"呼吸の居場所"の導線を考える
住宅街にひっそりと佇む"呼吸の居場所"
本業の傍ら妻と小さな喫茶店を経営している。
商店街から少し離れた住宅街にぽつんと現れる。
最寄り駅から歩いて10分程度とアクセスはほどほど。
ここはただのカフェではない。
騒々しさにイヤホンで蓋をするような場所にはしたくないし、チェーン店のような薄利多売、資本主義を具現化したようなサービス提供はしたくない。
建築家の妻がデザインしたリビングに、多様な植生に恵まれたテラス。
犬と猫が自由に闊歩し、ゆったりとした時間が流れる。
ひとりひとりの空間は広くとり、作業に打ち込んでも良いし読書に集中しても良い。そんな空間を目指した。

"家をひらく"と妻が宣言してから約3年が経ち、当初思い描いていた目標が大方達成できた。友人知人や近隣住民の皆様のご協力のおかげで、自信を持っておすすめできるモノになった。
コンセプト・ルールの理解を促進する導線作り
90分の完全予約制にしたのは、"呼吸の居場所"というテーマを体現するためだ。静謐な空間を実現するためには、お客様にもコンセプトを理解いただき、ルールを守っていただく必要がある。
しかも、来店したタイミングで趣旨を理解するようでは遅く、予約時点で提供する価値に賛同いただく必要があった。
suha Asagaya は "呼吸の居場所” であり、カフェではなく体験を提供する場所だ。ドトールやベローチェのような形態では実現できない空間を提供するためには工夫が必要であり、入り口である予約から世界観を伝えるべきだ。
パッケージサービスに頼らない独自予約システムを構築
予約方法の検討にあたり、試行錯誤している話は妻から聞いていた。
最初は誰でも利用しやすいGoogleフォームから作成してみたが、そもそもsuha Asagaya の予約形態を実現することができなかった。
次に「TypeSelect」という月3,000円のサービスを使ってみた。特殊な予約形態であっても予約画面を作ることはできたが、世界観という意味では誰が見てもチープだった。「これじゃ駄目だ」と思った。
建築畑の妻はコンセプトデザインや空間設計に非常に強いこだわりがあった。自分がやりたいことを着実に実現し、人を惹きつけ続ける妻だが、ITに関わる物事は専門外でありヒト並みだ。
何か力になれないかと「私が作るよ」と言ってしまった。結論、とても良い作品ができたと思っている。コンセプトは十分、要件も設計も頭の中に明確であったのだから、後は時間を捻出するだけ…こういう時は勢いが大事だ。

毎週土曜日、日曜日のみ営業している、呼吸の居場所。
杉並区阿佐ヶ谷というあまり訪れることはない所かもしれないが、とても良い場所なのでぜひ遊びに来て下さると嬉しい。
https://www.instagram.com/suha_asagaya/
また、予約システムについても紹介ページを作成してみた。同じような悩みを持つ方がおりましたらぜひ相談に乗らせて頂けますと励みになります。
一から設計しても大手企業とは比較にならないくらいイニシャルもランニングも安く済むはずです。
SaaS is Dead の片鱗を見た
過去の投稿でもあった通り、SaaS は SaaS の売り方をする。それは良い / 悪いではなく、そういうサービスだからだ。
今回の取り組みは、 SaaS では実現できない"世界観"や"コンセプト"をシステムという枠組みでどのように表現するかを考えた末の結果だ。
とても良い時代になったと思う一方で、少しでも自身の表現に悩む方々に寄り添える自分でありたいと思う。
