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青色申告VS白色申告、今からでも変えるべきか

「白色申告のままなんとなく続けている」というフリーランスは、今でも少なくありません。しかし、白色申告と青色申告の実務上の手間の差は、以前ほど大きくなくなっています。 今回は、今から切り替える価値があるかを整理します。

1. そもそもの違い:控除額と記帳義務

  • 青色申告:事前の承認申請が必要。要件を満たせば、最大65万円(または55万円・10万円)の特別控除が受けられる

  • 白色申告:事前申請不要。特別控除はない

かつては「白色申告は簡易な帳簿でよく、青色申告は複式簿記が必要で手間がかかる」という大きな差がありました。しかし、2014年から白色申告者にも記帳・帳簿等の保存が義務化されており、「白色なら記帳しなくていい」という時代はすでに終わっています。

つまり、どちらを選んでも一定の記帳義務がある以上、控除が受けられない白色申告を選び続けるメリットは、以前より薄れているというのが実情です。

2. 青色申告のメリットを改めて整理する

青色申告には、この記事シリーズでもたびたび登場した、数々の特例が用意されています。

  • 青色申告特別控除:最大65万円(要件を満たさない場合は55万円、簡易な記帳のみなら10万円)

  • 青色事業専従者給与:以前の記事(家族への給与はいくらが得か)で紹介した通り、家族への給与を全額経費にできる

  • 純損失の3年間繰越控除:赤字が出た年の損失を、翌年以降3年間の黒字と相殺できる(白色申告にはこの制度がない)

  • 少額減価償却資産の特例:以前の記事(一括償却資産VS少額減価償却資産)で紹介した、30万円未満(2026年4月以降は40万円未満)の資産を即時償却できる特例も、青色申告者専用

この記事シリーズで紹介してきた節税策の多くは、そもそも青色申告が前提になっているものばかりです。白色申告のままでは、これらの選択肢を使うことすらできません。

3. 65万円控除の節税効果を具体的に見る

65万円の所得控除がどれくらいの節税効果になるか、目安を確認しておきます。

  • 所得税率が10%、住民税率10%と仮定すると、65万円の控除により所得税6.5万円、住民税6.5万円、合計約13万円の節税になる

  • 所得が大きく、税率が高い層ではさらに効果が大きくなる

事務負担がそれほど変わらないのであれば、この13万円前後の控除を使わない理由はない、というのが基本的な考え方です。

4. ただし、2026年分からは要件がさらに厳しくなる

以前の記事(2026年、フリーランス・中小企業が知っておくべき税制改正)でも触れましたが、青色申告特別控除の要件が変わります。

  • 65万円控除を受けるには、電子申告が新たな要件として追加される

  • 複式簿記による記帳・電子申告に加え、優良な電子帳簿の保存等の要件を満たせば、新設される75万円控除の対象になる

紙で申告している方は、65万円控除を維持するために、電子申告への移行を今のうちに検討しておく必要があります。

5. 白色申告のまま残るとしたら、どんな場合か

とはいえ、白色申告のままでいることが完全に不合理というわけではありません。

  • 事業規模が非常に小さく、そもそも所得がほとんど発生していない(控除を使うメリットが小さい)

  • 副業として一時的に行っているだけで、今後も事業を継続する予定がない

  • 記帳や申告作業に割ける時間が極端に限られており、青色申告承認申請の手続きすら負担に感じる

このようなケースを除けば、多くのフリーランス・個人事業主にとって、青色申告に切り替えるメリットの方が大きいと言えます。

6. 切り替えの手続きと期限

青色申告に切り替えるには、「所得税の青色申告承認申請書」を税務署に提出する必要があります。

  • 原則として、適用を受けたい年の3月15日までに提出する

  • その年の1月16日以後に新規開業した場合は、開業日から2ヶ月以内に提出すればよい

「今年から青色申告に変えたい」と思ったタイミングによっては、今年分から適用できるか、来年分からになるかが変わってくるため、期限は必ず確認してください。

まとめ

  • 白色申告も2014年から記帳義務があり、青色申告との事務負担の差は以前より縮小している

  • 青色申告には65万円控除のほか、専従者給与、純損失の繰越、少額減価償却資産の特例など、この記事シリーズで紹介してきた節税策の多くが結びついている

  • 2026年分からは65万円控除に電子申告が必須要件として加わるため、紙申告の方は早めに移行を検討する

  • 切り替えには「青色申告承認申請書」の提出が必要で、原則3月15日までという期限がある

「白色申告のままなんとなく続けている」なら、一度、青色申告への切り替えを具体的に検討するタイミングかもしれません。


※本記事の内容は2026年7月時点の制度に基づくものです。申請期限や要件の詳細は個々の状況により異なるため、正確な手続きは税務署または税理士にご確認ください。

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