待値馬券が全盛だからこそ、数字の裏付けがある「強い馬」を狙うべきという信念のもと予想理論『余力ラップ』を開発。立川優馬氏のオンラインサロンで行われた予想コンペティションで最優秀賞を受賞し、2023年10月より『ウマい馬券』に参画。2024年はプラス回収を達成し、トップ予想家としての地位を確かなものにした。
競馬予想の基礎を全7章にわたってまとめた電子書籍はこちら。
X(ツイッター) @33magu
