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シトロエンの孤独を訊いても孤独だと思わない

最後に話したミッシェル・ガン・エレファント系の話がたまたまその前のカサノバ・スネイクだった。

雑誌を読んでるとミッシェル・ガン・エレファントにインタビューしてる連中が次にどうすればいいかわからないままEPを演奏する全国コンサートが終わったとか、その録音CDとかTMGE106を出したからもう終わりっぽく見えたとか書いてて、なんといえばいいのか……ご自由に話してんなと思わざるをえなかった。

なんか一方的に勝手にドラマティックにして、もう解散しそうな状態だったみたいなことをファンに思わせて、よくインタビューしてくれたとか思わせたいんだろうか……このインタビュイーには価値があるから今後も雇用し続けるがこの雑誌のファンでありミッシェル・ガン・エレファントが好きならそれを当然認めるよな!!!という儀式のために言ってるようにしか見えないんだよね。

GTを出してベイビー・スターダストが出た。暴かれた世界が出た。ここにも思うところはすげえあるんだけど、だってベイビー・スターダストとカサノバ・スネイクはほとんど地続きに見えていて、ロデオ・タンデム・ビート・スペクターは暴かれた世界以降が地続きに見えるから。まずEPの名前であるロデオ・タンデム・ビート・スペクターが暴かれた世界に書かれてるからそうなってるんだろうし、だがぼくの友達はちょっとそれをEPの題名にするのは安易とか言っていた気がする。そうか~と思い、同意も否定もしなかった。

だから順番に出たシングルを全部次のEPに入れるわけじゃないという生き方をしていたブランキー・ジェット・シティとかスピッツみたいな人々だったらベイビー・スターダストはロデオ・タンデム・ビート・スペクターに入れなかったかもしれないが、ミッシェル・ガン・エレファントはなんかジャーマネの能野が調整役として天才過ぎたのか、もちろんミッシェル・ガン・エレファント側の気に入らねえことは押し通した上で、レーベルの要求みたいなのを素通しするのが上手かった、つまり結果的にあんなにわがままそうなグループの割に、レーベルが命令することにはいはい従う感じになってたように思える。つまり出したシングルにはプロモート費用とかもかかってんだから、次の大きなEPには全部入れろよな、と。

そのステージ録音CDであるカサノヴァセッドリブオアダイ casanova said live or dieはもしかしたらTMGE106を出すならステージ盤も出せやという要求に基づいて同時に出たのかもしれないと思った。しかもTMGE106には、そのちょっと前にも意味不明に出させられたRumbleというたまたまEP収録版と感じが違うシングルを詰めた、レーベルからしたらベストEPぽいけどファンからしたらなにこれ?A面とB面が一緒くただけど……というEPに入ってたものは一切入ってないという徹底ぶりだった。カルチャーとかゲット・アップ・ルーシーのシングル盤が訊きたくてベストが出るまで待ってたようなファン(そんなひねくれたファンがいるだろうか)はTMGE106を買っても意味がない。それもこれも正直にリリースされたCDを片っ端から買ったファンを傷つけないためにというミッシェル・ガン・エレファント側の意見だったのかもしれない。Rumbleの時のインタビューでも、会社の要望ですと言っていた。

レーベルの耳障りのいい言葉としてはもしカサノヴァで終わったとしてもこれで自社資産、IPとしてのミッシェル・ガン・エレファントを飼い殺しにしなくて済む=ベスト買ってファンが惜しんでくれたり、新規が押し寄せたりしたときの受け皿にさせられるし、むしろミッシェル・ガン・エレファントが続いたとしてもTMGE106を買えばそれまでを知らない人でも知った風にさせられるというもてなしができる。

という前提を受けずにシトロエンの孤独を訊いて、ダニー・ゴーで言ってた(そもそも歌とは気持ちがいい母音と子音を混ぜて歌うにすぎないから、詩に意味を求める行為の時点で大方の雑誌社は間違っているのだが)錆びた風が続くというのをロデオ・タンデム・ビート・スペクターで文字通り続いていた、何も終わらなかったと理解するのがよくわからん。上でも言ったけどギヤ・ブルーズの間にカサノヴァがあるわけだし……

シトロエンの孤独は一個目の歌だけどラップだと思う。バイバイニューヨークのあたりまでメロディがないからである。

ジャパニーズなのかUKなのか全くわからないロックをやっていたグループがラップになった……おおよそファンからしたらラップではなく、普通の帰結なんだと思うけど、それをしてそれまでのざらざら鳴ってだらだら咲いた続いていくんだろうみたいな惰性で演奏してまっせ的イメージをこのグループにいだくかと言われていだける連中はおそらくこの人たちのCDなんて訊きたいことはないんちゃうかと思える。

なんか新しい世界が見つかったから演奏するしCDも出すぜ的な感じで新しい何かが始まったのがシトロエンの孤独だと思うんですよね。

歌を聴いて「シトロエンの孤独って何!?」と人々は思うだろうし、孤独って大変だろうけど、その主語がシトロエンなのか、でも別にこのグループはその車の会社の人たちのプロモーション目的で歌ってるわけでもないんだから、なにかの暗喩なんだろう……そうか、ミッシェル・ガン・エレファントがシトロエンに喩えられているのか、孤独なんだね、と勝手に思われてしまう。さっき言った通り、もともと詩に意味を求めてなければそんなこと思うわけないし実際そんなこと歌ってないと思うんだけど、知的生命とは物事にどうしても意味を求めたがる。

そういうポエムをインタビュー前の添え物として書くために歌の雑誌はあるわけじゃないと思うんだが、なんかその人の個性みたいのを出さないといけないんだろうか、こういう雑誌はと思ってしまう。ぼくが見ているのはかなり前の資料を集めて最近リリースされた文集だが、こういう業界って今でもそうなの?

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中村風景 このサイト内ではいかなる場合でも返信行為をしていません。