産業保健職として「軸」を持つ
はじめに
産業保健の現場では、企業と労働者、組織と個人、法令と現場と倫理の間に立たされ、時に「誰のために・何のために働いているのか分からない」という感覚に陥ることがあります。企業から報酬を得ていながら、企業にとって耳の痛いことを言わなければならないこともありますし、企業の嫌な部分を見ることもあります。労働者を支援する立場でありながら、時に裏切られるような事例にも直面し、毎日がジレンマの連続です。関係者のベクトルが揃わない中で、調整に調整を重ねて最適解を模索しなければなりません。そんな悩ましいことの連続であり、ブレてしまうことも多いのが産業保健活動です。労働者を支援する、企業を支援するといった単純なことではありません。
だからこそ、「軸」を持つことが、私たち産業保健専門職には必要なのだと私は考えています。
軸とは何か
ここで言う「軸」とは、産業保健専門職としての自分の立ち位置を支える“価値観”や“指針”のようなものです。産業保健活動は、ブレやすく、判断に悩みやすく、活動の意味を見失いそうになるからこそ、立ち返ることができて、拠り所となるものが必要なのです。
みなさんは、次の問いに、すぐに答えを出すことができるでしょうか?
産業保健とは何か?
自分はなぜこの仕事をしているのか?
誰のために仕事をしているのか?
この仕事は社会の役に立っているのか?
軸を持つということは、このような根源的な問いに対して答えを持つことに他なりません。そして、自分自身に問い続けることが、産業保健専門職としての軸を持つことになるのだと思います。
「軸」を形成するためにできること
次のようなものが参考になると思います。
ただしこれらはあくまで参考であり、それを以て、自分の産業保健の軸を作れるものではないと思います。これらの言葉を咀嚼し、血肉とし、自分の言葉として表出することができて初めて「軸」となるのだと思います。
ここから先は
ありがとうございます!いただいたチップでコーヒーがぶ飲みします!
