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七夕の歩幅【毎週SS】

「天の川にはどんな人たちが住んでいるの?」
「さぁ、僕も会ったことはないんだけれど、君みたいにお話しできる人たちがいると良いよね」
「やっぱりいるんだ。お話してみたいな」
「それには、天の川の人たちに会いに行かなくちゃね」

 クジラは鼻を低く鳴らし、ゆっくりと星のしぶきを舞い上げた。

「わたしも行けるかな」
「さぁどうだろう、でもきっと長い長い旅をつづけることができればきっといつかたどりつけるでしょうね」
「それってどれくらい長いの?」
「君がずっとず~っと大人になるくらい。僕もおじいさんになるくらいかな。いやもっとかも」
「そんなに長いんだ」

 クジラと少女は遠い彼方を見上げた。言葉を発さぬ天の川の星々が、二人を黙って見つめている瞳の輝きのようだった。

「お願い事をしたら行けるかな」
「なんだいそれは」
「七夕の日に、短冊にお願い事を書いておくと、願いが叶うのよ」
「そうなんだ」
「お願いしたら、いつか泳いで会いに行けるようになるよね」
(410文字)


子供の頃、幼稚園や学校で短冊にお願い事を書くというのをさんざんやったような気がしますが、どれもかなった記憶がありません。
そもそも何を書いたかすら覚えてないんで本末転倒なわけですが、その程度の願い事などかなうわけもないですね。

大人になると、ますます自分のお願いを聴いてくれる人など少なくなるので結局自分でやった方が早いという結論に至るのも自然なわけです。

結局のところ、「私はお願い事をするのが下手」ってことなのかもしれません。

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