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私の頭の中のあれこれ

「私の頭の中の消しゴム」という風変わりなタイトルの韓国映画があった。
若年性アルツハイマーにおかされた主人公の記憶障害を、「頭の中の消しゴム」になぞらえた、切なくて悲しいラブストーリー。

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幸い今のところ、私の頭の中に怖い「消しゴム」は無い。
ただ、加齢とともに記憶は薄れつつあり、少し見えづらくなってはいる。

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ずっと私の頭の中には、いろいろな道具が存在してきたのだが、年々その性能は低下している。それら頭の中の道具たちをタイトル画像に並べてみた。

なかでも性能低下著しいのは、「私の頭の中のそろばん」だ。
私は小学校3年から6年まで、そろばん塾に通っていた。それほど真面目な生徒ではなかったが、いつしか頭の中に「そろばん」が形成されていた。頭の中で数字はそろばんの珠(たま)に変換され、珠を動かして計算を行った。私は暗算が得意だった。だが数年前から、珠の位置が安定しなくなったというか‥ 見え難くなったというか‥  とにかく使い難くなっている。

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使わない機能は衰える」。 私がこれまでに何度も力説してきたこと。
我々老人は、自分のためにも周りのためにも、各種機能の低下を抑制する努力をせねばならない。私が必要もないタイ語や英語を勉強しているのはその為だし、note を続けているのも同じ理由。ウォーキングやゴルフもそう。
全ては、老人の最重要課題である機能低下抑制が目的なのだ。

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さてここからが本題。
最近私は、「音楽に関する諸機能の復元と向上を目指す」ことを決心した。諸機能とは、音感、リズム感、指先や腕の運動能力、歌唱力のこと。長年使わなかったことで、私のそれら機能は著しく低下している。
「私の頭の中のチューナー」や「私の頭の中のメトロノーム」は狂い気味。指は思うように動かない。高い声は出ないし音程も怪しい。

そんな決心をするに至った経緯を説明する。
このところ私は、古い衣類、本、書類などの整理~処分に余念がない。先日冬のシーツを押し入れに片づけている時、天袋に古いマンドリンを保管していることを思い出した。
友人の鈴木 (私の記事によく登場する日光山輪王寺の偉いお坊さん) が、1979年にナッシュビルの老舗ビンテージギターショップ「Gruhn Guitars」で買ってきてくれた1930年代製ギブソンのマンドリン。手に入れたものの、私はマンドリンが弾けない。いくつか理由はあるのだが、46年間ほとんど触れられないまま天袋に眠っていた。

無職の身の私、小遣い欲しさもあり「売ったら結構いいお金になるかな?」と、久しぶりにケースを開いてみた。チューニングして音を鳴らすと、張りっ放しの弦とは思えない、柔らかくて優しい音がする。
しばらく弾いていると、ずっと放ったらかしにしておいて、遂には売り飛ばそうとしている自分が恥ずかしくなった。マンドリンに申し訳ないという気持ちが湧いてきた。そして私は高らかに宣言した。

「このマンドリンは手放さない!  ちゃんと弾けるよう練習する!」
「孫の誰かが『やってみたい』と言ったら、その子に遺すことにする!」

かくして私は、マンドリンの練習をしながら、音楽に関する諸機能の向上を目指すことと相成った。

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このようなフラットマンドリンは、主に「ブルーグラス」という音楽に使われる。大学時代私はブルーグラスバンドでベースを弾いていた。

「ブルーグラス」とはケンタッキー州の別名。同州出身のビル・モンローのバンド「ブルーグラスボーイズ」から、音楽のジャンル名にもなっている。アパラチア南部に入植したスコッチ・アイリッシュの伝承音楽をベースとしており、 "ハイロンサム" と呼ばれる唱法と素朴なハーモニーが特徴。バーンダンスの伴奏に使われたり、楽器の速弾きなどのアクロバティックな要素も特色。主な楽器編成は、ギター、バンジョー、フラットマンドリン、フィドル (バイオリン)、ウッドベース。

Wikipedia

マンドリンは弾き手によって音の表情が変わる。私は、大きなストロークから繰り出されるボリューミーで歯切れのよいサム・ブッシュのマンドリンが好きだった。1952年生まれの彼は、3年前の70歳の年にニューアルバムをリリースしている。今も現役で活動中だと思うのだが。

話は変わるが‥  サム・ブッシュの動画の中に懐かしい顔を見つけた。下の写真に白の矢印で示した人たち。バック・ホワイトとその娘さんたち。長年「The Whites」というファミリーバンドで活動していた。1978年私がひとりでアメリカを旅した時、私はフェス会場でバックさんを紹介してもらい、たいへんお世話になった。ケンタッキーの田舎町で食事をご馳走になり、そこから200マイル離れたナッシュビルまで車に乗せてもらった。ナッシュビルでは楽器店を案内してくれた。何ものでもない22歳の日本人にどうしてそこまでしてくれたのか、今思うと不思議でならない。お礼状を送っただけで、何のお返しもしていない。今回思い出して Wikipedia で調べてみたところ、バックさんは今年1月23日に亡くなっていた。享年94歳。私が会ったのは48歳の時だった。心よりご冥福をお祈りいたします。    ‥合掌‥

Buck White and his daughters


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サム・ブッシュをもう一曲。 アリソン・クラウスやトニー・ライスとの
ジャムセッション 「Sawing on the Strings


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最後に、私が弾けるようになりたい曲がこちら。
Huckleberry Hornpipe」元々はフィドル (バイオリン) の曲。
⇩はマンドリン用にアレンジされています。


マンドリンのリペアが完了したら、とにかく毎日触ってみるつもり。
孫のうち誰かひとりでも興味を持ってくれたら、爺ちゃんはすごく嬉しい。


< 了  >

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