賭けに勝った。烏丸御池で、ついに巡行の鉾を捕まえた|#146
「今年は30分遅れてるらしい」という、通りすがりの人の一言を信じて移動した先は、烏丸御池。結果から言うと、この賭けは大当たりでした。目の前の交差点を、堂々と巡行する山鉾の姿を、ついにこの目で捉えることができました。
赤い旗をなびかせ、真木の先端に稲穂のような飾りを掲げたその鉾は、白い法被姿の曳き手たちに引かれてゆっくりと交差点を進んでいきます。屋根には囃子方でしょうか、数人が座り、周囲の観客に向けて手を振っているのが見えました。金と赤を基調にした装飾は、これまで写真で見てきた懸装品の緻密さを、実際に動く姿として体感させてくれる迫力があります。
道の両側には紅白の幕が張られ、観覧席にはずらりと帽子姿の観客が座って、この瞬間を待ちわびていました。日差しを避けるための帽子やフード、うちわを片手に構える人々の後ろ姿からも、この暑さの中で何時間も待ち続けた熱意が伝わってきます。烏丸で肩を落としていたところから一転、まさかこんな形でリベンジできるとは思っていませんでした。
交差点越しに見る鉾は、宵山で間近に見た時とはまた違う躍動感があります。静止した状態でじっくり鑑賞する美しさと、実際に人の手で曳かれ、車輪を軋ませながら進む動的な迫力。同じ山鉾でも、これほど印象が変わるものかと、あらためて感心させられました。
近くの警備員や誘導スタッフの声、観客のどよめき、そして遠くから響いてくる祇園囃子の音色。すべてが混ざり合って、この交差点だけが特別な熱を帯びているような感覚がありました。烏丸通りの向こうに見える近代的なビル群と、伝統的な山鉾のコントラストも、祇園祭という祭りの奥深さを物語っています。
一度は諦めかけた巡行との再会でしたが、諦めずに追いかけてよかった。今日一番の収穫は、間違いなくこの一台の鉾との出会いでした。
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