「30代がいない職場」は危険信号。短期離職3回の失敗から学んだブラック企業の見抜き方
3回短期離職した私が、今の職場に感じている違和感の正体
毎月、誰かが辞めていきます。
新人が、翌年にはいない。そういうことが、珍しくなくなってきました。補充される。引き継ぎもままならないまま業務をやらされる。ストレスで辞める。また補充される。
そのたびに、残った人間の仕事が増えます。気づいたら、自分の机の上だけ書類が積み上がっていました。
私40代で短期離職を3回しています。製造業、医療法人、持株会社、福祉ベンチャー、食品加工会社。それぞれの職場で、いろんな「やばい職場」を見てきました。パワハラで無視され続けた職場。入社後2ヶ月タスクがなかった職場。同じポジションで3人が短期離職していた職場。毎日海を眺めながら「人生終わったな」と思っていた時期もあります。
まさか自分がこんな惨めな思いをするなんて想像もしていませんでした。
今ようやく、あの頃の違和感に名前がつけられる気がしています。
中間層がいない職場は、詰んでいます。
「若手が辞める」より「中堅が消える」が怖い理由
よく「最近若手の離職が多くて困っている」という話を聞きます。でも本当に怖いのはそこじゃないんです。
30〜40代の中堅が抜けると、3つのことが同時に崩壊します。
①若手を育てる人がいなくなる。
②現場が回らなくなる。
③上の指示が現場に届かなくなる。
若手が辞めた穴は、時間をかければ埋まります。採用して、育てれば、いつかは戦力になる。でも中堅が抜けた穴は、そう簡単には埋まらない。
なぜなら、中堅が持っているのはスキルだけじゃないからです。「この案件はあの人に聞けばわかる」「この顧客はこういう対応をしてきた」という、どこにも書いていない文脈と人間関係。それが丸ごと消えます。
若手は5年後の自分の姿を、周りの30代に見ています。30代が疲弊している職場を見て「ここで頑張ろう」とはならない。中堅が消えた職場に残るのは、クセの強い古参と、入ったばかりの新参者だけになっていきます。
新人が入る。わからないまま業務をやる。辞める。また入る。
現場では毎月のように新しい顔が来ます。でも教える側の中堅はいない。だから新人は、見よう見まねで業務を覚えるしかない。当然ミスが出ます。ミスを責められる。誰もフォローしない。気力が折れて辞めます。
また新人が来る。また同じことが起きる。
このループが止まりません。
ただ、正直に言うと、新人がすぐ辞めることを一概に「悪いこと」とは言えなくなってきています。
働き手が希少になってきた時代に、非効率、非合理、理不尽なことに黙って我慢する必要はなくなってきた。今まで「辞めたいけど辞められない」と踏みとどまっていた人間が、踏みとどまらなくなっただけです。労働者個人が自分の幸福を優先して動く。それ自体は、悪いことじゃない。
問題は職場の側です。
人が簡単に辞めることを前提に、組織を作れていない。離職を「根性がない」「最近の若者は」で片付けてきた経営側のツケが、今まとめて回ってきています。新人が辞めるのは、その職場が選ばれなかったというだけの話です。
さらに追い打ちがあります。「辞めるかも」と周囲が揺さぶりをかけてくる。1人じゃない。複数います。本当に辞められたら、その人が持っていた業務が残った人間に落ちてくる。
私もその「残った人間」の一人です。
朝出勤するたびに、今日は誰かが突然辞めると言い出すんじゃないかと頭の片隅で考えながら仕事をしています。疲弊しているのに、辞めると言い出す人間に気を遣いながら働く。なかなかしんどい状態です。
中間層がいない職場の消耗は、忙しさとは少し違います。「次に何が崩れるか」をずっと待ちながら働く感覚です。これが積み重なると、じわじわと削られていきます。
入社前に、この職場を見抜けたか
正直に言います。見抜けませんでした。
4社目の持株会社に入ったとき、面接で業務内容を聞いても曖昧な回答しか返ってきませんでした。それでも会社のブランド名に惹かれて入社した。入社後2ヶ月、タスクがなかった。毎日出社して、することがない。あの2ヶ月は今でも思い出したくない時間です。
5社目の福祉ベンチャーに入ったとき、面接に同伴していたメンバーが5人いました。入社時点でそのうち2人がいなかった。気づいたのは入社後でした。
6社目の食品加工会社では、入社後に書類を見ていたら同じポジションで3名が短期離職していることに気づきました。入社前に確認できていたはずの情報でした。
違和感はありました。全部、流しました。
「入りたい」という気持ちが、違和感に蓋をします。
これは意志の力でどうにかなるものじゃない。だから入社前に確認できることは、全部確認しておく必要があります。
面接でこの質問を必ずしてください。
「社内の年齢構成を教えてください」
30代の人数が極端に少ない。見渡すと若手と中高年しかいない。口コミサイトに「昇進しても待遇が変わらない」と書いてある。これが重なっている会社は、中堅がすでに去り続けています。
求人票にも、サインが隠れています。「即戦力歓迎」「風通しの良い職場」「アットホームな環境」。これ単体では普通に見える言葉でも、具体的な制度の記載が何もない場合は注意が必要です。
最近は求人票をAI(私はClaudeを使っています)に読ませて、「ブラック企業の可能性がある表現を指摘してください」と投げる方法も使っています。自分一人で読むと「入りたい」という感情がフィルターになる。AIに読ませると、感情抜きで文字列として見てくれます。この使い方については、また別の記事で詳しく書きます。
最後に
中間層がいない職場の怖さは、じわじわ来ます。
最初は「少し忙しいな」で済みます。気づいたら、辞めると言い出す人間に怯えながら、自分の仕事をこなしています。転職7回して、今また同じ景色の手前にいます。
入社前に違和感を流さないこと。求人票を読む目を持つこと。面接で年齢構成を聞くこと。
それだけで、転職後の景色がだいぶ変わります。
少なくとも私は、あの頃の自分にそれを教えたかった。
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