THE INHERITOR -継がれるゲーム-
第3話「試されるのは、誠実さだった」
毎週火曜日更新
部屋に入ると、そこはまるで学校の教室のようだった。

ホワイトボード、椅子と机、出席番号が書かれた名札。
出席番号07:アサクラ・レン
壁のモニターに、白い文字が浮かび上がる。

『この部屋では、あなたの“嘘”が試されます』
その瞬間、空気が一段階冷たくなった気がした。
試練の内容は、こうだ。
「過去にあなたがついた最も大きな嘘を、他の参加者の前で告白してください」
ただし——
誰かの告白が
“偽り”だと判断された場合、
その人間は失格となる。
静寂。
そして、一人、カナエが手を挙げた。

「私、SNSで“インフルエンサー”って言ってたけど……
実際は、フォロワー100人もいなかった」
乾いた笑いが漏れた。
けれど、それは“嘘”というにはあまりに軽く思えた。
次に立ったのは、僕だった。

「——僕は、優しい人間を装ってました。
でも本当は、面倒なことから逃げたくて、
全部笑ってごまかしてたんです」
誰かが、小さく息をのんだ。
それは、
参加者の“誠実さ”という名の仮面が剥がれる瞬間だった。
その日、
嘘が暴かれた男が一人、部屋を後にした。

理由?
「本当のことなんて言えるわけがない」
それでも、
僕たちは先に進んだ。
「誠実なふりをして、進むしかないんです」
それが、次のルールだった。
【作品概要】
タイトル: THE INHERITOR -継がれるゲーム-
ジャンル: 社会風刺 × ゲーム構造 × 疑似異世界 × 主催者継承劇
形式: note連載(毎週火曜日更新)
視点: 元参加者による語り(回想・考察風)
構造: 徐々に主催者視点に変わっていく“視点転移型連載”
テーマ:
ゲームに参加することは、
“主催者になる可能性”と向き合うことだった。
