毎日ちゃんと話しているはずなのに、夜ふと、本当の気持ちは一度も話していない気がする。そんなことはありませんか。【夫婦学】
人は安心した時にしか、本音を話せない。
このシリーズでは、日々の夫婦のやりとりの中にある、ちょっとした違和感を一緒に見つめていきます。誰にも言えなかった本音も、ここでは安心して置いてみてください。一緒に考えていきます。
こんな声をよく聞きます
相談の場で、こんな言葉をよく聞きます。
「会話は毎日あるんです。でも、本当に大事な話は、もう何年もしていない気がします」
会話の量では、決して少なくない。
献立、子どもの予定、明日の段取り。言葉は、ちゃんと交わされている。
それなのに、「話せていない」という感覚だけが、ずっと残っている。
そう話す人に、これまで何度も出会ってきました。
「これだけ話しているのに、なぜ足りない気がするんだろう」
その違和感を、うまく言葉にできずにいる人は、少なくありません。
その夜、あなたの中で起きていたこと
たとえば、こんな夜を思い浮かべてみてください。
夕食を終えて、テーブルに二人で座っている。
今日あった出来事、子どもの学校のこと、明日の予定。会話は途切れずに続いている。
ふと、会話が一区切りついた瞬間。
心の中で、こうつぶやいたことはないでしょうか。
「本当はもっと、聞いてほしいことがあるのに」
不安なこと。疲れていること。誰にも言えずに抱えていること。
それらは、今日交わした言葉の中には、一つも入っていない。
言おうとして、やめたことはないでしょうか。
「今それを言ったら、面倒だと思われるかもしれない」
そう思って、飲み込んだ言葉があるかもしれません。
深さとは、話した量のことではありません
ここで、一つだけお伝えしたいことがあります。
関係の深さは、どれだけ多く話しているかでは、測れません。
献立や予定について毎日話していても、それは、相手について「情報」を交換しているだけかもしれません。
本当の意味で深いというのは、自分の内側にあるもの、不安や弱さや寂しさを、どこまで相手に見せられるか、ということです。
そして、それを見せられるかどうかは、本人の性格だけで決まるものではありません。
「これを言っても、大丈夫だろうか」
そう感じられる安心が、その関係にあるかどうかが、大きく関わっています。
言ったら否定されるかもしれない。呆れられるかもしれない。面倒な人だと思われるかもしれない。
そう感じれば、人は自然と、自分の内側を隠します。
それは、あなたが本音を話せない人だから、というわけではありません。
そこに、安心してそれを置ける場所が、まだ十分にはない、というだけかもしれないのです。
開き方は、二人で同じとは限りません
もう一つ、知っておいてほしいことがあります。
自分は相手に多くを話しているのに、相手はあまり自分の内側を見せてくれない。そう感じることはないでしょうか。
これは、片方だけが不誠実だから起きることとは限りません。
人によって、内側を表しやすい速さも、表しやすい相手の受け止め方への感じ方も、違います。
一方が深く開いているからといって、相手も同じ深さで開いているとは限らないのです。
そのずれに気づいたとき、「自分だけが弱いのだろうか」と感じる必要はありません。
それぞれのペースで、少しずつ開いていくものだと捉えた方が、気持ちが楽になることがあります。
安心は、本音を無理に引き出すものではありません
ここで、誤解しないでほしいことがあります。
安心があれば、必ず本音を話さなければならない、という意味ではありません。
話したくないことがあってもいい。まだ言葉にできないこともある。
大切なのは、話すか話さないかを、自分で選べる余地が、その関係にあるかどうかです。
無理に開かせようとすることは、かえって安心を壊してしまうこともあります。
だから、「もっと話して」と急かすよりも、「話しても大丈夫だ」と感じられる時間を、少しずつ積み重ねていくことの方が、意味を持つことがあります。
あなたに、問いを残します
もし今夜、話しているのに足りないと感じる瞬間があったら。
最近、二人の会話の中に、予定や報告以外の、自分の内側の言葉が、どれくらいあったでしょうか。
それは、今すぐ増やさなければいけないものなのでしょうか。それとも、少しずつでいいものなのでしょうか。
答えを急がず、少しだけ、自分に聞いてみてください。
次回予告(明日18時投稿)
今回は、会話の量と関係の深さは別のものであり、本音が話せないのは性格の問題ではなく、安心の有無が関わっている、という話をしました。
安心は本音を無理に引き出すものではなく、話すか話さないかを選べる余地をつくるものだ、というところまで見てきました。
次回のタイトルは「本当は助けてほしいのに、大丈夫としか言えない。そんな夜がありませんか。」です。
強く見える部分は見せやすくても、弱っていることや助けを求める気持ちは、なかなか見せられない。次回は、その「弱さを見せられるかどうか」という視点から、なぜ大丈夫と言ってしまうのか、そしてそれが関係の深さとどうつながっているのかを、一緒に考えていきます。
#絆深 #夫婦関係 #夫婦関係の悩み #パートナーシップ #家族
今日はここまで。 最後まで読んでくださって、本当にありがとうございました。
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小さな安心
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また明日18時。ここでお会いしましょう。
