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感情的になる時、そこに隠れているもの。

夫婦関係の相談を続けていると、感情がぶつかり合う場面に、何度も立ち会います。

メンテナンスの研究を続ける中で、もう一つ気づいたことがあります。それは、感情のメンテナンス、特に「感情的になる」ということについてです。片付けや歯磨きのように、目に見えるメンテナンスもあれば、感情のように、目には見えないけれど、確かにメンテナンスが必要なものもあるんじゃないかと思うようになりました。

感情が爆発するということは、そこにおそらく、大切なものが隠されているんですよね。普段は理性で覆い隠されている本音が、感情が高ぶった瞬間に、思わず表に出てきてしまう。そう考えると、感情的になることは、決して恥ずべきことではなく、自分の本音に近づくための、貴重な入り口なのかもしれません。

それが侵されそうになる時、人はいろんな方法で守ろうとします。言葉で説明したり、距離を取ったり、あるいは我慢したり。でも、そうやって守りきれなかった時に、感情が爆発するんじゃないかと、僕は考えています。

これは、夫婦関係の中でもよく見られることだと思います。夫婦喧嘩の場面で、些細なことがきっかけで急に感情が爆発することがあります。でも、本当のきっかけは、その些細な出来事そのものではなく、その奥にある「これだけは譲れない」という大切なものが、脅かされたと感じたことなんじゃないかと思うのです。

僕自身も、本当に大切なものを守ろうとする時、とても感情的になることがあります。

しかもそれは、人に対してだけではありません。以前の自分、自分が嫌だと思っていた自分、こうはなりたくないと思っていた自分。そういう自分が、ふと目の前に現れた時、とても感情的になりました。過去の自分と重なる部分を、自分の中に見つけてしまった時の感覚に近いかもしれません。認めたくない自分を、認めさせられるような感覚です。

不思議なもので、他人からの指摘よりも、自分の中の嫌な部分を突きつけられた時の方が、感情の揺れが大きいことがあります。他人のことなら「そういう考え方もあるか」と受け流せることも、自分の中に同じものを見つけると、途端に受け入れがたくなる。それだけ、認めたくない自分というのは、根深いところにあるんだと思います。

もちろん、人に対して感情的になることもあります。パートナーに対して、家族に対して、あるいは仕事で関わる方に対して。相手が悪気なく発した一言に、思った以上に強く反応してしまうことがあります。後から冷静になって振り返ると、「なぜあんなに怒ってしまったんだろう」と、自分でも驚くことがあります。

だから、その怒りの感情って、本当はすごく大切なものなんだと思います。感情が爆発するということは、それだけ守りたかったもの、大事にしたかったものがあったということです。怒りそのものを悪者にして抑え込んでしまうと、その奥にある大切なものまで、一緒に蓋をしてしまうことになります。

その感情の裏にある本音は何なのか。探ってみるというのは、とても良いことだと思います。「なぜこんなに腹が立ったのか」「本当は何を守りたかったのか」を丁寧に見ていくと、自分でも気づいていなかった価値観や、大切にしていたものが見えてくることがあります。夫婦関係の中で繰り返し起こる喧嘩も、実はいつも同じ「守りたいもの」がきっかけになっている、ということも少なくありません。

ただし、これは気軽に見に行けるものではないと思います。感情の裏側を覗きに行くには、すごく精神的な労力もいるような気がします。覚悟がいると思います。感情が爆発した瞬間には、自分を守るための言い訳や理由が、いくつも浮かんできます。「相手が悪い」「あの状況では仕方なかった」。そうした言い訳を一枚一枚めくっていく作業は、決して心地よいものではありません。時には、思ってもみなかった自分の弱さや、これまで見ないふりをしてきた古い傷に、行き当たることもあります。

自分の中の、認めたくない部分と向き合うことになるからです。目を逸らしていた方が、正直、楽です。誰だって、自分の嫌な部分にはできるだけ近づきたくないものです。でも、目を逸らしたままでは、自分自身を本当に知ることはできません。一度そこに向き合ってみると、これまで見えなかった自分の輪郭が、少しずつはっきりしてくる感覚があります。

だから僕は、自分自身を知るためには、この作業がとても必要だと思っています。感情が爆発した瞬間は、決して気分の良いものではありません。でも、その爆発の中にこそ、自分が何を大切にしているのか、何を守りたいと思っているのかという、大事な手がかりが隠れているのだと思います。感情のメンテナンスとは、感情を抑え込むことではなく、感情の奥にあるものを、時間をかけて丁寧に見つめ続けることなんだと、僕は思っています。

#絆深 #夫婦関係 #感情

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