2種類の人間・ドイツ語が理解できないことは同じなのに?
ドイツに来て分かったことがある。
人には2種類ある、ということだ。
ドイツ語はほとんど喋れないし理解出来ないが、まっとうな判断力を保持できる人
と
ドイツ語の理解度に合わせた思考に陥る人
だ。
一番目の人は、分からないなりに普通の大人としての対応が出来る。
例えば演奏の仕事があったとして、ギャラの交渉や今後の流れ、などを話して決めることができる。
面倒くさい役所とのやりとりでも一歩も引かない。
二番目の人は、それが出来ない。
出来ないどころか、バブバブ期の赤ちゃんに戻ってしまい、全てを相手に委ねてしまう。
なすがまま、きゅうりがパパ(古いけどお気に入りの駄洒落)。
* *
私は二番目だった。😞
悲しいけど、本当にそう。
初めての一人暮らしは、就職したドイツの北の町でだった。
ドイツ生活2〜3年目だった。
それまではシェアアパートで、家賃を払いさえすれば良い生活。
家賃には水道ガスの料金も含まれていた。
日本人の同居人も日本語を話すドイツ人の同居人もいた。
就職して、これから一人暮らし。
住民登録をし、銀行口座を開き、健康保険にも入らねばならない。
職場で契約書をもらい、
「あ、こんなにお給料もらえるんですか?」
と言って失笑される。
ドイツでは、税金、社会保険など合わせて、額面の半分近くが天引きされるのだ。
「健康保険に入れ。」
と言われれば、同僚について行ってもらって保険に入り、
「給料を振り込む口座を開設しろ。」
と言われれば、やはり同僚に銀行について行ってもらう。
選択肢をじっくり精査する、なんてことは無理。
今みたいにchat gptにお伺いを立てることも出来ない。
劇場の人事部のオジサンが挙げたいくつかの銀行のうち、一番目の銀行で口座開設し、一番目の健康保険に入る。
言いなりデス。
その保険は、あとで考えると高かった。
自分が自分でないような感覚だった。
* *
その人は突然やってきた。
玄関口に立っていた。
新聞の勧誘である。
それも、全国紙でもその街の地方紙でもない。
アーメン系。
キリスト教教会のある一派の新聞。
なんと私は定期購読の契約をさせられてしまったのだ❗️
今なら?
「仏教徒ですので。」
とか
「アニミズムを信仰してます。」
など、嘘を並べてでも断れる。
うちのオジサン(夫)など、もっとキツく断る。
「全く興味ありません❗️」
とか。
当時の私は…!バカバカ❗️
次の職場に移るまで、私はその新聞を取り続けたのだった。
* *
ある日、かかってきた電話。
「保健所です。アンケートに協力してください。」
と言う。
年齢やら、なんやら、今だったら個人情報保護法に引っ掛かる内容だったが、もう、こっちは赤ちゃん状態だからゼンブ真面目に答える。
そのうち、
「彼氏はいるか?」
「どのくらい付き合っているか?」
「一緒に住んでいるか?」
という質問になる。
保健所が何故そんなことを聞くのか?
私の健康を慮っているのだろうか???
質問が性生活に及んでやっと、イタズラ電話だと気づいて受話器を叩きつけた。
* *
そう、話すこと、理解しようとすることに夢中で、フツーの判断力、常識が全く働かないのだ。
忙しい保健所が電話でアンケートなんか取ることはない
保健所が、(感染症の追跡以外で)個人に電話することは基本的にない
ハイ、常識。
* *
このウスノロ状態は、結構多くの人に見られるらしい。
外国語だと脳の処理負荷が増えるのだ。
意味理解に脳のリソースを割くため、違和感に気付きづらく、論理チェックが甘くなる。
この状態を表す言葉もちゃんとある。
Foreign Language Effect‼️
危険、不安を感じにくく、警戒心が弱まる。
公的機関など権威に弱くなる。
⬆️保健所〜!
まさにワシやないかー‼️
* *
自分だけでない、というのは救いだが…。
ちなみに、うちのオジサン(夫)は一番目のカテゴリーに属す人だ。
ヨカッタ。
しかしだ。
相手の反応を気にせず、こちらが納得するまで相手を待たせても平気、というのは鈍感力の現れでもあるかと。
