53-第2回 エリツィン政権から見る日本〜他人事ではない『日本解体のタイムライン』
前回、ソ連解体後のロシアの悲惨な1990年代を紐解いてみました。国の財産はしゃぶり尽くされて、ほとんどオリガルヒによって奪われ、紙幣は紙切れになりました。
では、現在の日本はどうでしょうか?
「他国の、過去の歴史の話だ」と思って読まれていた方もいるかもしれませんが、実は1980年代後半から現在に至るまで、自公政権が日本で進めてきた政治の正体こそ、あのときロシアで起きていたことと構造的に全く同じなのです。
それでは、国を揺るがす民営化の内容を見ていきましょう。
1. 日本は「世界で最も成功した社会主義国家」だった
皆さんは日本を「資本主義国家」と思っているかもしれませんが、実は戦後の日本は、資本主義の仕組みを上手に取り入れた「世界で最も成功した社会主義国家」でした。
終身雇用、年功序列、手厚い社会保障、そして官僚による適切な市場コントロール(護送船団方式)によって格差を極限まで抑え、「一億総中流」と呼ばれる驚異的に安定した平等社会を築き上げていたのです。これは、当時の本物の社会主義国ですら実現できなかった奇跡のシステムでした。
しかし、その素晴らしい社会主義的なシステム(国民を守る最強の盾)を、内側から壊し続けてきたのが自民党、2000年から連立した公明党だということに、私たちは気付かなければなりません。
2. 外圧と自民党が進めた「日本解体」のタイムライン
1980年代後半から、日本はアメリカや一部の国際エリート(グローバル資本)からの「市場を開放しろ、規制を緩和しろ」という強い外圧にさらされ、国民の財産である「公社・国営インフラ」を次々と切り売り(民営化)してきました。
その歴史を時系列で並べると、自民党が進めてきた「日本解体」の全貌が浮き彫りになります。
1985年(中曽根政権):日本電信電話公社(NTT)、日本専売公社(JT)が民営化 。国の最重要インフラである「通信」と「専売権」が市場に開放される。
1987年(中曽根政権):日本国有鉄道(JR)が分割民営化。これにより採算の合わない地方ローカル線が次々と廃線に追い込まれ、地方の過疎化と崩壊の決定打となった。
2004年(小泉政権):東京の地下鉄民営化
国と東京都が出資する特殊法人だった「営団地下鉄(帝都高速度交通営団)」が民営化され、「東京メトロ」が発足。
その後2024年に、国と都が保有する株式の半分を株式市場に一斉に売り出し(東証上場)、完全民営化に向けた「国民のインフラの現金化」が大きく進みました。2005年(小泉政権):日本道路公団(現・NEXCO等)が民営化。「借金を返し終えたら無料にする」という国民との約束を事実上反故にし、半永久的に高い通行料を徴収する仕組みに変えられた。
2007年(小泉政権):日本郵政の民営化がスタート。郵便局にプールされていた国民の膨大な貯蓄・保険マネー(約350兆円)が、国際エリートや外資が自由に運用できる格好の標的として市場に差し出された。
2018年(安倍政権):水道法改正が強行され、水道の運営権を民間企業へ売却することが可能に。海外では料金高騰や水質悪化で大失敗した「水道の民営化」をわざわざ導入し、海外の水メジャー(ヴェオリア社など)への切り売りが始まる。
2018年(安倍政権期・大阪維新の会):大阪の地下鉄民営化
日本で最初の公営地下鉄であった「大阪市営地下鉄」が、橋下徹市長らが進めた「行政改革」によって廃止・民営化。
民間企業である「Osaka Metro(大阪メトロ)」に生まれ変わりました。
現在進行形(2020年代〜):NTTの完全売却へ
国の通信機密やインフラを完全に外資へ明け渡しかねない「NTT法の廃止・政府保有株の売却」の動きが今まさに進んでおり、売国政治の総仕上げとして大きな物議を醸している。
地下鉄の民営化は、メディアなどではよく「駅が綺麗になった」「トイレに紙がついた」「民間の柔軟なサービスができるようになった」とポジティブなレトリックで語られます。
公営(社会主義的システム)であれば、「赤字であっても市民の足を守る」ことが最優先されます。しかし民間企業になれば、何よりも「株主への配当・利益」を最優先しなければならなくなります。
株式が市場に売り出されたということは、東京メトロや大阪メトロが日々上げる莫大な運賃収入(利益)が、国庫や自治体に入るのではなく、国内外の投資家や国際エリートたちの配当金として吸い上げられる構造になったことを意味します。
【あとがき】
これだけの事実を見せつけられると、自民党は「日本の解体」を進めているとしか思わざるを得ません。私たちが日本で目撃してきたものは、あの90年代ロシアの悲劇の完全な追体験なのです。
海外の水道民営化のレポートには、水道料が大幅に値上げ、水質汚染で健康被害、メンテンナンス料の請求など様々な弊害と被害が出ており公営に戻した国もあります。
政治家や官僚たちは、一体何と引き換えにこの国の解体を進めているのでしょうか。
このまま欺瞞のレトリックに騙され続ければ、私たちは、日本の未来を担う日本の子供たちに、文字通り「空っぽになった日本」を引き継ぐことになります。
ロシアには、空っぽの国庫から力ずくでロシアの富を奪い返したプーチンという存在が現れました。
しかし、システムを内側から壊され続けている今の日本には、そんな指導者はどこにもいません。😭😭😭
ご覧頂きありがとう御座いました。
次回は【逆襲】資産ゼロの国を引き継いだプーチンへと続きます。
▼米国の公共擁護団体「In the Public Interest (ITPI)」が2020年7月に発行した、水道事業民営化がもたらす重大なリスクと弊害に関する報告書(PDF英字)
https://www.inthepublicinterest.org/wp-content/uploads/ITPI_WaterPrivatization_July2020_final.pdf
【要約】
1. 水道料金の高騰と負担の増加
ニュージャージー州バイヨンヌでは、民営化契約後に料金が約50%上昇し、支払えない住民の自宅が差し押さえ(先取特権の設定)に直面しました。・ペンシルベニア州コーツビルでは、民営化後に下水料金が216%も急騰しました。
2. 公的統治権と意思決定権の喪失
3. 水質の低下と健康・安全への脅威
4. 労働基準の低下と人手不足
報告書は、水は生命に不可欠であり、コミュニティの健康、安全、経済を支える重要な「公共財」であるため、民間企業の手に委ねるべきではなく、公的機関が管理し続けるべきであると強く主張しています。
※ご注意:本ブログでは解説の便宜上、Wikipediaのリンクを貼っていますが、そこに書かれている内容が必ずしも正確(真実)というわけではありません。Wikipediaを盲信せず、情報操作の裏にある真実を見極める目を持って読み進めていただければ幸いです。あくまで、自ら探求する上での「入口」としてご活用ください。
