「もう遅いかもしれない。」そう感じた夜に、言えなかった本音があります。【夫婦学】
人は安心した時にしか、本音を話せない。
このシリーズでは、「安心」「本音」「受容」が人生をどう変えていくのかを、一緒に考えていきます。
前回、
本音を言わないまま、
何十年も連れ添ってきた夫婦について、
お話ししました。
その沈黙には、
「安心からくる沈黙」
と、
「我慢からくる沈黙」
の、
両方があるかもしれない、
というお話でした。
今回は、
そのどちらとも言い切れない沈黙が、
もっとも静かに、
そして、
もっとも深く積み重なっていく場所について、
考えたいと思います。
それは、
夫婦の夜の関係です。
このシリーズは、
「もし今日が、
最後の一日だとしたら。」
という問いから始まりました。
ここで一度、
その原点に立ち返りたいと思います。
「もう遅いかもしれない。」
そう感じている方に向けて、
それでも今日からできることを、
もう一度、
一緒に考えたいのです。
「今日は疲れてる。」その一言を、何度、口にしてきましたか。
夜、
パートナーに背を向けながら、
「今日は疲れてる。」
そう言ったことは、
ありませんか。
あるいは、
そう言われ続けて、
「もう、そういう関係じゃないんだ。」
と、
静かに諦めたことは、
ありませんか。
私は、
夫婦関係改善の現場だけでなく、
以前、
精力系商品を扱う仕事の中で、
たくさんの男性たちの、
誰にも言えない本音を聞いてきました。
そして、
夫婦相談の現場では、
その向こう側にいる、
奥様たちの本音にも、
数多く触れてきました。
この両方を聞いてきたからこそ、
見えてきたことがあります。
「もう遅い。」
と、
夫婦それぞれが思っているその奥に、
まったく違う理由が、
隠れていることがあるのです。
夫が距離を取る理由と、妻がそれをどう受け取るかは、驚くほどすれ違っています。
これまで、
多くの男性から、
こんな本音を聞いてきました。
「昔のように、
うまくいかなくなってきた。」
「途中でダメになったら、
どうしようと思う。」
「妻を満足させられない自分を、
見せたくない。」
こうした不安を抱えた男性は、
その不安そのものを話す代わりに、
「疲れてる。」
という言葉で、
距離を取ります。
一方、
夫婦相談の現場で、
奥様方から聞いてきたのは、
こんな本音です。
「もう、
女として見られていないのかな。」
「触れてほしいだけなのに、
それすら求められなくなった。」
「断られるたびに、
自分を否定された気持ちになる。」
つまり、
夫は、
「自信を失うことが怖くて」
距離を取り、
妻は、
その距離を、
「愛情がなくなった証拠」
として受け取っています。
同じ出来事なのに、
二人の中ではまったく違う意味に
なってしまっているのです。
私は、この「性の話」の奥にあるのは、実は誰もが持っている「自信のなさ」なのだと思っています。
これは、
性生活だけの問題ではありません。
「できなかったらどうしよう。」
という不安は、
「失敗したら情けない」
という、
もっと普遍的な恐れと、
つながっています。
そして、
その恐れを、
正直に口にできる男性は、
決して多くありません。
「弱さを見せてはいけない。」
という思い込みが、
多くの男性の中に、
根強く残っているからです。
一方で、
妻の側も、
「そんなことを聞いたら、
かえって傷つけてしまうかもしれない。」
と、
理由を尋ねることを、
ためらってしまいます。
こうして、
お互いが、
相手を思いやっているつもりで、
本当のことを、
ますます言えなくなっていきます。
「もう遅い」と感じているのは、体の関係が終わったからではなく、この本音の交換が止まっているからかもしれません。
夫婦の間で、
夜の関係が減っていくこと自体は、
年齢や環境の変化として、
自然なことでもあります。
問題は、
その変化について、
二人で話せているかどうかです。
「最近、
こういう理由で、
自信が持てなくてね。」
「私は、
セックスがしたいわけじゃなくて、
ただ触れてほしかっただけなの。」
こうした一言を、
交わせているかどうか。
それこそが、
「もう遅い」
かどうかを分ける、
本当の分かれ道なのだと、
私は思っています。
体の関係の有無ではなく、
本音を交わせる関係かどうか。
そこに、
まだ望みがあるかどうかが
かかっています。
「もう遅い」と思ったまま今日を終えるか、今日からの一歩を選ぶか。それは、まだ自分で決められます。
「誘う」
「誘われる」
という話をする前に、
試してほしいことがあります。
夫であれば、
「最近、
うまくできるか不安になることがある。」
と、
一言だけ、
正直に伝えてみてください。
妻であれば、
「セックスがしたいというより、
ただ触れてほしいだけの日もある。」
と、
一言だけ、
伝えてみてください。
この一言は、
すぐに関係を
元に戻すものではありません。
それでも、
「もう遅い」
とお互い黙り込んでいる状態から、
「実は、こう思っていた」
と、
初めて言葉を交わす状態へ、
進むことができます。
「もう遅い」
かどうかを決めるのは、
これまでの年月の長さではなく、
今日、
その一言を、
言えるかどうかなのだと、
私は思っています。
次回予告(明日18時投稿)
「私は正しい」を手放した瞬間、初めて見えてくるものがあります。
今回、夫婦の間で消えていく夜の関係と、そこに隠れている男女それぞれの本音についてお話ししました。次回は、夫婦げんかの中でつい握りしめてしまう「私は正しい」という気持ちについて考えていきます。その正しさを一度手放した時、何が見えてくるのか。一緒に考えていきます。
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今日はここまで。 最後まで読んでくださって、本当にありがとうございました。
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小さな安心
今日、歯のメンテナンスに行きました。歯医者さん好きな人ってどのぐらいいます?
歯医者さん嫌いな人の方が多いですよね。間違いなく!!
これって僕らの業界も同じじゃないかなって思いました
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また明日18時。ここでお会いしましょう。
