「自分の作業を効率化した」だけでは、転職市場で評価されない
「これ、かなり良い改善だと思うんだけどな」
転職活動中、自分の中ではそう思っていた経験がありました。
定期的に四季報のデータをシステムへ取り込む業務で、それまで手作業で行っていた手順を自動化した経験です。
ボタンひとつで手順書を生成できるようにして、実際の手順実行も承認だけで済むようにTTLを自動化しました。
結果として、作業工数はそれまでの3分の1程度になりました。
しかも、特定の経験者しかできなかった作業を、新人でも担当できる状態にできた。自分としては、単なる「便利なツールを作った」という話ではありません。
ところが、面接ではこう返されました。
「それくらいのことはエンジニアなら誰でもやっていますよね。〇〇さんならではの実績はありますか?」
この言葉は、かなり印象に残っています。
自分の改善が無価値だったわけではありません。実際、チームでは全員がそのツールを認知していて、作業できる人も増え、工数も3分の1になっています。
それでも「自分ならではの実績」としては弱かった。
今振り返ると、転職活動で自分が説明していたのは「何を作ったか」に寄りすぎていました。
「3分の1になった」だけでは、まだ弱い
当時の説明は、おおむねこういうものでした。
四季報データの取り込み作業について、手順書を手作業で作っていたものをボタンひとつで生成できるようにした。さらに手順実行時のTTLを自動化して、承認だけで作業できるようにした。
そして、定例業務にかける時間を減らし、頭を使うべき仕事に集中できるようにした、と説明していました。
事実としては悪くありません。
むしろ、成果はそれなりに明確です。
ただ、面接官から見ると「エンジニアが日常的にやっている改善活動」の一つに見えてしまう可能性があります。
ここには、自分でも後から気づいた問題があります。
改善した本人にとっては大きな成果でも、その成果がどこまで周囲を変えたのかを説明しなければ、評価する側には大きさが伝わらない。
自分の場合、本当に変わったのは作業時間だけではありませんでした。
それまで特定の経験者しかできなかった作業を、新人+経験者で担当できるようになった。
つまり、属人化していた業務をチームで扱えるようにしたわけです。
ここまで言語化すると、「自分の作業を楽にした」という話とは少し違って見えてきます。
ただし、それでも面接官の反応が変わったとは限りません。ここから先は、今回の面接で実際に確認できた事実と、自分なりの仮説を分けて考える必要があります。
評価される成果は、だんだん外側へ広がっていく
今回の経験から、自分はエンジニアの成果をこんなふうに捉えるようになりました。
自分の作業が速くなる。
↓
チームの誰でも作業できるようになる。
↓
チーム全体の仕事の進め方が変わる。
↓
他部署や顧客を含めた業務プロセスが変わる。
この順番で考えると、「マクロを作りました」という実績だけでは評価の上限が見えてきます。
もちろん、個人の業務効率化も立派な成果です。
ただ、転職や昇進でより上の役割を目指すなら、そこで止まらず、「その改善によって誰の仕事が変わったのか」まで説明できるほうが強い。
自分の場合は、
・特定の経験者しかできなかった作業を新人でも担当可能にした
・チーム全員が利用方法を認知した
・工数を約3分の1にした
というところまでは話せます。
一方で、その先の「チーム全体の業務設計を変えた」「他部署にも展開した」といった成果はありません。
だから、今回の面接で「自分ならでは」として強く評価されなかったこと自体は、ある意味で納得できます。
自分の経験を、どう説明し直すか
もし今もう一度同じ経験を面接で説明するなら、私は「マクロを作った」という話から始めません。
まず、どんな問題があったのかを話します。
定期的なデータ取り込み業務があり、手順が手作業に依存していた。そのため、対応できる人が限られていた。
そこで、自分は作業そのものを自動化しただけではなく、経験者でなくても実行できる形に変えた。
その結果、作業工数は約3分の1になり、新人も含めてチーム内で対応できるようになった。
こう説明すれば、「ツールを作った」という成果物ではなく、「業務の属人性を下げた」という変化として伝えられます。
さらに自分の場合、もう一つアピールできた可能性があります。
普段から、無駄な工数が発生している箇所を見つけて、どうすれば減らせるかを考えている。
これは一つのマクロの話ではなく、仕事への向き合い方そのものです。
今回の面接では、そこまで前面に出していませんでした。
もし「たまたま一度マクロを作った人」ではなく、「業務の中にある無駄を見つけ、仕組みで減らすことを継続的にやってきた人」として説明できていれば、違う受け取られ方をした可能性はあります。
ただ、ここはあくまで仮説です。今回の面接官が何を評価していたのかを直接確認したわけではありません。
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