またねとまたね
「UNISON SQUARE GARDENでした!またね!」
ドラムスの鈴木貴雄がそう言い放つとステージを後にした。
2026.7.15
今日は幕張メッセにてUNISON SQUARE GARDENの現体制ラストライブ。
前日譚
内容がネガティブなのでライブの感想がすぐ見たい方は飛ばしてOKです。
今年の2月にうるわしのシングルツアーが終わってからといううもののバンド活動の音沙汰が無かった。
そして4月、知らせが突如として目に入ってきた。
1つめはUNISON SQUARE GARDENのドラムスである鈴木貴雄がメンバーから脱退すること。UNISON SQUARE GARDENも現体制の終了に伴い、活動休止期間に入ること。
2つめは本公演の開催が決定したこと。
晴天の霹靂とはまさにこのことだ。
仕事終わり、疲れから整理できない頭で情報を整理した。
暗い道中でただただ動揺。なぜなのか。なぜなのか。
好きだったアーティスト・聞いていたアーティストが活動休止もしくは解散してしまったニュースは幾度も見てきた。
でもまさか一番大好きなバンドがそんなことになるなんて。
状況を飲み込めないまま、兎にも角にもラストライブに申し込む。
そうして今日を迎えるまで、正直複雑な気分だった。
UNISON SQUARE GARDENのライブはすごく見たいはずなのにライブ当日を迎えてほしいとは全く思わなかった。
聞けなくなるのが嫌だ。心の支えが無くなるのが耐えられない。
生きがいが一つ消えてしまう。もうこの三人のステージを見られなくなる。
そんなネガティブな気持ちばかりが日を追うごとに強くなっていく。
当日聴きたい曲を並べて聞いてみても、アルバムを順番に聞いてみても、過去のライブのセットリストをなぞって聞いてみても気が紛れない。
割り切ることが正直難しかった。
「脱退。考え直してくれないかなー…」とも思ったことはあったが、決定事項に対して外野がこんなことを言うのは野暮だ。わかっている。
かといって誰かにぶちまけて発散することもできなかった。
チケットが当たったときは安堵した。嬉しかった…という気持ちよりも安堵が大きかった。20thの武道館チケットを取れなかった悔しさがまだ残ってたからだ。
だからなんとか気を紛らわそうと自分でも意識しないうちに当日まで極力バンドのことに触れないようにしていたかもと今になって思う。
そんな気持ちがチケットに反映されたのか、発券時はAブロックだった笑。
迎えた当日。
平日にも関わらず海浜幕張駅からファンで溢れかえっていた。
待ち時間もTwitterを眺めながら、他の方のツイートを見て気持ちを整えるしかなかった。我ながら脆すぎる。と同時に同じ気持ちの方がいてちょっと自分が赦されたような気分になる。
ライブ感想
今日は周年ライブと同じように今日も絵の具を聴ききってから演奏が始まるのだろう。そんなことを思っていたらいつものライブのようと同じような始まり方だったことにちょっと驚いた。
よくよく考えてみれば開演から終演までの時間も2時間といつものライブの尺か。
「フレーズ!ボトル!バイバイッ!」と始まったライブはイメージと反してとても良い意味でいつも通り。喜劇的とも言えるような導入だったと思う。
フレーズボトル・バイバイ
ご機嫌なメロディに乗せて歌う歌詞はいかにもといった感じで。
こちらの感情など知るかと言わんばかりに捲し立ててくれる。
悲喜悲喜こもご も大切だけど
今をちゃんと見ないなら
もったいないまま終わっちゃう 最終回も逃しちゃう
感情はなんであれ、顔を上げて目の前を見ろ。と演奏でこちらを引き込んでくる。目の前にいるバンドが間違いなく大好きな3人だ。
どうせ終わるならちゃんと見なきゃ損だ。
思えばいつも彼らはこちらの想定など軽く飛び越えてくれるバンドだった。
またいつか会えたらいいから Hello, 今夜も楽しかったね
忘れられない今日になった!
最初からユニゾンらしさを出しながら欲しい言葉をくれるような彼らを好きになったのだ。
アナザーワールド
ドタバタから少し落ち着いて演奏されたのがアナザーワールド
思えば、アナザーワールドを初めて聞けたのも幕張だった。
3年前、イベントホールで行われていたLIVE HOLIC -ROCK BAND DREAM-というイベントに参加したときにいきなり演奏してくれたときには頭を抱えていた記憶がある。(しかもセトリがインディーズ仕様)
楽曲のイントロが流れると不意に過去のイベントを思い出して懐かしんでしまう。これも休止前のラストライブ故か。
オリオンをなぞる
実を言うともうこの曲のイントロが流れたときにはもう涙腺が崩壊しかけていた。一番最初にUNISON SQUARE GARDENを知ったきっかけはこの曲だったからだ。
フラスタを巡ることができなかったが、TIGER&BUNNYのスタッフ一同からも送られていたようで「ありがとう!そしてありがとう!」と書いてあったそうな。(私はドラゴンキッドが好き。)
毎週、タイバニを見るのが楽しみだった。
OPがUNISON SQUARE GARDEN、EDが藍坊主という頭から尻尾まで幸せな30分だった。視聴するきっかけが姉だったか妹だったか忘れたが思えばそこから既に繋がっていたのだ。
そんな学生時代をふと思い出してしまった。
いつもライブで演奏してくれる定番のぶち上がる曲。
と思っていたが、思えばここのところ聞けていなかったのだ。
久々に生でこの曲を聴いたから余計に心を揺さぶられてしまったのか。
青く照らされたライトがまた幻想的だった。
この光景が最高ロマンそのものだった。
カオスが極まる
近年のライブでは必ずといっていいほど演奏され、常に盛り上げてきた楽曲。
この楽曲を初めて聴いたのも4年前の幕張メッセ。
「テレビ朝日ドリームフェスティバル」で聴いたのが初めてだった。
当時一聴ではわからない、まさしくその混沌とした演奏に呆気に取られていたのを覚えている。まだCDが発売しているわけでもなく、アニメが放送されていたわけでもなかったのでとにかく情報が足りていなかった。
この4年で気づいたら、カオス来た!と思えるほどに身体が喜ぶようになってしまっていた。
この時期はタイバニの2期が放送された年で主題歌が変わらずUNISON SQUARE GARDENだったことに大喜びしていたし、kaleido proud fiestaを聞いて歌詞ですごく嬉しくなってしまったり。のちに開催された「fiesta in chaos」ツアーは札幌まで張り切って飛んでしまった。
(当時のセトリめっちゃ気に入っている。)
MR.アンディ
やはり思い出されるのは2018年に同じ場所、同じホールで開催された「One roll, One romance」
今回のライブに参加するにあたって旅の音楽隊ラバーバンドという当時のツアーのグッズをつけて参加した。ワンマンとしてここでユニゾンを見るのは実に8年ぶり。時の流れというのは早いものだ。
当時、ハマってからまだ日が浅いこともあり何もかもが新鮮で何を聞いてもとにかく嬉しかった。
そんな気持ちを少しでも取り戻してくれるような演奏だったことは間違いない。
リモート鑑賞会とか参加したなぁ。懐かしい。
もっともっと昔からライブに参加している方々は下北沢とかライブハウスの記憶が浮かんでたりするのかな。
君の瞳に恋してない
これもワンロマツアーの話から繋がることになるのだが、確かワンロマツアーのファイナルの少し前にこの楽曲が収録された「MODE MOOD MODE」が発売されたのだ。
振り返ればInvisible Sensation、fake town babyの2週連続リリースだったり情報量が凄まじかった。
シングルが何番目に収録されているか。なんていう予想クイズが公式から出されたりしたのを覚えている。全く当たらなかったけども。
とにかくUNISON SQUARE GARDENのことを考えるのが楽しかった。そんな時期にたくさん聞いていた名曲だ。
横浜アリーナの記憶が強いかも。
ツアーで参加したときに聞いたのもあるが、訳あってバズリズム2018の記憶がかなりでかい。
ラスサビ前の演奏で貴雄さんが叫んでいたのが印象的だった。ラストだからこそなのか、ものすごく楽しそうに演奏している印象が強かった。
大事なもの失ったとき 壊れちゃってしまってしまった気持ちは
虹色に光る幸せ そんなものがなくても
小さじ一杯のカラクリが生み出せるもの
ちょっと信じてみてはくれませんか
保証がないのは本当だけど
僕の手握っていいから
桜のあと(all quartets lead to the?)
この楽曲も夜桜四重奏のOPとして認知していたのが一つ。学生時代に友人とひたすらカラオケに行っていたときに歌ってくれていた記憶がある。
バンド活動中に夜桜四重奏の原作も最終回を迎えた。
15周年を迎えた2019年には舞洲でフラスタを見かけたし、記念アルバムにはヤスダスズヒト先生が書いた漫画が封入されていて作者とバンドが作品を通じてここまで相思相愛になれるのだと感動した覚えがある。だからこそこのバンドがアニメファンからもロックファンからも愛される存在なのだと。
私はこの楽曲のMVが大好きだ。
音楽ってきっとその場で口ずさめば成立するもので、
最初の入りは斎藤さんが1人歩いて口ずさんでいるシーンから始まる。
そこから田淵さん、貴雄さんが合流して徐々に人が集まってくる。
サビではついぞファンが揃ってその円の中心で演奏する3人の構図。
曲を聞いている周りのオーディエンスはみんな楽しそうにはしゃぎ回っている。この光景がたまらなく好きで。
多分今見ると泣きそうになってしまう。
間奏で大きく響く手拍子はそんなMVを想起せずにはいられなかった。
じゃじゃじゃじゃーん 足りない!キック リズムを打て!
ベース and ギター おまけに僕が歌えば四重奏
忘れない 忘れないよ
今も大人になっても
だからこの瞬間は楽しませて
歌うよ でたらめで良いよね?
場違いハミングバード
こちらも気づけば馴染んでいた楽曲。
Populus Populusリリース時にはオリオンをなぞるは知っていたものの、バンドとして追えていたわけではない。多分地元でひたすら部活に打ち込んで青春していた時期だと思う。
そこから時が経って軽音部の友人から音源をもらい、聞いていた。
気づいたらはまっていた。
なんとも不思議なものだがそこからUNISON SQUARE GARDENにハマり、時が経って2025年。Populus Populusのリリースツアーを行なっていた日比谷野外音楽堂にてこの曲を聴けたときはとんでもなく嬉しかった。
舌打ちも含めてこれが最後かと思うと切ないものがあるが、
やっぱめちゃくちゃのれちゃうな。この曲。
Invisible Sensation
この曲でバックスクリーンにデカデカとUNISON SQUARE GARDENと映すのはずるいと思った。
ワンロマツアー周辺は本当に熱量がすごかった。
アニメタイアップと聞けば作品ごと試聴していたし仕事後には一刻も早く実物を手に入れたいと思い渋谷のタワレコへ駆け込んだ。
新作CDが並んでいる棚とPOPをどうしても見たかったからだ。
そんな熱量でCDの封をバリバリと開けて聞いたこの楽曲の「生きてほしい!」と言うフレーズは衝撃を受けた。
些細なことでもその積み重ねを美しいと肯定してくれているようなこの楽曲は前に踏み出すきっかけや勇気を与えてくれることもあった。
そんな曲の背景にバンドロゴが映るとバンドとしてのスタンスがこれであると言ってもらえているような気がして。
終演後の田淵さんのインスタの一説を見ても、やはり生きることが大事。
オトノバ中間試験
「Dr.Izzy」が発売したとき、CMのオマージュやボーカルの曲が歌詞に含まれていることやなんだかやりたい放題に聞こえるこの楽曲から耳を離せなかったのだ。
前奏で斎藤さんと田淵さんが向かい合ってたり、間に貴雄さんが挟まる構図がとても良かった。
田淵さんのいつもの制限タイムの踊りも見ることができたし、
見逃し配信をよく見てみると田淵さんが貴雄さんに向かって指を刺してやったれと言わんばかりのジェスチャーに胸が熱くなった。
こういうところにも互いの信頼とか出てきているのかなと思うと胸が熱くなる。
天国と地獄
「天国と地獄…」といつものようにコールすると始まると歓声と共に攻撃的なサウンドの渦に巻き込まれる。
フレッシュトマトはいつものようにスタイリッシュに投げ出されるパフォーマンス。聞いていると身体の揺れを自制することができなくなってしまう。
やはり、特筆すべきは間奏の各ソロパート
On the Baseのfakest beat!
On the DrumsのClever shots!
Same timeでchaotic show!
それぞれのキレもさることながら、貴雄さんの演奏を見る斎藤さんの姿がとても印象的だ。
UNISON SQUARE GARDENの楽曲はこの3人だから成り立っていると思う節がところどころにあるのだが、この楽曲も当てはまるのではと思う。
やっぱこれが最後なのは惜しいな。
傍若のカリスマ
比較的近年のリリースだったこともあり、たくさん聴くことは叶わなかった。「Charisma & Princess」というシングルツアーでカップリングごと披露してくれた翌月、WurtSとの対バンでいきなりカップリングの憂鬱はプリンセスを披露していたとき、このバンドの尖り具合に改めて惚れたのが記憶に新しい。
貴雄さんが「オン、ベースぅぅぅぅ!!」「ギター!」と気迫のこもった掛け声をかけていた部分にやはり気持ちを持っていかれてしまう。
汗もダラダラに流れていてほとんど濡れている状態に近いのにとても気持ちよさそうに笑って演奏しているのだ。
WINDOW開ける
暗転して小休止が挟まる間、やはり貴雄さんに対する声援が多かった。
それに応えるように静寂から少しドラムの音が鳴ってこの曲へ。
暗がりからボーカルにスポットが当たって静かな立ち上がり。
印象に残っているのがSTUDIO COASTで行われていたa flood of circleの「GIFT ROCKS LIVE」
一曲目が確かこの曲だった。アルバムでもカバーされていたのを覚えている。あのときは純粋に聞けた喜びが強かった。
この日はやっぱり感じ方が違った。
終わりの鐘が鳴ったから 今日はおしまい おしまい さよならよ
どうもおしまい。さよならという言葉に敏感になってしまう。
UNISON SQUARE GARDENらしさと寂しさを同時に感じてしまうが、
そのスタンスを好きになってしまったのだ。
迎合しない。やりたいことをやる。
そんなことを詰め込んだような曲だからこそこのライブで演奏されたのかなとふと思ったりする。
バックライトのみであえて表情を見えにくくして、音だけを轟音で鳴らすその構図にもメッセージが込められているのではないかと思ったりする。
クローバー
この曲とこの後の楽曲には大きく救われた時期がある。
2020年、コロナ禍にあってからライブはことごとく中止を余儀なくされた。
家に篭って友達と飲みにいくこともままならない。
ひたすらリモートワークをして食って寝る。そんな毎日。
discordで通話した友人には声に精気がないとも言われてしまった。
そんな中でもUNISON SQUARE GARDENは何回も配信ライブを行なってくれた。これにどれだけ救われたことだろうか。
ライブ自粛の流れから半年以上経って2020年10月、久々の有観客ライブが行われた。LIVE (on the) SEATだ。
いつもは絵の具から始まるライブがこの日はこのクローバーのアカペラ歌唱から始まった。
その姿と声を聞いたときにどれだけ安堵し、救われたことだろうか。
君がここに居ないことで あなたがここに居ないことで
回ってしまう地球なら別にいらないんだけどな
この場で改めてこの曲を噛み締めて聴けたことをとても嬉しく思う。
優しくも力強いこの演奏こそ未来のパズルに続いていると思う。
harmonized finale
クローバーと併せて辛い時期を救ってくれた楽曲なのでイントロでどうしても気持ちを抑えることができなかった。
LIVE (on the) SEATのときはharmonized finaleがラストの曲で演奏が終わった後にメンバーがステージから降りて最後に斎藤さんが歌い終わり、終演と同時に絵の具が流れた。ここからまた始まるのだと希望を持たせてくれた。
Be with youを懇願してどれくらいだろう
新しい時代へと橋がかかるだろう
何回だってI'm OK まだ立てるから
君を追いかけるよ その未来まで
話は少し変わるが今まで行ったライブの中でとても感動したMCがある。
2022年、ACIDMANが主催で行ったSAIというフェスに出演していたBRAHMANのTOSHI-LOWさんのMCだ。
このフェスはとにかくメンツがとんでもなく豪華だった。
普段は交わらないようなメンバーが集ったとんでもない二日間。
「一度きり。たった一度きりしかない人生で三度だけ見た。」
「…大木の帽子の中」
「あの頭の中で何を考えているかは知らない。何を作り出したいかは知らない。」
「けど、人気者をただ集めてフェスを作りてぇわけじゃない。」
「普段はバラバラ、たくさんのジャンルがある。」
「夜空の星はバラバラにあるけど誰かが結びつけて星座を名付けたようにバラバラの俺たちをACIDMANが結びつけてくれる。」
ACIDMANがバンドをそれぞれ繋ぎ合わせたように、UNISON SQUARE GARDENもまた、普段はバラバラでどこに居るとも知れないファンを繋いでコミュニティという形で結びつけてくれたのだろうと思う。
harmonized finale 星座になる
たくさんの願いをのせて
誰かを愛したいとか 君と笑っていたいとか
光に包まれる街で
理由のない涙もあるけど
想い続けていればきっと会えるから
大切な言葉 今 ヘタクソでも言わなくちゃ
誰かと誰かを繋ぐ星空の下
ありがとう ありがとう ここからまた始まってく
今日が今日で続いていきますように
流れる街々の映像からサビで星座が流れていく映像に変わるとき、
涙を抑えきれなくなってしまった。
UNISON SQUARE GARDENっちゅーのは本当にすげぇバンドなんだ。
さわれない歌
涙が乾かないうちに演奏されたのがさわれない歌。
この曲は絶対聴きたい歌だった。
少しのセッションアレンジを挟んだあとのイントロの導入。
この曲の演奏と同時に現れるUNISON SQUARE GARDENのロゴ
この曲もUNISON SQUARE GARDENのスタンスを存分に詰め込んだ曲だと思う。久々にDUGOUT ACCIDENTのブックレットを引っ張り出して読んでみた。
「ユニゾンはどうせ優しくないし、どうせ君を救いもしない。でも考え方一つで勝手に救われることができるのだ。」
勝手に救われ続けてきた身としてはこの考え方でいいのだ。
箱庭ロック・ショー
田淵さんと貴雄さんが向かい合って楽しそうに演奏している姿、最後には3人で見合わせてセッションしている姿。
田淵さんは相も変わらずステージを動き回って演奏しているし、
斎藤さんもステージ中央に出てきてはギターをかき鳴らす。
貴雄さんもやっぱり顔を合わせてはやっぱり楽しそうにドラムを叩く。
そんな姿を見てふと終わりが近づいてきているのではないかと思ってしまった。
ガリレオのショーケース
前述の箱庭ロック・ショー、ガリレオのショーケースともにおそらく活動初期からずっとUNISON SQUARE GARDENのライブを盛り上げてきた2曲であり、この場でやらない選択肢はないよなと思っていた。
といっても最初期のライブを観たことはなし。
初期からライブを観られたらどれだけ幸せだったことか笑。
ベースをブンブン振り回したり、ドラムスティックをクルクルしたり
間奏で追いかけっこしたり。(毎日っ)がっそう!と騒いでみたり。
追いかけっこしてぐるぐるしているルートと照明のぐるぐるがなんだか似通っているように見えてちょっとくすっときた。
そうだった。
アンコールで好き勝手暴れたりしてるのを見るのが大好きだった。
40代のおじさんが観衆を置いてきぼりにして無邪気な笑顔を振り撒いて遊んでいる姿が大好きだった。
どうかまたどこでもいいから3人ではしゃいでいる姿を見せてほしい。
センチメンタルピリオド
この前奏が流れたとき、終わってしまう…という気持ちが溢れてきた。
予想外にも間髪入れずに演奏され、心の準備が整っていない状態だった。
センチメンタルピリオド!と曲名がコールされる。
3人の演奏している姿がモニターに並んで映し出される。
2番では照明が綺麗なレインボーに変わり、サビでは光が混じり合って白になる。
この3人が並んで演奏している姿が尊い。10周年、15周年、20周年も締めがこの曲だっただけにいよいよこれで終わりかと思っていたが、斎藤さんから発せられたのは意外な言葉だった。
「あと3曲!!!!」
徹頭徹尾夜な夜なドライブ
終わると思っていたところに貴雄さんの熱の入ったカウントが入るとこの曲が流れてきてぶち上がってしまった。
田淵さんの足がいまだによく上がる。
大好きなエピソードとして、某フェスにてフェスでは絶対にやらないと決めているこの曲を唯一演奏したというエピソードがある。
どうしてもUNISON SQUARE GARDENを大トリで見たいといっていたスタッフに何の曲を聴きたいですか?と尋ねたらこの曲だったとのこと。
バンドのプライドを取るか、スタッフへの恩返しを取るか?
恩返しを取ります!といって演奏してくれたという本楽曲。
(行きたかった〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!)
もちろんこの場においても盛り上がり方が尋常ではなかった。
「ワタシドコ、ココハダレ、ダアレ」と合唱が起こっていた。
シュガーソングとビターステップ
この楽曲が決定的にUNISON SQUARE GARDENにハマったきっかけであり、今日までいろいろなライブへ赴くきっかけになったと思う。
血界戦線のEDでこの曲を聴いて、ニコニコ動画の絵描きMADもたくさん見た。何回も見ているうちにドツボにハマってしまい。地元でCDが販売されたときにはすぐに買いに走った。
上京してすぐ、Dr.Izzyのリリースライブに参加した。
渋谷のタワレコ地下にあるCUTUP STUDIOで初めての圧迫を喰らいながら生のシュガーソングとビターステップを聴いた。
ライブに慣れていなかった身体が興奮を覚えるには十二分過ぎる体験だった。胸を打つようなドラムの音、耳に流れてくる重低音のベース、幾度も聴いたギターフレーズにその歌声。
その衝動のままにツアーのライブにも申し込み、気づけばその終演後にはFCブースに行ってFC会員の申し込みまで行っていた。
こんなに楽しい世界があると教えてくれたのはUNISON SQUARE GARDENであり、この楽曲である。
それまで明確にハマっている趣味がないまま、「趣味は読書です」と答えてしまうような人間が「ライブ鑑賞です」と言える程度になった。
好きなものは「ロックバンド」と言えるようになった。
全部この楽曲のおかげだ。
この曲なくしてお別れはできない。
バンドメンバー3人の後ろ姿がモニターに映ってるのを見て
これが22年間彼らが見てきた景色なのだと感じた。
Catch up, latency
敬具 結んでくれ 僕たちが正しくなくても
「UNISON SQUARE GARDENでした。」
その言葉からこの楽曲を活動22年の結びとするようにフレーズを歌う。
敬具:つつしんで申しあげるの意で、手紙の終わりに添えることば。
レイテンシー:データ転送などを要求してから、その結果が返送されるまでの不顕性の高い遅延時間のこと。
思えばこの三人も個が突出している3人だったように思う。
その個々のずば抜けた能力が組み合わさった結果
心地の良い音が生み出され続けてきたのだと思う。
ジグザクすぎてレイテンシーが鳴ってる
それが意外なハーモニーになって
あまりにも不明瞭で不確実でもたまんない
それぞれがどこかしら凸凹している部分を組み合わせてできたのがきっとUNISON SQUARE GARDENというバンドで、このサウンドなのだろう。
凸凹溝を埋めています。つまりレイテンシーを埋めています。
バンドが(世の中的に)正しいか、正しくないか。
おそらく本公演の最初に歌っていた通りだ。
やっぱり僕らの音楽は不純らしい
言ってること同意だけど お前誰だよ
決してバンドが(世の中的に)正しいものとは思っていないが、それでも伝えたいことが楽曲の随所に散りばめられていたのだと思う。
バンドのスタンスや媚びるのが嫌いなことや諸々。
やりたいことを純粋に突き詰めて行き着いた先なのだと思う。
そして結びとは手紙の最後に添えられる言葉で、この22年間の活動として私たちに宛てられたものなのだろうと思う。
(20周年のライブでも結んでいるけども。)
バンドにはライブや楽曲を通して今まであらゆる感情を伝えてもらった。
そう考えたときにこの楽曲が最後なのは道理だったかもしれない。
目一杯かき鳴らし終えたその後には顔を見合わせて最後の一音を鳴らす。
終わってしまったか。
ドラムソロ
「ラスト!オンドラムス Takao Suzuki!」
そう告げると斎藤さんと田淵さんが舞台袖に移動する。
今までのライブでもあったドラムソロが本公演では最後の締めになった。
ドラムを叩きながら片手で水分補給をしたり、音以外にも目でわかりやすく楽しませてくれる。
今までもそうだった。上着を頭に羽織って目隠しした状態でドラムを叩いたり、今はYouTubeでもユニゾンの楽曲をわかりやすく楽しくノリやすく叩いている動画をアップしてくれている。
楽しさを純粋に追求している彼がUNISON SQUARE GARDENのドラマーだったからこそずっと魅力のあるバンドに感じていたのだ。
時には命を削っているんじゃないかと思うほどの気迫だったり、優しさを感じさせる温かみを感じるような演奏だったり。
UNISON SQUARE GARDENのライブに彼のドラムが必要だった。
ゆえに最後の心臓を脈打つような鼓動にも思えるバスドラムの音が少し切なくも感じた。UNISON SQUARE GARDENのドラマーとしての彼がもうすぐ終わってしまう。
ゆっくりと遅くなっていき、やがて音が止むと観客の拍手に包まれながら貴雄さんは納得したように笑顔で頷いていた。
会場では見れなかったが、配信では舞台袖で斎藤さんと田淵さんがその姿を見守るようにして立っていた。
歓声は止まないまま、斎藤さんと田淵さんは舞台を後にしたが、残った貴雄さんが話し始める。
「あなたがくべてくれた火のおかげで、今日まで生きてこれました。」
「お返しはできているだろうか。」
「…いつもそう思いながら、ドラムを強く打ち付けてきました。」
「どうか俺もまたあなたに、火を渡せていますように。」
「…そしてまたいつかどこかで会えたら、あなたに火を渡せる自分であれるよう、それまで自分を燃やし続けます。」
そして話は最初に戻る。
バイバイ!ではなくまたね!と言ってくれたその言葉だけでどれほど救われたことだろうか。
彼は最後まで世界一大好きなバンドの世界一大好きなドラマーであり続けてくれた。いつの日か最後に鳴らしたバスドラムの一音の続きをライブで聞かせてほしい。
そんな日が来るまでもうしばらくはUNICITY住民としてあり続けようと思う。それではまたね。
セットリスト
UNISON SQUARE GARDEN LIVE 2026「Sentimental Period」
幕張メッセ 国際展示場1-3番ホール
フレーズボトル・バイバイ
アナザーワールド
オリオンをなぞる
カオスが極まる
MR.アンディ
君の瞳に恋してない
桜のあと(all quartets lead to the?)
場違いハミングバード
Invisible Sensation
オトノバ中間試験
天国と地獄
傍若のカリスマ
WINDOW開ける
クローバー
harmonized finale
さわれない歌
箱庭ロック・ショー
ガリレオのショーケース
センチメンタルピリオド
徹頭徹尾夜な夜なドライブ
シュガーソングとビターステップ
Catch up, latency
ドラムソロ
