あのとき許せなかったことが、今は違って見える。そんなことはありませんか。【夫婦学】
人は安心した時にしか、本音を話せない。
このシリーズでは、日々の夫婦のやりとりの中にある、ちょっとした違和感を一緒に見つめていきます。誰にも言えなかった本音も、ここでは安心して置いてみてください。一緒に考えていきます。
こんな声を聞きます
相談の場で、こんな言葉を聞きます。
「昔は、絶対に許せないと思っていたことなんです。でも、今振り返ると、少し違って見えるんです」
出来事そのものは、何も変わっていません。
それなのに、自分の中の見え方だけが、いつのまにか変わっている。
そう話す人に、これまで何度も出会ってきました。
その夜、あなたの中で起きていたこと
たとえば、こんな記憶を思い浮かべてみてください。
何年も前、大切な日に、パートナーが来なかった。連絡もなかった。
あのとき、あなたは、こう思ったかもしれません。
「私との約束なんて、どうでもいいんだ」
その解釈は、長いあいだ、心のどこかに残り続けていたかもしれません。
そして今、ふとした瞬間に、その記憶が浮かんでくる。
心の中で、こうつぶやいたことはないでしょうか。
「あのときは、本当にそう思っていたのに」
「今考えると、少し違う気もする」
その揺れに、戸惑ったことはないでしょうか。
過去の出来事は変わりませんが、見え方は変わることがあります
ここで、一つだけお伝えしたいことがあります。
過去に起きたことそのものは、変わりません。
来なかったことも、連絡がなかったことも、そのとき傷ついたことも、事実として残り続けます。
でも、その出来事を、今の自分がどう理解するかは、変わることがあります。
たとえば、あとになって、「その日、実は家族に急なことが起きていた」と知ることがあります。
あるいは、相手が当時、「何を言えばいいか分からず、連絡できなかった」と話してくれることもあります。
自分自身が年齢を重ね、忙しさの中で余裕を失うことがどういうことか、身をもって分かるようになることもあります。
そうしたきっかけによって、「あの人は私を大切にしていなかった」という一つの解釈しかなかったところに、「あの人にも、あの人なりの事情があったのかもしれない」という、もう一つの見方が加わることがあるのです。
これは、以前の解釈が間違っていた、という意味ではありません。
見え方が増えた、ということです。
これは、新しい事実を知ったときだけに起こることではありません。
自分自身が変わることでも、過去の見え方は変わります。
若いころには理解できなかった相手の言葉が、自分が同じ年齢になったとき、初めて分かることがあります。
自分が同じように失敗を重ねてから、かつて相手を責めていたことを、少し違う目で見られるようになることもあります。
時間の経過そのものが、解釈を変えることもあります。
出来事の直後は、強い感情の中で、一つの見方しかできないことがほとんどです。
それは、決しておかしいことではありません。
そこから時間が経ち、他の経験を重ねる中で、以前は見えなかったものが、見えてくることがあるのです。
それでも、傷が消えるとは限りません
ここで、大切なことを伝えておきたいと思います。
相手の事情が分かったからといって、あのとき傷ついた経験そのものが、なかったことになるわけではありません。
「事情は分かった。でも、あのとき本当に寂しかった」
その両方が、同時に成り立ちます。
理解することと、傷つかなかったことにすることは、違います。
そして、理解できたからといって、必ず許さなければならないわけでもありません。
「気持ちは分かる。でも、まだ受け入れられない」と感じても、それでいいのです。
解釈が変わることは、傷を消すためのものではなく、その出来事に、これまでとは違う見方も持てるようになる、ということなのです。
あなたに、問いを残します
あなたの中で、今までとは少し違って見え始めている過去は、ないでしょうか。
それは、無理に変えようとしなくても大丈夫です。
答えを急がず、少しだけ、自分に聞いてみてください。
次回予告(明日18時投稿)
今回は、過去の出来事は変わらなくても、その見え方は時間や新しい理解によって変わることがある、という話をしました。ただし、それは傷を消すことでも、許すことでもない、というところも見てきました。
次回のタイトルは「同じ出来事なのに、夫婦で全然違う話をしている。そんなことはありませんか。」です。一つの関係にも、実は複数の見方があるという視点から考えていきます。
#絆深 #夫婦関係 #夫婦関係の悩み #パートナーシップ #家族 #自己肯定感
今日はここまで。
最後まで読んでくださって、本当にありがとうございました。
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小さな安心
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また明日18時。
ここでお会いしましょう。
