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【0・1歳児】モンテッソーリの「お仕事」実践アイデア10選|月齢別のねらいと援助のポイント

モンテッソーリ教育に興味はあっても、0・1歳児のクラスにはまだ早いのではないかと感じている保育士さんは少なくありません。

けれど乳児期は、モンテッソーリ教育がもっとも大切にしている時期のひとつです。
特別な教具をそろえなくても、身近な材料で明日から棚に置けるものがたくさんあります。

この記事では、0・1歳児クラスで実際に使っている「お仕事」を月齢順に10個紹介します。
ねらいと援助のポイント、手作りできるものは材料もあわせてお伝えします。



モンテッソーリの「お仕事」は0・1歳児から始められる

まずは、乳児期の「お仕事」がどういうものなのかを見ていきましょう。

乳児期の「お仕事」は生活そのもの

モンテッソーリ教育では、自分で選んで取り組む活動のことを「お仕事」と呼びます。
大人には遊びやいたずらに見えることでも、子どもにとっては真剣な取り組みです。

0・1歳児の場合、そのお仕事の多くは特別な教材の中ではなく、日々の生活そのものの中にあります。
自分で食具を運ぶことも、自分で靴下を脱ぐことも、落ちたものを自分で拾うことも、どれも立派なお仕事といえます。

生まれて間もない時期であれば、動くものを目で追うモビールから始まります。

出典:モンテッソーリ教育のご紹介/日本モンテッソーリ協会

「身近なものと関わり感性が育つ」とも重なる

保育所保育指針では乳児保育のねらいが3つの視点で示されており、そのうちのひとつが「身近なものと関わり感性が育つ」です。

身近なものに触れて心を動かす経験を重ねていくという点は、モンテッソーリ教育が乳児期に大切にしていることと多くが重なります。
特別な保育をするわけではなく、指針に沿った保育を少し違う角度から組み立てていると考えるとよいでしょう。

出典:保育所保育指針(平成29年告示)/厚生労働省


0・1歳児の「お仕事」を選ぶ3つの視点

どの活動を棚に置くかを決めるとき、手がかりになる考え方が3つあります。順番に見ていきましょう。

今どの敏感期にいるかを見る

「敏感期」とは、特定のことに強い興味を示し、夢中になって繰り返す一定の時期を指します。
0・1歳児のクラスでは、運動の敏感期と秩序の敏感期がよく現れます。

同じ場所に同じものが置いてあると安心する、入れたものが出てくると何度も確かめる。
そうした姿がその代表です。
大人が困ってしまう行動に見えるものほど、体や脳が育ちたがっているサインだと考えてみましょう。

出典:モンテッソーリ教育の基本的な考え方/日本モンテッソーリ教育綜合

やりたいのは「結果」ではなく「動き」

大人はつい、できあがった形のほうを見てしまいます。
けれど子どもが夢中になっているのは、そこに至るまでの動きのほうです。

玉が入ったことよりも手を離した瞬間、通し終えたことよりも紐の先を目で追っている時間に、その子の関心は向いています。
そこを見ていると、次に何を用意すればよいかが自然と見えてきます。

一度に、ひとつだけ

感覚に働きかける遊びとして、センサリーバッグは0・1歳児クラスでもよく取り入れられています。
目で追う、押すと動く、冷やすと冷たいというように、夏のあいだ繰り返し楽しめる遊びです。

モンテッソーリの教具は、これとは違う考え方で作られています。
「一度にひとつの要素だけを取り出す」という原則があり、ほかの条件はできるだけそろえます。

ピンクタワーが変えているのは大きさだけ、色板が変えているのは色だけです。
ほかの条件をそろえることで、子どもが何に気づけばよいかがはっきりします。

どちらが良いという話ではありません。
感覚を広く刺激する遊びと、ひとつの違いに集中する活動は、目的が別のものだと整理しておきましょう。

同じ容器に木の玉・お手玉・フェルトボールを入れて並べたもの

月齢別・0・1歳児の「お仕事」実践アイデア10選

ここからは、実際に0・1歳児クラスの棚に置いている10の活動を月齢順に紹介します。
月齢はあくまで目安ですので、目の前の子どもの様子に合わせて選びましょう。

木の玉・お手玉・数珠を使った3種類のポットン落とし

① ポットン落とし(木の玉)|10か月ごろ〜

穴に玉を入れると下の容器に落ちて音がするので、入ったことが子どもにも分かりやすい活動です。
はじめて棚に置く一つとして向いています。

  • ねらい … 手を開いて離す/入ったことに音で気づく

  • 用意するもの … ふた付きの容器、直径3〜4cmの木の玉

  • 援助のポイント … 入れるところを一度だけゆっくり見せて、あとは待ちましょう

② 素材を変えた落とす(お手玉・布・フェルト)|11か月ごろ〜

動きは①とまったく同じまま、落とすものの素材だけを変えて用意します。モンテッソーリらしい考え方が、いちばん分かりやすく出るところです。

  • ねらい … 同じ動きの中で、感触と音の違いに出会う

  • 用意するもの … お手玉、丸めた布、フェルトボール。ひとつの容器にひと素材

  • 援助のポイント … 一度にすべて出さず、素材ごとにトレーを分けましょう

③ 数珠・チェーンを落とす|1歳ごろ〜

つながったものは入れはじめると最後まで続いて入っていくので、その途切れない感覚が繰り返しを呼びます。

  • ねらい … 手首を返す/続く動きを最後までやりきる

  • 用意するもの … 木製の数珠、ボールチェーン、口の広い容器

  • 援助のポイント … 途中で絡まっても、すぐに直さず様子を見ましょう

④ 細長い棒を穴に入れる|1歳2か月ごろ〜

丸い玉と違って棒は向きを合わせないと入らないため、手首の使い方がここで一段変わります。

  • ねらい … 穴の形に合わせて手首を調整する

  • 用意するもの … 太めのストローや木の棒、細い穴をあけた容器

  • 援助のポイント … 向きを直してあげず、入らない時間も残しましょう

棒を挿した棒さしと、1ピース外したノブつきパズル

⑤ ノブつきパズル|1歳3か月ごろ〜

つまみを持つ動きは、のちに鉛筆を持つときの指の使い方につながっていきます。

  • ねらい … 三本の指でつまむ/形と場所を対応させる

  • 用意するもの … 2〜3ピースのノブつきパズル

  • 援助のポイント … 合わないときは、置く場所ではなく持ち方を見ましょう

⑥ ペットボトルのキャップを絵柄で合わせる|1歳6か月ごろ〜

同じ絵を見つけて同じ場所に入れる活動で、秩序の敏感期にいる子どもにぴったりです。

  • ねらい … 同じものを見つける/見つけたところに入れる

  • 用意するもの … キャップ、同じシールを2枚ずつ、仕切りのあるケース

  • 援助のポイント … 間違えても止めず、入れ終わってから一緒に見ましょう

仕切りケースに絵柄を合わせて入れたペットボトルのキャップ

⑦ ビーズコースター|1歳6か月ごろ〜

ワイヤーの上をビーズが動くので、片手で台を支えながらもう片方の手で動かすことになります。

  • ねらい … 両手を別々に使う/動くものを目で追う

  • 用意するもの … 市販のビーズコースター

  • 援助のポイント … 端まで動かしきるまで、声をかけずに見守りましょう

ワイヤーの上をビーズが動くビーズコースター

⑧ 紐通し|1歳8か月ごろ〜

穴に通してから反対側に引き出すという、二つの動きがひとつにつながる活動です。

  • ねらい … 通す/先を見通して引く

  • 用意するもの … 先の固い紐、穴の大きいビーズや厚紙の型

  • 援助のポイント … 紐の先を持ち替える瞬間が難所です。手を出さずに待ちましょう

⑨ ポンポンをスプーンですくって移す|1歳10か月ごろ〜

食事の動きにそのままつながる活動で、こぼれても軽いので繰り返しやすいのが利点です。

  • ねらい … すくう/こぼさずに運ぶ

  • 用意するもの … 小さめのスプーン、ポンポン、同じ形の器を2つ

  • 援助のポイント … こぼれたポンポンは、拾うところまでを一続きにしましょう

ビーズを通した紐通しと、ポンポンをすくうスプーン

⑩ 本物の野菜に触れる|1歳ごろ〜

月に一度、その季節の野菜を切る前の姿のまま出して、そのまま触ってもらう時間をとっています。

  • ねらい … 本物の手ざわり・におい・重さに出会う/「むく」動きを経験する

  • 用意するもの … 玉ねぎ、とうもろこし、さやえんどうなど、皮や殻のある野菜

  • 援助のポイント … 名前を教えることより、触っている時間を長くとりましょう

木のトレーに載せた、薄皮が少しめくれた玉ねぎ

お仕事が続く環境の整え方

教具をそろえても環境が合っていないとお仕事は続かないので、大切にしたいことを3つ見ていきましょう。

棚は、部屋のいたるところに

モンテッソーリ園というと、教具の並んだ専用の棚をひとつ思い浮かべるかもしれません。
実際には、棚は部屋のいたるところに置かれています。

子どもが移動した先に、その場で手に取れるものがある状態をつくっておきます。
ひとつのトレーにひとつの活動を載せて、子どもの目線の高さに置きましょう。

トレーがひとつずつ並んだ子どもの目線の高さの棚

手作りで十分そろう

ここまで紹介した10のうち、市販品はノブつきパズルとビーズコースターくらいです。
残りは、容器と身近な素材があれば作ることができます。

ペットボトルのキャップ、お手玉、フェルト、太めのストロー。
どれも手に入りやすいものばかりです。
そろえることよりも、子どもの様子に合わせて作り替えられることのほうが大切です。

自分で出して、自分で戻すまでが一つのお仕事

教具に集中する時間は、子どもが自分で好きなものを選んで持ってきます。そして終わったら、自分で元の場所に戻します。
選ぶところから戻すところまでが、ひとつのお仕事です。

同じことが食事の場面でも起きています。
1歳児クラスでは給食で使った食具をひとつずつ自分で片付けに行きますが、その食具は陶器です。

危なくないのかと思われるかもしれません。
けれど割れるものだからこそ、両手で持ち、ゆっくり運ぶようになります。
扱い方は、扱えるものを渡されてはじめて身についていくものです。


0・1歳児の「やりたい」を、今日の棚から

0・1歳児のお仕事は、特別な教材からは始まりません。
落とす、入れる、通す、運ぶといった動きの中から、その子が今いちばんやりたいものを見つけて、繰り返せる形にして棚に置く。
始めるために必要なのは、それだけです。

選ばれなかったときは、素材や大きさを変えて出し直しましょう。
子どもの選び方が、次に用意するものを教えてくれます。

0・1歳児の保育で悩んでいる方は、参考にしてみてください。

※記事中の画像はイメージです。


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