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踏切オーディション【毎週SS】

「はい次の方、どうぞ」

 監督が開始の合図をかける。
 スタッフがそれに合わせて警報器を鳴らして貰うサインをだす。

 カンカンカン……

「あーダメダメダメ。もっと手先ピーンと伸ばさないとぉ。もっと体幹鍛えてから来なさい、次」

 カンカンカン……

「ストップストップ! なんだねそのもっさりとした動きは。ここはもっと緊張感持ってやってくれないと! そんなんじゃ誰も気付いてくれないよ、次」

 カンカン……

「ちょっと待って。なんだお前その格好は、ふざけてんのか!……えっ、ライバルの子のオーディションは明日だよ。ったくもう、マネージャーさんちゃんと仕事してよぉ」

 オーディションは終始こんな調子であった。

「監督、お疲れ様です」
「お疲れ~」
「どうですか、今年の新人は」
「全っ然ダメ。どいつもこいつも素人上がりに毛が生えた程度だよ」
「そりゃあ厳しいっすね、時代ですよ」

「はぁーもっとこう、人々に危機感を感じさせる『遮断機』はいないもんかねぇ」
(410文字)


逸材というものは、見つけるのが難しいものです。時間と金をかけても無駄足に終わるということもあります。

私が思うに、時間をかけていいのであれば、素直な人をじっくり育てることです。長い目で見ると一番コスパがいいのです。

ま、現代人がそんな優秀な目を持っているとは到底思えませんがね🙄

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