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Hearts2Heartsが溶かす「日韓ポップの国境」とK-POP至上主義

2025年にデビューしたSMエンターテイメント所属のK-POPガールズグループ「Hearts2Hearts」(ハーツトゥハーツ、略称H2H、ハトゥハなど)が2026年8月12日にシングル曲「ICONIC HEART」で日本デビュー(イルデ)を飾った。

8人ユニットでメンバーは1人がインドネシア人、それ以外が韓国人である。ILLIT(HYBE)などと同じ第5世代と呼ばれるグループに属し、軽めのビートで疾走感のある音楽性、ダンスもそこまで激しくないタイプの曲が多いとされる。日本の音楽好きにはJ-POPで聴き慣れた感覚を覚える人も多いのではないだろうか。

日本デビュー曲「ICONIC HEART」のMVには「魔法少女」イメージのコスチュームを纏って登場。8月16日に愛媛県松山市で開催された東京ガールズコレクション(地方巡業)ではイベントの大トリを飾った。今後売れっ子になっていけば愛媛でのライブなどそうそう開催されないと考えられるので、地元のファンにとっては貴重な出会いとなったはずだ。

日本デビューのプロモーション

日本デビューに合わせたプロモーションとして、日本の雑誌と公式サイトでもインタビュー企画が6月以降断続的に組まれている。いち早く動いたのは集英社のファッション雑誌「non-no」と「Seventeen」である。

雑誌Seventeen掲載(雑誌・アーティスト公式Xより)※9月1日売り表紙

Seventeen Web掲載

※インタビュー記事はメンバー1人ずつでアップされている。

雑誌non-no掲載(雑誌・アーティスト公式Xより)※8月20日売り表紙

※non-no Webのインタビューでセンターに収まっているのは雑誌で専属モデルを務める女優の林芽亜里。

※11月号(9月18日発売)より連載がスタートする。

non-no Web掲載

ファンの反応

8月20日「non-no」、9月1日「Seventeen」で立て続けに表紙を飾った。non-noでは秋トレンドを先取りした赤・白・ネイビーの大人マリンルック、Seventeenでは爽やかな青春のイメージを前面に推したイメージをアピールした。
中でもSeventeenには日本の女子高生の制服コーデを纏って、ファッション特集の一部のような形で登場。K-POPアイドルのインタビューは通常カルチャー特集に単独掲載となる中で、日本のファン文化に溶け込もうという意識が他に類を見ないほど強く出た異色のプロモーションと言える。

K-POP界隈の「J-POP観」

音楽業界・芸能界の有識者から一般のファンまで結構な個人差があるので、「一律にこうだ」と断定することは避けたいが、東方神起、BIGBANG、少女時代、KARA、防弾少年団/BTSなど多くのK-POPアーティストが世界的な知名度を獲得するにつれて、K-POP界隈では以下のような価値観が信奉されるようになっていった。曰く

K-POPはダンス、歌唱など徹底したパフォーマンス訓練を受け、完成形として世界を席巻する。
一方J-POPは未完成な幼さを愛でるアイドル育成カルチャーである。

と。
このような言説は、特に2010年代後半にBTSが国連機関での表彰を受けるなど「イケイケドンドン」であった時期にはよく聞かれた。
さらにこれが発展して(と言うよりこじれて)以下のような言説が展開されるに至る。

未完成で幼い「可愛らしさ」を愛でるJ-POPのアイドル文化は「学芸会」や「おじさんに媚びているロリコン文化」であり、その対極に位置するのがダンス、歌唱など徹底したパフォーマンス訓練を受け、完成形として世界を席巻するK-POPだ。

このような「K-POP至上主義」は若い女性が(肌の露出が多いなど)男性向けに性的な魅力をアピールすることに対する忌避感が強いキリスト教文化の影響を強く受けていると考えられるのだが、主に「秋元康の48・46グループを見下す」文脈で、特に写真集のセクシーショットに対して多く言及される傾向がある。また、後述する韓国・朝鮮の民族主義に付和雷同する日本のフェミニストに「刺さるコンテンツ」としてK-POPが政治的に持ち上げられる言及もこの流れである。

五百城茉央

井上和
※現在大河ドラマ「豊臣兄弟」に茶々(淀殿)役で出演している。

(後日追加)Hearts2Heartsの大学イベント

後述する2022年デビューのNewJeansに対してもNewJeansをJ-POP色の強いグループと見立てて同じ主張が展開された。

そしてHearts2Heartsが上記の通り日本デビューで盛り上がっていたその頃、韓国の歌番組「SBS人気歌謡」(インキガヨ、通称インガ)に出演した、指原莉乃プロデュースのアイドルグループ「=LOVE」(イコラブ)を巡って、再びこの思想が「ご開帳」された。
ちなみに、日本拠点のJ-POPアーティストのインガ出演はこれが初めてだという。

公式の出演告知など

ファンの反応

問題のポスト
※自動翻訳:韓国はビジュアル、歌、ダンスすべて上手いのに、なんで日本はペドフィリアオタクインセル男が好きそうなコンセプトと、小学校の学芸会レベルで韓国みたいに放送してるの?私なら恥ずかしくて、そんな女性の人権を下げるような歌手の海外進出を止めると思うんだけど、そもそも日本で人気ある歌手なの?

上記ポストに関する芸能ニュース、Xユーザーの反応

参考までに…

このポストには英語、スペイン語、インドネシア語など多くの言語圏から「何言ってるの?」「韓国アイドルが女性の人権とか何の冗談?」「人種差別だろ!」というような反応が続出して「ワールドワイドな炎上」に発展した一方、日本のフェミニスト系X民に賛同の反応が見受けられることは「日本のフェミニズムの本性」の片鱗を示す事例と言えそうだ。

溶けていく「アイドルの日韓国境」

このような「可愛らしい日本のアイドル」のスタイルがK-POPに影響をもたらし始めたのがNewJeansの登場だった。
激しい振り付けやインパクトの強いビジュアル、強めのビートを得意としてきたK-POP界にあって、それらと対極に位置する清純派スタイルで緩く気楽な振り付け、音楽性を打ち出したミン・ヒジン率いるNewJeansは、当初ゲームチェンジャーとして注目はされたものの、その「K-POPらしくないスタイル」に対して「日本のようなロリコンアイドル」との批判が度々聞かれ30代以上の男性ファンが比較的多かったことを「NewJeansおじさん」と揶揄するミームも誕生した。

そのような批判をよそにNewJeansは「既存のK-POPに飽きた」あるいは「K-POPにとっつきにくさを覚えていた」音楽好き・アイドルファンの心を掴み、同じHYBEのILLIT、Hearts2Hearts、KiiiKiiiといった後続の第5世代ガールズグループにも大きな影響を与えている。

マウントから融合へ

少女性を強調した清純派スタイルを「おじさんに媚びるJ-POPのロリコン文化」と見下すK-POP至上主義は、実際に送り出されるアーティストのスタイルトレンドの変化によって確実に「過去の価値観」になってきている
今日発売のSeventeenの表紙をHearts2Heartsが平成の女子高生の制服で飾ったことは、まさにその象徴的なアイコンに他ならない。


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